ことばを鍛え、思考を磨く 

長野市の小さな「私塾」発信。要約力、思考力、説明力など「学ぶ力」を伸ばすことを目指しています。

効率的な勉強法?

2006年08月16日 | 学習一般
「ウチの子は勉強の仕方がわからないようだ」
「時間をかけて勉強しているのに成績が伸びない」
...生徒の親からこんな声をよく聞きます。
だから、効率的な勉強法をアドバイスしてほしいということです。

私は本来、勉強の仕方は万人に共通するものはなく、ひとり一人が自分に合った方法を模索しながら身につけていくものだと思っています。
誰かから「はい、この通りにやりましょう」と言われてそれに従って、それだけでみんなが効果が出るほど、甘いものではないはずです。

それでも最近あまりに上記のような声が多いため、「勉強の仕方」という栞を作って中学生に配布しました。
学校での授業の受け方やノートの取り方、家庭での学習法、塾の活用の仕方、そして国・数・英の具体的なポイントなどにも一応言及していますが、最も量を割いているのは<原則>の部分...。
こんなことが書いてあります。

1:人に頼るな!
2:「わからない」を楽しめ!
3:間違いをおそれるな!
4:「めんどくさい」は禁句!
5:「覚える」のではなく「理解する」!
6:たくさんやろうとするな!


つまりは、このブログでもずっと話題にしてきたような内容を生徒向けにまとめたものです。

中には「総論はどうでもいいから、もっと具体的な勉強法を教えてほしい」という生徒や親がいるかも知れません。
でも先にも書いたように、これらの原則の上に、あとは自分で工夫してほしいのです。

金儲けもそうですが、「どこかにもっとうまい方法があるはずだ」「楽に成功できる方法を知りたい」と、幻想ばかり追いかけている人間が増えているように思います。
少ない努力であまり苦労せずに効果が上がる勉強法などあるはずないし、仮にあったとしても、安易にそれを与える塾にはしたくありません。

学校や塾に、何かを与えてくれることを期待しているだけでは絶対に伸びません。
理解できないと先生の教え方のせいにする、家庭ではうまく勉強できないから塾に頼る...。
特に親がこういう考え方を持っていると、ちょっと通って効果が確認できないとすぐに塾を変わる、いくつもの塾を渡り歩いてどれも中途半端...という状態になりがりです。

はじめから「効率的な勉強法」を与えることばかり考えていては失敗します。
まずは家庭での学習習慣をつけること、そしてコツコツ努力することを惜しまない姿勢を育てることが大切ではないでしょうか。
根本にそれがあれば、やがて自分なりの工夫で効果的な学習法を見つけ出すはずです。
学校や塾に頼るのではなく、逆にどう利用するかという主体性が大切なのだと思います。


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