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八ッ場ダムの建設反対派の存在を許せない笹川 博義群馬県議会議員

2010-11-29 21:08:39 | 八ッ場ダム騒動
今回は、2010年6月2日の群馬県議会で行われた八ッ場ダム関連の議論の一部を紹介。
基本的には、↓の議事録からの引用。
・群馬県議会議事録(群馬県)

この日の群馬県議会では、川瀧 弘之県土整備部長と笹川 博義氏がスーパー堤防と八ッ場ダムに関して長々と談義を繰り広げていた。
まずは、群馬県議会2010年6月2日分議事録より、スーパー堤防に関するやり取り部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
◎川瀧弘之 県土整備部長 国が、利根川などの重要河川において計画を大きく上回るような大洪水が発生しても決壊しないために、幅の広い高規格堤防の計画がまずございます。
これはスーパー堤防と言っておりまして、利根川で言いますと右岸側、左岸側両方に計画があります。
左岸側、要するに群馬県側におきましては、早川の合流点、これは太田市の堀口でありますが、そこから下流についてはすべてスーパー堤防整備計画という位置づけがまずございます。
ただ、これは非常に長大な計画になっておりまして、左岸側だけでも160キロほど、左岸と右岸を合わせると327キロにも及ぶ計画になっておりまして、このうち実際に完成しているのは5.7キロですから、わずか1.7%の進捗ということでございます。
多くの区間では事業化のめどが立たない状況になっていると聞いております。
 しかしながら、利根川では、県議も御存じのとおり、平成10年とか平成13年の出水のときに大規模な漏水の実績もありまして、堤防の耐浸透機能、浸透しない、水が漏れない機能の安全性の確保が急務になっているということでありまして、堤防の幅の割合を、通常だと高さが1に対して2ぐらいの堤防をつくるわけなんですが、先ほどのスーパー堤防は1に対して30ぐらいの大きい幅になります。
今回それは、進捗が進まないということもあり、1に対して7の盛り土をするという堤防の強化対策が平成16年度から国により行われております。
これが議員が御指摘の首都圏氾濫区域堤防強化対策というものでございます。
ただ、この強化対策事業そのものは、利根川の右岸側だけを先行的に整備されております。
要するに群馬県側でない、埼玉県側についてのみ強化がなされているということがありまして、規模的には23.5キロが事業化をされているということであります。
 このような堤防強化対策は必要だと思いますが、一方で右岸のみならず左岸、要するに群馬県側においても万が一洪水により堤防が決壊されるようなことが生ずれば、大きな被害をこうむることになりますから、左岸の堤防強化についても右岸に遅れることなく実施されることが必要であろうというふうに考えております。

◆笹川博義 議員 
ただ、ちょっと部長にお伺いしたいのは、これは事業そのものの完成というのは1期、2期に分かれておりますけれども、この完成時期がいつぐらいかということと、基本的に、国とすると右岸側の予算が最優先ということになるわけですよね。いかがでしょうか。

◎川瀧弘之 県土整備部長
 今、その首都圏氾濫区域堤防強化対策は、議員御指摘のとおり1期、2期の計画があるということがありますが、現在、事業中の区間はそのうち1期ということで、それが先ほど申しました23.5キロということであります。
具体的に今、用地の進捗状況が約半分ほどだというふうに聞いておりまして、完成はまだ1.5キロということでありますから、スーパー堤防よりは早まるとは思いますけれども、しばらく時間がかかるのではないかと。
完成予定年度はまだ未定だというふうに聞いています。

◆笹川博義 議員
生きているうちにできるかどうかというところですかね。
わかりました。
 続いてでありますけれども、問題は、首都圏側じゃないんですね。
我々の立場からすると、やはり左岸であります。
現状の左岸対策について一部先ほど触れられておりましたけれども、やはり具体的にこういうふうにしますよというものをお示しにならないと非常に不安だというふうに思うんですが、右岸の場合はこういう形できちっとした事業がぱかっと出てくる。
ところが左岸側は何もないわけですね。
今言ったスーパー堤防という話は、これはもう論外ですよね。
正直言って、今、議論している人なんか生き残らないですよ。

生前中に完成するわけないですもの、こんなもの。そう考えると、左岸側の対策についてはどのように認識をすればよろしいのかということをちょっとお伺いさせていただきたいんですけれども。

