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相棒CBR1000RR (SC59)でのツーリングや色々
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レコードについて考えてみた。

2019年02月09日 | オーディオ
最近会社で40代後半の先輩と話していて、レコードを聞いたことが無いと言ったら驚かれた。よく考えてみたら30半ばの僕の年代なら聞いたことくらいあってもいいのかとも思うんだけども、身近にレコードやレコードプレーヤーがあった記憶が無い。。w
その先輩と話してて、ちょっと気になったのが、昔レコードで聴いていた曲のデジタル圧縮音源をスマホで聞くと、聞こえない音が有るという。これだけならまだ分かるんだけど、、デジタルではハイレゾを別としてCDを聞いても圧縮音源と同じだったという。

ネットで簡単に調べると、CDは人間が聞こえないとされる周波数の音がカットされて入っていない。聞こえないとはいえ、なんか気になった次第である。レコードを聴いたことが無い故に余計に興味が湧く。

しかしながら知識として知っているレコードという物は実に面倒だ。物理的な接触で音源を取り出すレコード。磨耗したり埃に弱く洗浄が必要というレコードは信じられないくらい面倒だ。プレーヤー、フォノイコライザー、アンプ、スピーカーが必要で、機器の選定、設置や電源の管理もシビアである。適当な値段の機器同士を適当な場所に置いて、適当な線で繋げばある一定の高音質が
得られるデジタルとは訳が違うと思われる。
おそらくレコード時代のアナログな作法が昨今のデジタルオーディオにも引き継がれており、数万〜数十万円するUSBケーブルや電源などが売られているのではないかな。
やはりアナログは通ってないので、やや懐疑的である。しかし自分で音を作り込んでいくのが楽しみの1つという見方では、そんなお作法もちょっと興味が湧く。

僕は80年代前半生まれである。物心ついた子供の頃に初めて触った音楽メディアはカセットテープだった。もちろんCDも有ったけど、初めてCDを触ったのは多分小学生になってからである。
小学5年〜中学生で携帯CDプレーヤーを持ち歩き、90年代中頃からMDを使い初めた。高校生の頃はずっとMDだったな。。ちょっと遅れて携帯デジタルプレーヤーを手にしたのは04年頃かな。ゲームウォッチみたいなモノクロ液晶でHDDの入った3代目ipodだった。
話はそれるけど、携帯CDプレーヤーって音が良かったらしい。考えてみると黎明期の携帯音楽プレイヤーはMP3が主流で、音質は良くなかった。

僕にとってCDは常に音源の最上位にあって最高音質のメディアだった。今はハイレゾが有るし、ストリーミングも有るしで、CDは落ち目だ。音質、利便性、価格、全てがアップデートされており今後どうなってるかいくのか気になっている。

レコードに話を戻すと、今何故かレコードが売れているらしい。ソニーが数十年ぶりにレコードを生産するニュースを見て驚いた。何故と書いたのは、僕がレコードを聴いたことが無いからだ。CDですら売れてない時代に、CDより価格、利便性に劣るレコードが何故売れてるのか。僕にとってレコードはCDの下位互換としか見ていなかったので特に理解出来ないのである。
そこで、冒頭の先輩の一言である。
必ずしも音質がリバイバルブームの理由ではないと思うけど、、気になるよね。繰り返すけど、聴いたこと無いから余計に。

もう一つ気になっている理由が、カメラである。僕はオーディオとカメラが近いように感じている。 カメラ、写真業界ではアナログな露光媒体である写真フィルムからデジタル撮像素子に移り変わった。写真フィルムを本業として生産していたコダックは経営破綻した。富士フイルムも極一部の製品を残して生産終了して、本業をオフィス用品、化粧品、デジタルカメラに移行した。
僕は生産終了になる直前に2社の35mmモノクロ写真フィルム、トライX、アクロス、ネオパンを使うことが出来た。現像は店にお任せのデジタルスキャン止まりだけど、、。でも僕の中ではモノクロフィルムの写り方はデジタルカメラでは再現出来ないという結論である。モノクロフィルムで撮った写真はお気に入りが多い。flickrにアップしている写真でイイね数、閲覧数の上位はほとんどモノクロフィルムで撮った写真だ。

写真フィルムも撮影現場の環境作り、現像、焼き付け等、こだわれば終わりが無い作法を必要とする。シャッターボタンを押せば何となく良く写るデジタルとは訳が違う。

レコードを写真フィルムに置き換えてみると、なんとも羨ましいよね。富士フイルムやコダックが2040年に35mmモノクロ写真をフイルムを再生産するなんてことは、今では見当もつかないが、まず有り得ないと感じる。

技術の進歩が有ると利便性の高い道具が生まれると同時に、人の主観でしかないような、なんかいいよね。味が有るよねって部分が置き去りにされていくと感じる。新しい道具でそれを再現するには相当に長いブラッシュアップ期間を要するし、再現されたものに満足する人、出来ない人が出てくる。さらにその次の技術が生まれてうやむやになっていく。
写真フィルムとレコードの共通点だと感じる。

しかしながらどんなに新しい技術が生まれても、原点はアナログに有るのだと思う。技術や道具自体に価値は無く、あくまで価値を感じる体験に有るのであって、それはブレることが無い。
特に写真を撮る、表現する、音楽を聴く、想像するという行為は人間の感性に結びついている。鉛筆と紙で価値のある絵を描けない人は、どんなに高性能なPCやグラフィックソフトを使っても絵が描けないのと同じで、きっとアナログで出来ないことを技術の進歩が補うことは出来ない。

つまり、レコードを聴いてみようかなと。