わたしたちピンクチーマーは、うるこまマンことウクと総大将であるケリーの実質指揮官のアンモニア烏骨鶏を捕まえた。カゴ牢屋の中に入れ、ウクを座らせ尋問を行った。
ウクは
「坂野目との戦いに勝てばサブカル帝王の座が自分に決まるはずだった」と、その通り一辺倒で応えて黙秘を続けたが、ヒデ君が寝返ったわけを話しだすと、アンモニア烏骨鶏とともに怒りがこみ上げたのか、MJのマダムである北のマダムのことまで口に出して、ついにMJを裏切るかのようにウクは喋り始めた。
「MJの子は雪ケンケンであります」
「あゝ言っちゃった」
「うるさい烏骨鶏!!」
「雪ケンケン?そもそも父親が違うのでは?」
「クローンです」
「クローン?」
「どういうことなの?」
「MJの師匠はコピーライターで実質天下を取りました。ライターな部分はMJは引き継ぎましたが、何分、それだけでは気が済まないお方でした。舶来の物は次々と取り入れ、日本のゲームが流行りだすと、自分も流行らせてやろういったことや、サブカル統一を果たそうとした野望家な師匠でした。けれど、MJの考案したゆるスーツがいけなかった。家臣でもある委託ゴミ収集作業員の謀反によって、ダンボール箱の変が起き、ゴミ回収されて死にました」
「あゝあの有名なダンボール箱の変ね」
「その後はMJがサブカル統一を達成させて、MJフェスまで行い、MJ記の作成までいたしました。けれど、坂野目らがキャッチャーミットの顧問になっていて、僕らは商社の『それ言うか証券』の上場株を手に入ればなりませんでしたが、ご覧の通り缶詰屋原で敗北し、『それ言うか証券』の株は坂野目側に値がつきました‥‥‥」
「で、クローンの話しはどこにいったの?」
「1996年・クローンヒツジが話題になったのはご存知ですか。あれから遺伝子組み換え納豆や様々な商品が出回るようになりました。クローン技術が話題になった頃、MJの師匠とMJが関心を示してました。『コピー人間を我々は作るぞ!』と事務所で意気込んでいました。『これで埋蔵金シームの穴埋めができる』とも言ってました」
「で、クローン人間を作ったの?」
「倫理上ダメなんじゃないのか?」
「結果的には後追いで作成しましたから、倫理的な部分が世に出始めた頃には闇クローンをMJは作ってました」
「闇クローン」
「『ク』がなければローン。闇金融みたいだね」
「闇金が目立って社会問題になってましたから、僕ら闇クロは目立ちませんでした」
「闇クロ!ユニクロのバッタモン!腹が立つやら呆れるやら‥‥‥」
「坂野目さんは植物に詳しいということで関わっていたんですか?」
「植物については、古くからクローン技術が農業、園芸で利用されてますから。体細胞を材料とするクローンはメリクロン栽培として実用化されてます。そういった知識人へ協力を坂野目もうけてました」
「ベーコさんの遺骨の検査をしてみたわ。そしたらベーコさんの年齢より若い人の遺骨だった。けれど遺伝子は一致して。骨年齢まで鑑定してなければ、あれはベーコさんだと認定するところだった」
「おいらたちは一度はそう思った。しかし、メッセンジャーアプリに書いてあった文章の『罠』というのが引っかかって、遺伝子だけじゃなくてそれ以外のも調べたんだ‥‥‥」
「大豪村には彼女のクローンがいまして‥‥‥」
「1996年以降だと、二十歳前後のベーコさんね」
「蘇らなかったんですよ‥‥‥」
「殺したのねやはり‥‥‥闇クローンを」
「MJが不老不死の身体に興味がありましたから、きっと蘇ると思ってました。そもそもの誤算はクローンはホノルル方法を用いて胎子を作ることからでした。コピー人間とはまた違く、別な人格で育ちました。『なんだガキからかよ!』それが一言目でした。MJのクローンで試して、改良を重ね、彼女のコピーができると思いきや、結果は胎子からでした」
「女の仕事はお茶くみとコピーだけしてればいいんだ!って言った男目線の発想じゃ、いやらしいことをすぐにでもしたかったんでしょうけど‥‥‥」
「女性だってイケメンを目の前にすれば、そのようなことを考えるんじゃないですか?」
「人を品物としか見てない。人を生産性としか考えてない。冷戦時代を目にしてきた若者たちから見れば、マルクスとかは悪。いいとこ取りで生産力、生産効率のみ搾取したってお話しで、悪ぶってもいない。搾取の確信犯よ」
「殺したことは間違いないんだね?」
「殺したのはMJ。MJのクローンさ」
「雪ケンケンだね」
