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上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その2)

2009-11-07 20:16:39 | 八ッ場ダム騒動
今回は、上毛新聞で 2009年9月23日から22回に渡って掲載された『八ッ場の57年』という連載記事への突っ込み。
第1回目については以下参照(手抜き)。
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その1)(2009年11月5日 flagburner's blog(仮))

つーことで、2009年9月24日分上毛新聞『八ッ場の57年 苦悩の軌跡 2』の文字起こしをしてみた。
ただし、一部表記を変更+強調を入れておく。

---- 以下書き起こし ----
発端
台風被害で計画浮上

2009年9月24日 上毛新聞

なぜ、利根川支流の吾妻川にダムが築かれることになったのか。

降って沸いたダム計画が持ち上がったのは1952年5月。建設省(現国土交通省)は長野原町にダム建設候補地としての調査を通知した。

也mm場ダムは47年のカスリーン台風を機に、国が利根川を改修する計画に盛り込んだ。
関東地方を襲った台風は、利根川の堤防を決壊し、洪水被害を拡大。
千人を超す死者を出したことから、水害対策は喫緊の課題となった。

木々に包まれた深い谷間が形を成す吾妻渓谷、岩肌に築かれた川原湯温泉。
住民の暮らしはどうなるのだろう。
ささやかに農作業や観光を営んでいた静かな町は、一般の公共事業とは違い、水没による多くの犠牲を伴うダムに当然のように拒絶反応を示した。
通知を受けた町は対策委員会を立ち上げ、建設省に反対陳情を重ねた。

年が明けた53年2月15日、抑え切れない住民の怒りと憤りは長野原小第 1分校の校庭で開かれた建設反対住民大会で一気に噴き出す。
上毛新聞は当時の様子をこう伝えた。

<川原湯、川原畑、林、横壁の埋没四の住民約八百名が、手に手にムシロ旗やプラカードを持って参加。
(中略)「祖先伝来の郷土を守れ」「我らの生活権を死守せよ」「川原湯温泉を失うな」「調査隊の即時引き上げ」などと叫び、折柄の吹雪も純朴な地元の人達の愛郷の熱情でかき消した>

「建設省と国会に建設中止を要請し絶対に反対する」という意思を決議した住民大会に対し、建設省河川局が次のような見解を示した。

1. 現在利根川上流で総合開発予備調査が行われている七つのダム地点の一つに過ぎず海のものとも山のものとも、まだ不明である
2. ダムの高さや水没面積も決まってない―という理由から反対運動を行うのはおかしいと思う

住民大会で学生代表として演壇に経って意見を述べた篠原 都さん(72)=長野原町川原畑=はつぶやく。
「ダムという大きな渦の中に巻き込まれたような不安と焦燥の年月だった。ダム計画が持ち上がってなければ、また違う人生を送っていたかもしれないと、ふと思うことがある」

戦後、利根川上流に目を向けたダムは建設ラッシュを迎え、利水や治水、発電といった多目的ダムとして脚光を浴びる。
県内では藤原、相俣、薗原、矢木沢ダムが次々と建設され、奥利根の地に発破の音が途絶えることは無かった。

長い闘争を経て「首都圏の水がめ」といわれるようになった八ッ場ダムだが、調査団が現地入りして地質や水質の調査を重ねた結果、吾妻川が強い酸性河川だったため建設省は一旦計画を凍結。
寝耳に水の調査通知に端を欲した苦悩の半世紀に僅かな空白が生まれ、住民の頭からダムの2文字が遠のく。


カスリーン台風

1947年9月14日から15日にかけて関東や東北、北海道に大きな水害をもたらした強い大型の雨台風。
利根川(の堤防)は埼玉県の栗橋上流で決壊し、関東一円に被害が及んだ。
死者は全国で千人を超え、本件では600人近くが犠牲となった。

---- 書き起こし以上 ----

ダム計画予定地に定めた後でダム建設に適した土地かどうかを検証する、ってやり方が間違ってたのはともかく。
吾妻川が強酸性河川だったことが、八ッ場ダムの工事が長引く一因になったのは否めないかと。
結果として、建設省は八ッ場ダム建設計画を凍結(生活再建策はさらに・・・)したわけだしな。
この辺りについて、当時の国会議員や群馬県議がどのように検証したのか正直気になって仕方がないのだが・・・。
(朝鮮戦争で頭がイッパイ×2になってそうだが)

つーか、この事は、当時から政府の方々が八ッ場ダム建設予定地の人達のことをどれだけ軽視してるかってのを端的に示してるんだろうな。
もし、建設予定地の人達の心情をおもんばかってるなら、最初に「ダム建設候補地」なんて言わないし。
ま、建設省の当時担当だった人や国会議員たちはほとんどお亡くなりになってる以上、本当の所はなかなか知る由はないだろうけど・・・。


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