チャ-ルズ・チャップリンとに対する私のイメージ…それはいつかチラリと見たことのある彼の姿…いつものあの格好で、なにも口を利かずに「機械人間」みたいな動作で、ちょこまかと無意味に動き廻る姿でした。
それは多分ストリーがどうの…と云う以前の、見世物的なサイレント映画時代のフイルムの断片だったのでは…と思います。
こんなイメージに数十年間にわたり支配されていた私が、今まで見たいな…と思っていた映画は「ライムライト」ですが、それもチャップリンと云うよりも、主題曲の「テリーのテーマ」がお目当てでした。
この曲は彼自身の作曲でその美しい旋律は、あれから数十年の歳月が流れた今でも、耳に焼き付いているしメロディも思い出すことが出来ます。
こんな程度の認識の私がNHK-BSで「チャップリンの独裁者」を見たのですが、例のお馴染みの動作で思わず笑いに誘い込まれながらも、バロディ風のストリーの中にこめられた彼の思想に触れてドキリとしました。
時の流れに対する彼の鋭い洞察力と、先見の明に改めて敬服すると共に、今までのチャップリンに対する私の、理解不足を痛切に反省させられました。
ナチス・ドイツとヒトラーをモデルにしたと思われる、「トメニア国」の独裁者ヒンケルとユダヤ人の散髪屋の二役を演じて、笑いの中に痛烈な皮肉をこめられています。
イタリアと支配者のムッソリーニを暗示した「バクテリア国」のナバロニとが、お互いに自らの弱みを隠して力を誇示し合うドタバタは、実際の外交でもある程度は駆け引きがあったか?と思いますが、世界制覇の野望を抱く二人の独裁者を、ここまで引きずり下ろしてとことんと漫画的に描いたあたりは痛快でした。
当時の我が国の指導者はこの二人の独裁者の尻馬に乗って、「日独伊三国同盟」なるものを結んで、それがやがて太平洋戦争へと拡大する訳ですが、歴史認識から云えば当時の日本の指導者よりチャップリンの方が、よっぽど正確に歴史の未来や流れを理解していたように思います。
「If」が許されるならば…日本の当時の政治家がこの映画を見て、その真意を悟っていたら…我が国の歴史も、もう少し変った方向に進んでいたことでしょうね。
今頃こんなこと云っていても遅くさい「あとの祭り」ですが…
地球儀の図柄の風船に戯れるヒンケルの姿に、世界を我がものにしょうとする彼の願望が暗示されています。その風船はやがて破れて仕舞い彼の手に残るのは無残にぽしゃった風船の残骸だけでした。
得意顔の夢もいずれは破れるぞよ…と云う未来を告知していたようでした。
この映画を見た人が均しく感動したのは、ラストの演説シーンですね。
独裁者ヒンケルに間違えられて隣国の「オスタリッチ」国侵攻に集結した将兵を激励するために、演壇に立たされたユダヤ人の散髪屋は叫びます。
人生とは豊かで自由で美しいものだ。
人類は道を間違えて 悲惨と流血を招いた。
しかし絶望するな、独裁者は必ず滅ぶ、
兵士達よ!自由と美しい心を取り戻すために共に戦おう!
兵たちのどよめき…虐げられていた人たちの希望と歓びの表情…
再び「If」ですが…こんな風に歴史が進行していたら、私の今までの人生もまた違ったものになっていたかも…などと、いろいろ考えさされた映画でした。
それは多分ストリーがどうの…と云う以前の、見世物的なサイレント映画時代のフイルムの断片だったのでは…と思います。
こんなイメージに数十年間にわたり支配されていた私が、今まで見たいな…と思っていた映画は「ライムライト」ですが、それもチャップリンと云うよりも、主題曲の「テリーのテーマ」がお目当てでした。
この曲は彼自身の作曲でその美しい旋律は、あれから数十年の歳月が流れた今でも、耳に焼き付いているしメロディも思い出すことが出来ます。
こんな程度の認識の私がNHK-BSで「チャップリンの独裁者」を見たのですが、例のお馴染みの動作で思わず笑いに誘い込まれながらも、バロディ風のストリーの中にこめられた彼の思想に触れてドキリとしました。
時の流れに対する彼の鋭い洞察力と、先見の明に改めて敬服すると共に、今までのチャップリンに対する私の、理解不足を痛切に反省させられました。
ナチス・ドイツとヒトラーをモデルにしたと思われる、「トメニア国」の独裁者ヒンケルとユダヤ人の散髪屋の二役を演じて、笑いの中に痛烈な皮肉をこめられています。
イタリアと支配者のムッソリーニを暗示した「バクテリア国」のナバロニとが、お互いに自らの弱みを隠して力を誇示し合うドタバタは、実際の外交でもある程度は駆け引きがあったか?と思いますが、世界制覇の野望を抱く二人の独裁者を、ここまで引きずり下ろしてとことんと漫画的に描いたあたりは痛快でした。
当時の我が国の指導者はこの二人の独裁者の尻馬に乗って、「日独伊三国同盟」なるものを結んで、それがやがて太平洋戦争へと拡大する訳ですが、歴史認識から云えば当時の日本の指導者よりチャップリンの方が、よっぽど正確に歴史の未来や流れを理解していたように思います。
「If」が許されるならば…日本の当時の政治家がこの映画を見て、その真意を悟っていたら…我が国の歴史も、もう少し変った方向に進んでいたことでしょうね。
今頃こんなこと云っていても遅くさい「あとの祭り」ですが…
地球儀の図柄の風船に戯れるヒンケルの姿に、世界を我がものにしょうとする彼の願望が暗示されています。その風船はやがて破れて仕舞い彼の手に残るのは無残にぽしゃった風船の残骸だけでした。
得意顔の夢もいずれは破れるぞよ…と云う未来を告知していたようでした。
この映画を見た人が均しく感動したのは、ラストの演説シーンですね。
独裁者ヒンケルに間違えられて隣国の「オスタリッチ」国侵攻に集結した将兵を激励するために、演壇に立たされたユダヤ人の散髪屋は叫びます。
人生とは豊かで自由で美しいものだ。
人類は道を間違えて 悲惨と流血を招いた。
しかし絶望するな、独裁者は必ず滅ぶ、
兵士達よ!自由と美しい心を取り戻すために共に戦おう!
兵たちのどよめき…虐げられていた人たちの希望と歓びの表情…
再び「If」ですが…こんな風に歴史が進行していたら、私の今までの人生もまた違ったものになっていたかも…などと、いろいろ考えさされた映画でした。
最高の映画人であることには変わりありません。
広告代理店に勤めていた私は、
職業柄、チャップリンは一番お世話になりました。
偉大なる芸術家です。
私は彼に対する先入観を、改めたのも事実のようです。有難うございました。
作品賞と言っても良い映画だと思います。
ナチスへの戦いはチャップリンの勇気を讃えたいですね。
しかし、アメリカがこの映画を利用したことも事実。
アカデミー会員が「レベッカ」を選んだのは
正解だと思います。
なんとなく見たのですがほんとに素晴らしい映画でした。見てすぐに作ったのですが、TBを送らせて戴きます。
あの6分間の熱弁は些かも色褪せるどころか、現代にも通用する警告にも聴き取れて驚嘆しました。
TBはいずれkumiさんも記事にされると思いますが、一応最近のに貼っておきます。
親と一緒に観ました。
あの時代に作ったっていうのがスゴイ。。何回も言ってしまうケド。
日本でも、20年後くらいにやっと公開になったようですね。
放浪者チャーリーが登場する映画も好きだけど、
この「独裁者」もまた好きな作品です。