「どこにいるの?ドラゴン広場にはすでにいなかった‥‥‥」
「山菜の森で縄張ってますよ」
「MJに裏切られただけあって、よくもまあーーここまで喋ってくれたわーー」
MJの手がかりがわかったわたしたちは、坂野目さんに連絡をした。
「そうか、山菜府にいるのか‥‥‥」
「山菜の森に雪ケンケンは砦を建設中よ。奥様は魔女よ」
「山菜の森にーー!」
「そう」
「あそこはかなりの広さでしかも難攻不落な土地じゃ。そこに更に砦を建ててるとはーー!」
「入口まで着て見たけど‥‥‥」
「まずは戻ってきてくれ。そして次のことを考えよう」
ウクからの情報で山菜府に行った奥様は魔女は、一度、わたしたちのところへ戻った。そして坂野目さんも次の策を練っていた。
「息子たちに任せてみよう」
「承知しました」
ルクスたちは花見キャッスルパーク内で今日も役者のバイトをしていた。
「10のCの11。ようい、スタッ!‥‥‥」
「将軍家御茶道役ともあろう織部殿がだっち、よもや軽はずみなことは、なされまいなだっち」
「ん、いけませぬか‥‥‥」
「いかんだっち。断じていかんだっち。考えてみられよだっち。宇喜多秀家殿の一命を許され、お豪の方お預けで済んだだっちは、お亡くなりになった前田利家のお力だっち‥‥‥そこで軽はずみなことをなされてはどう転ぶかだっち!。天下を取った者の気ままはだっち、秀吉公で嫌やというほどわかっとるだっち」
「カットッ!。次、家康に入りまーす」
「うふふふ。右近はどうした?」
「長崎からルソンにむかっておりまするだっち。港の外で沈める手はずは狂いだっち、取り逃がしたようにございますだっち。国内で死がれてはキリシタンが奮起したでござりましょうだっち。大阪城攻略の前にだっち、まずはめでたき事かとだっち‥‥‥」
「何がめでたいのじゃ!外国勢とつるんで逆襲にでたらどうする」
「はッ。ところで古田織部が加賀へ参りまするだっち。お豪の方の屋敷に茶会に出席するだっちとか‥‥‥」
「加賀の前田へとか。あやつは何を考えておるのじゃ」
「カットッ!お疲れ様でしたーー」
「ルクス。スマホ読んだだっちか?」
「山菜の森へ行くのか」
「クスたちと、そしてクスのお父さんに会ってだっち」
「雪ケンケンのことは知っていたんだーー」
「通信武闘をしてただっちか?」
「あれから習うようにしたよ‥‥‥」
「おお、よくぞ来てくれたーー」
僕たちはベーコと曼陀羅ダラ男、クスとココちゃんたちとクスのお父さん、坂野目竹夫さんのところで話しを聞いた。
「前回は都市伝説にはなりませんでしたが、ドジ伝説にはなりましたな。スーパースターレインジ。僕ちゃんたちはそもそも籠城戦が得意なのですよ。野戦に持ち込まれたゆるこまマンがアホだ。コロ中で勝つのは我らじゃ‥‥‥」
「このケンケン館で返り討ちにしてやる。それにしても寒いな。寒い時ほど僕ちゃん得意だから」
「今度はこちらから申し込んだのか?」
「今回で決着つけてやるんだ」
「それにしてもかなりの難所だな」
「雪ケンケンのところまでなかなか行けない‥‥‥」
「迷路だ」
「曼陀羅さんはあとでくるのか?」
「ここではジェンダーオバサンだ」
「そ、そうだった‥‥‥」
「こないだは結果的に大猫城を降伏したけど、通信武闘に通うことで許しがでたんだからがんばって!」
「う、うん‥‥‥」
「七光りクスって言われないようにね」
「まいったなーー」
僕たちは雪ケンケンが建てたケンケン館までの山菜の森の中を進んだ。缶詰屋原の戦いに敗れたゆるこまマン側の者たちもそこに集まって、サブカル統一の奪還を狙っていた。『それ言うか証券』で損した者たちも、雪ケンケン投資ファンドを行っていたのだった。
「僕ちゃんのところに着きましたですねーー」
「待たせたわ!」
「あら、威勢が良いですねーー。ベーコちゃん」
「あと、そこについて着たのはドジ伝説のもうひとつのペアですなーー」
「うるさい!!。僕たちは正義を貫くんだーー」
「行くよ!」
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僕たちは雪ケンケンと戦った。しかし、この奥には更に参考不落な矢倉があった。その矢倉の中にきっとベーコさんが閉じ込められているんだと、そう信じて戦った。
「この城を落とせるかな。坂野目の雑魚たちめ。あッ坂野目と『め』が一緒になった」
「そこのキミたちは目を合わさないんだな‥‥‥」
「まあ、いいーー。これからはMJヨリヨリがサブカル界の帝王になるんだ‥‥‥」