映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(CD雑記帳)シャンソン「ばら色の桜の木と白い林檎の木」

2006-10-09 05:22:21 | 音楽
 私の手元のシャンソン譜面集に「ばら色の桜と白い林檎の花」と云う、長ったrらしい題名の曲が掲載されています。(原題Cerisier Rose Et Pommier Blanc)
 このシャンソンが昨日にブログで触れたマンボ「セレソ・ローサ」の元歌であることはよく知られていて、私の手元のアルバムでは、イヴェット・ジローが歌っています。
 トランペットの響きも華やかなマンボに比べて、同じメロディでもジローの歌の方も軽やかで明るい感じの歌で、このあたりはやはり共通したものを感じます。
 譜面集にはフランス語の原歌詞が、ご親切にもルビつきで掲載されています。
 勿論、フランス語の意味は判りませんが、日本語の歌詞がとても綺麗な言葉で綴られていますので紹介したくなりました。
「セレサ・ローサ」のメロディをご記憶の方…一度歌って見ませんか…
  さくらんぼの花咲き 真白きりんごも 
  咲き匂うその下で 初めて 
  愛しの君を知りて 我が胸は燃えぬ 
  思い出も懐かしき 春の日

  優しい瞳は 我を見つめて
  そよ風甘く 私を誘う… (下略〕 作詞 大原良一
 「スミレのはーな…」みたいな宝塚ソングのような感じですが…私も久しぶりに一度歌ってみましたが、幸いにして歌詞もメロディもばっちり合いましたよ。
 
 マンボ・ブームがその後どうなったか…音楽の世界から遠ざかっていたので、よく知りませんが、昭和30年代初期にはシャンソンブームが起きたようです。
 昭和27年にダミアが来日、丸山〔現三輪)明宏が「銀巴里」専属シャンソン歌手としてデビューするなど…昭和20年代末期から下地はすでにありました。
 それが昭和30年にNHK-TV「シャンソン・アルバム」の放映が始まり、出演者の豪華さにブームが一挙に高まったようです。
 出演者は淡谷のり子、高英男、深緑夏代、芦野宏 大谷冽子、砂原美智子などシャンソンやオペラ界の一流アーティストでした。
 ニッポン放送も「巴里の街角」を放送開始するなど、この世界は空前の活況を見せていましたが、ロック世代とは層が少し違っていたのか、熱狂的なものではなく深く静かに…と云う感じだったように思います。
 またこの年にはイヴェット・ジローが初来日、その後イブ・モンタンやジャクリーヌ・フランソワなど有名歌手の来日が続きました。

 なだずい分先のことですが…12月29日は「シャンソンの日」です。
 三輪明宏、岸洋子、などがここから巣立ち、その後も多くのシャンソン歌手を世に送り出して、文化の発祥地でもあった銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」が平成2年のこの日に閉店しました。
 シャンソンに少しでも関心がある人にはよく知られ、シャンソンのの普及と日仏友好に尽くして40年…惜しまれながらのフィナーレだったそうです。
 私も元来はフランス映画やシャンソンは好きでしたが、この頃はすでに外野席…で見物していました。
 もうのめりこみませんでしたが、それでもシャンソンの「ばら色の桜の木と白い林檎の木」も、マンボの「セレサ・ローサ」両方ともに、いくら年を取っても、アタマの片隅に残って消えることはありません。
 同じ思いの人は大勢いられるのでは…と思います。
 

 
 




(南山城古塔めぐり)「浄瑠璃寺・三重塔」

2006-10-09 05:21:04 | 旅 おでかけ
  こんもりとした緑に包まれた木立の中に、国宝の三重塔はひっそりと佇んでいました.この塔は1178年治承2年(1178年)に、京都の一条大宮から移築されたものといわれますが、正確なことはよく判りません。
 この塔は少し低いのと周りの樹木が高いので、なかなか全景を写真に収めるところがありません。撮影にいい場所を探して周囲をうろついていたら、突然大雨が降ってきました。
 慌てて塔の下へ雨宿りに駆け込むと、すでに先客あり…それが美人の女性の方で、文字通りの「駆け込み寺ですね」と顔を見合わせて大笑い…夕立もなかなか止まないので、四方山話しでもしながら雨が上がるのを待ちました。
 女性の方は「仕事で徳島から大阪へ来たので、このお寺を目指して来ました」とのこと…それはまた何故…と聞くと「徳島は阿波浄瑠璃の本場ですから、このお寺の名前に惹かれました。それと堀先生も作品に書いていおられましたし…期待に違わず静かないい感じのお寺で、お参り出来て本当によかったです」と云っていられました。
 
 私も前に読んだ堀辰雄の小説の中で、このお寺のお守りをしている少女と、彼の奥さんとの対話を綴っていたのを思い出しました。
 少女は「この辺はしょうもないとこでっせ。筍やワラビなどばっかり食べて、お魚などは食べたことない…」とか云ってたように思います。
 この鄙びたお寺が遠来の参詣者を惹き付けるのは、この美しいお寺の名前とともにどことなく、文学的な香りが漂っているからでしょうか。
 




(南山城古塔めぐり)「雨の浄瑠璃寺・宝池」

2006-10-09 05:19:56 | 旅 おでかけ
 雨もなかなか止まないし外へも出られないし、四国の女性と家内が話しを始めたので、私は家内の「日傘」をさしてその辺を散策ことにしました。
 三重塔から本堂に戻る道筋に大きな池があります。この池の近辺はは浄土式庭園と云われ国の史跡、特別名勝に指定されています。
 これは宇治の平等院にも見られるように平安貴族の間に、広がった末法思想により現実世界に極楽浄土を表現したものだそうです。
 浄瑠璃寺では池の西岸に阿弥陀如来を祀る本堂と、池の東岸に薬師如来を祀る三重塔が残り、平安王朝寺院の雰囲気を伝える貴重なものです。
 薬師如来は東方浄瑠璃世界に住み、現世の苦しみを除く仏であり、 阿弥陀如来は、西方極楽浄土の教主であることから、このような形でに祀られているそうです。
 
 そぼ降る雨の浄瑠璃寺の庵や樹木や宝池に、落ち着いた風情が感じられていい雰囲気でした。
 その内雨も止んだ様子で四国の女性や家内が、三重塔の下から出て来たので帰途につくことにしました。