映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
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(31) ある愛の詩/白い恋人たち(同名の映画)

2005-09-06 00:48:08 | 映画音楽
 この映画が作られた1970年ごろは日本では、高度成長の真最中でしたがアメリカではベトナム戦争の長期化により、若者たちの反戦気分の高まりや麻薬への傾斜などの社会現象が生じていました。
 こんな時代に現れたこの純愛物語は、大人社会に反抗する若い世代の心をしっかりと捉えたといえます。一昔なら無理をしてでも映画館へ足を運んだと思われる名作を、あれから三十数年もしてからビデオで見ました。
 アメリカの大金持ちの息子とイタリア移民の娘との物語ですが、古い考えの親つまり大人社会に対して立ち向かい、やがて自立してささやかながらも、幸せな未来を夢見ていた二人を残酷な運命が襲います。
 「愛することとは後悔しないこと」 この有名な言葉は、あの頃の流行語になったそうですが、現在でも立派に通用する言葉ではないかと思います。
 この映画の雰囲気を盛り上げたのがアカデミー音楽賞を受賞した、フランシス・レイの主題曲でしょう。私の手元にはフランシス・レイの「愛のテーマ集」と「ひまわり」を作曲した巨匠のヘンリー・マンシーニ楽団演奏の二種のCDがありますが、どちらを聴いても雪の中で戯れあう二人とか、大きな彼の邸宅を始めて訪問した時の、彼女の驚きなどの情景を思い出します。
 フランシス・レイの作品では外に、1968年フランスのグルノーブルで行なわれた、冬期五輪の記録映画「白い恋人たち」の主題曲が有名ですね。
 この映画は観ていないし音楽のCDもないのでネットを探索していたら、まるでメロドラマを思わせるようなロマンチックな歌詞と、聞き覚えのある綺麗なメロデイが流れてきたので、思わずメモをしてしまいました。
  過ぎていくのね愛の生命も  白く輝く雪がやがて溶けるように
  はかなく消えたきのうの夢も あとに残るはただ冷たい涙ばかり (以下略)
               原歌詞 ルイ・パロー 日本語作詞 永田文夫
 蛇足ですが「ある愛の詩」ヒロインの女優アリ・マッグローは、その頃に結婚していた夫とその後離婚して、あの「大脱走」でバイクでの逃走シーンを演じた、スティーブ・マックイーンと結婚したそうです。
 ビデオとかいうものがなければ、永久に観られなかった作品の一つかも判りません。