ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

綿々と続くもの~名家も動物も

2010-06-15 12:05:14 | 美を巡る
100604.fri.
青空を噴水のしぶきが押し上げるような
梅雨直前の晴天の一日。





「細川家の至宝」(東京国立博物館)を見に行く。

お殿様のお宝とはこういうことをいうのか・・・
ただただ溜息をついて回ったひとときでした。

なにせ遡ること南北朝時代からの錦旗から始まり
鎌倉時代の時雨螺鈿鞍、江戸は11代斉樹の鳥毛陣羽織など
デザインも色も素材も、勇壮ななかにある気品にまず気圧される。

武人として秀でる一方で「古今伝授」を受けた近世細川家の祖・藤孝(幽斎)の書写、
千利休の高弟でもあった二代忠興(三斎)の茶道具の数々、
忠興のの妻ガラシャの遺品やその消息を伝える侍女の覚書などの貴重な文書、
代々の当主が集めた能面その他に至っては、もう言葉を失います。
江戸時代、「肥後の鳳凰」と呼ばれた名君・六代重賢(しげかた)公の資料を見ても
なんとバランスの取れた一族であろうか、と。

20世紀に入ると、16代護立(もりたつ)が現れて、芸術家を庇護、支援、
名品を蒐集し、そして永青文庫を創設する。
彼は白隠、仙の墨書蒐集に続き、
春草、大観、古径ら近代の日本画家たちのパトロンとして名高い。
現在は全国各地の美術館や個人宅に保管されている有名な
あれもこれも皆彼が書(描)かせたり、買い取ったりしていたものだなんて・・・
細川家の中でも特別な審美眼とエネルギーを持ったひとだったのだろう。

この広い東京国立博物館を自前の宝物(の一部)で埋めてしまうなんて
とんでもない一族なんである。

その足で、閉展間際の科学博物館「大哺乳類展」へ。

写真撮影OKとのことで、レオポン(懐かしい!)の剥製をまずパチリ。
ヒョウとライオンを交配させたこの動物は1世代限りのもので
これは「種」とは言わないんですね。
化石を見ながら哺乳類の進化をたどる。
小動物から大型化・多様化した哺乳類がさまざまな環境に適応している様子は
剥製や骨格標本からも見て取れる。
身を守る武器であり、コミュニケーションツールでもある角の美しさ!
一方で絶滅の危機にある希少動物の実態も。
ひと目で違いがわかり、また視覚的にも迫力のある集合展示にも
これまでにない工夫を感じた。




第2会場の「ムリネモ」の森。
住環境の違う動物の代表としてムササビ・リス・ネズミ・モグラを取り上げ
身近な動物の生活の跡をたどる。
ずいぶん前に高尾山にムササビを見に行ったことがあったなあ、なんて思い出しながら
(見たあとはもちろん山頂ビアホールで一杯!でしたが・笑)、
わざわざ見に行ったり、展示されたものを見るようになってしまった
野山の動物の暮らしと人間の関係に複雑な思いを少々・・・。

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2 コメント

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Unknown (kikkoro)
2010-06-15 23:43:12
ああ、ありましたね~。
私、毛皮にはガシガシ触ってきましたが・・・(笑)
「海の~」は来月10日からですよね。
すごく楽しみです!
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Unknown (アルキメデス)
2010-06-15 22:28:41
そこに、動物のフンのコーナーがあり、子どもたちが一つひとつ匂いを嗅いでいた。
何も迷いのない子どもたちが、可愛く羨ましい。

海の~も楽しみだね。
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