◎川瀧弘之 県土整備部長 スーパー堤防のお話をちょっと補足をいたしますと、これは非常に進捗が悪いと先ほど申し上げたのですが、ただ、群馬県の中では板倉町の大高島地区について、先般、水防訓練をやった場所ですけれども、そこについてはスーパー堤防が完成をしております。
また、千代田町の舞木地区においても同様に完成をしておりまして、合計で1キロほどの延長になりますけれども、完成区間があるということでありますが、それ以外の区間がなかなか進捗がはかどっていないということであります。
 いずれにいたしましても、右岸側について、要するに埼玉県側について首都圏氾濫区域堤防強化対策が行われているわけでありますから、左岸側の明和町、板倉町においても、洪水時の浸透に対する安全度を満足する堤防強化を急ぐべきだ、対策を急ぐべきだというふうに考えてございます。
(以下略)
---- 引用以上 ----

いや、スーパー堤防なんて、俺が生きてる間には完成しないだろうけど・・・。
つーか、埼玉県側から堤防強化って辺り、埼玉県の方が群馬県より住居や経済活動の面で重要度が高いとみなされてる感がありありだ(苦笑)
確かに、埼玉県側で堤防が決壊した日には東京都まで被害が及ぶ危険が否定できないとはいえ、ね。


もっとも、スーパー堤防に関しては余りにも工期が長すぎる(着工から400年以上)ため反対意見も多く、今年の事業仕分けで「廃止」判定を喰らう結果となった。
・スーパー堤防事業計画廃止 住民と共産党一貫して要求(2010年10月29日 jcp.or.jp)

川瀧氏と笹川氏の談義の後半は、スーパー堤防の問題点に触れた後、利根川近くに住む住民の意識とか八ッ場ダムに関する話に移った。
だが、ここでは首をかしげたくなる発言がチラホラ・・・。
以下、群馬県議会2010年6月2日分議事録より八ッ場ダムに関する談義部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
◆笹川博義 議員 
上毛新聞さんのこの記事によれば、本当に、スーパー堤防の完成までに400年、12兆円かかるとか、そんなような数字が並んでいるわけですよ。
ですから、とてもじゃないけど見届けることはかなわない、自分のせがれでさえ見届けられないという状況であります。
 さて問題は、やはりこの首都圏を守らなきゃならないというのは、国家の危機管理上やむを得ないという思いはございますが、問題なのは、左岸側の人たちがこのことについて認識をしていない。
例えば、この板倉町が住民意識調査をしたところ、全域の浸水について認識は43%、物すごく低いですね。
地元の舘野議員から言わせると、本当にさまざまな苦難のお話をお聞きしましたけれども、その板倉町でさえこういう状況下でございます。
 そうすると、やはり右岸側と左岸側がきちんとした正しい情報のもとで正しい認識のもとでこの施策を選択したんだというのであれば、全く私は問題ないわけでありますが、この正しい認識がないのにもかかわらず右岸を優先し、また場所によっては数メートル、2メートルぐらい右岸側の堤防の方が高い、左岸側の方が低いと。
右岸側だけ今言ったように仮に進捗状況が早くなって完成したとすれば、おのずと左岸側がやはり破堤をする、これはもうだれしもが考えるところなんですよ。
八ッ場対策特別委員会の意見聴取の中でも、ある参考人の方は、もうそれは例えば首都圏の多くの人たちを救うためには、人工的に破堤をさせて一部地域を調整池がわりにしたらどうかという御意見も実はございました。
しかし、それは正しい状況をきちんと知った上で住民の皆さん方がその政策を選択するかが大事なことじゃないかというふうに思います。
その認識がないから、この八ッ場ダムの事業についても、八ッ場ダムから離れれば離れるほどこの事業についての認識が薄まっているのではないかなというふうに思っておりますが、全くもって私は非常に無責任な話だというふうに思います。
 この広報活動と言いましょうか、住民に対して告知義務を怠っている国交省、さらにはその現状を既に政権発足してからある程度の時間がたっているのでありますから、承知をしている大臣はじめ今の政府の考え方、これは私は非常に問題があると言わざるを得ない。大都市圏の多くの人たちのために、じゃあ我々は犠牲になるのか。
私の地域も実は水没地域というような水のラインがかかっております。
にもかかわらず、じゃあ八ッ場ダム、何の対策もないにもかかわらず有効な対策の一つとして数えられているこの八ッ場ダムの事業は中止にした方がいいという、そういう考えの方がこの水没地域の中にもおられるということは非常に残念なことなんですが。
その辺のところ、県土整備部長、どのような御認識をお持ちでしょうか。

◎川瀧弘之 県土整備部長
 まず、八ッ場ダムのお話がありましたので、ちょっと申し上げたいと思いますけれども、やはり上流にダムをつくることは、今いろいろお話があったように、川の左岸と右岸関係なしにひとしく治水効果が期待できるものでありますから、そういう意味でもこの八ッ場ダムも含めたダムの建設というのは必要であるのではないかというふうに思っております。
 それから堤防強化事業についてのお話でございますけれども、先ほども少し申し上げましたが、やはり群馬県といたしましては、右岸側の強化に対応して、右岸側だけを一方的に強化をするのではなく、左岸側の堤防強化対策も必要だというふうに考えておりますので、関係市町と連携をとりながら、国に対してその点強く要望してまいりたいというふうに考えています。

◆笹川博義 議員
 ちょっとこれを最後にお聞きしたいんですが、仮に、その堤防事業というのは非常に時間もかかるし予算もかかる。もちろんさまざまな事業というのは非常に時間がかかると思いますが、渡良瀬遊水地が非常に洪水の調節機能を果たしているということもあると思いますが、仮にこれと同様なものを、思想的なものを東毛地区かどこかにつくるという発想というのは、検討とかそういうものはあったんでしょうか。具体的に言えば、要するに現状、堤防のこの工事が非常に時間がかかるというならば、この水自身を、逃げ道をつくっておくと。
いわば、八ッ場対策の参考人の方が言ったように、人工的に破堤をさせてどこかに水を逃がしてやる、首都圏側を守るためには、そこに水を逃がすしかない。それを前もって逃げ場をつくっておくと。
ただ、それはおそらくかなりの面積が必要かと思いますけれども、そういう発想というんでしょうか、そういう検討をしたことというのはあるんでしょうか。

◎川瀧弘之 県土整備部長
 大昔というか、江戸時代とか、そのあたりにはそういう発想もあったなということはいろいろと書き物では見ることは多いんですが、少なくとも私の知る限り、最近といいますか、戦後といいますか、においては、そういう人が住んでいるところを遊水地化するような検討がなされたということは全く承知をしておりません。

◆笹川博義 議員
 部長、ありがとうございました。
 そうすると、いずれにしても八ッ場ダムの事業を中止するということの選択肢というのは、正直申し上げて、さまざまな角度からいろいろ考えたとしても、治水の面からいえば非常に無責任な決定と言わざるを得ないというふうに私は思いますので、ぜひそれぞれのお立場の中で、大臣が考えを御留意なさるように、ぜひまた働きかけをしていただければというふうに思います。ありがとうございました。
(以下略)
---- 引用以上 ----

ヲイヲイヲイヲイ(謎笑)
八ッ場ダムを欲しがってる人達は、笹川氏の発言とは逆に下流域の都府県に結構多いみたいだけど。
某都知事とか某県知事とか・・・。
つか、笹川氏の発言で一番問題なのは、「八ッ場ダムの事業は中止にした方がいいという、そういう考えの方がこの水没地域(おそらく埼玉県や東京都を想定してる)の中にもおられるということは非常に残念なことなんですが」という下り。
これってさ、(笹川氏の言い方に沿って)八ッ場ダムの事業中止を求めてる八ッ場あしたの会とか保坂 展人を Dis ってんのか?
どうせ Dis るなら、そうした人達の名前を出して非難するくらいの覚悟でやって欲しかったわな。

そもそも、笹川氏の発言は「(笹川氏の言い方に沿うと)八ッ場ダムの事業に反対する奴がいることは許されない」って取られかねないなのだが。
まさか笹川氏は、(笹川氏の言い方に沿うと)八ッ場ダムの事業に反対してる人達を国交省に洗脳して欲しいんじゃあるまいな?
ま、広報活動はプロパガンダという一面を持ってることを踏まえれば、笹川氏の主張は強ち間違ってないけど・・・。


それはそうと。
今月21日に、八ッ場あしたの会が『八ッ場ダムはどうなるのか』というシンポジウムを開いていた。
・シンポジウム「八ッ場ダムはどうなるのか」報告(2010年11月22日 八ツ場ダムをストップさせる埼玉の会)

仮にこういう人達の存在を許さない笹川 博義氏がこのシンポジウムに参加したらどういう感想を抱くのだろうか?(謎


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2 コメント

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リンク御礼 (八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会)
2010-11-30 02:01:09
笹川議員情報とトラックバックもありがとうございました。
八ッ場ダムもスーパー堤防も税金の無駄遣いだと思います。
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(八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 さんへ (flagburner)
2010-11-30 20:22:01
コメントありがとうございます。

>八ッ場ダムもスーパー堤防も税金の無駄遣いだと思います。
特にスーパー堤防に関しては、事業終了までに信じられないくらいの時間がかかると言いますから・・・。
それでも、八ッ場ダム建設やスーパー堤防にこだわる政治家には、色んな意味で開いた口が塞がりません。
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