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旧える天まるのブログ
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うーまんどらいばー<あゝ無情>

2019-02-26 07:23:21 | うーまんどらいばー
前回
うーまんどらいばーTell Me That You Love Me



「あーバレンタインも過ぎちゃったし」
「旦那にも渡せなかった」
「あーお腹すいた」
「さっき出しちゃったしなー大きいの…」



「あ、チョコだ!」
「誰か落としたのかな…」



「あーいい香り」
「えい、食べちゃう」



「顔までうずめちゃう…」



「そんなにガッツいたら、胃腸悪くするよ」

「え!」
「あ!、こないだの、えっと、えっと」



「こんにちはー」

「こんにちはー」

「えっと、以前、名前聞いてなかったわ」

「あー」
「わたしは姿」

「姿さん?」

「姿三四子」

「桂三枝じゃなくて?」

「新婚さんいらっしゃいも、孫世代が新婚さんいらっしゃいだよね」
「ジョンシェパードみたいに別れた人もいるだろうけど…」
「で、わたしは姿三四子」
「文枝師匠とは、何も関係ないけど」
「治五郎の弟子」
「ヤワラちゃんって言われたりもするわ」

「治五郎?ヤワラ?」

「嘉納治五郎」
「姿三四郎とも言われてる」

「嘉納治五郎って、今、いだてんに出てる人の?」

「あの役、キャスティングに無理があるわ」

「ラジオでも、視聴者が指摘してたけど」
「デカすぎるって」

「治五郎役は100歩譲って、役所広司が実物と目元が似てて熱演で補えるけど」
「弟子ぐらい、わたしぐらいの、小さい人にしてほしかったなー」
「お年寄りは、その辺も気にするし」
「柔道の古賀選手みたいな、凛々しい感じの役者さんのほうがよかったなー」
「日本人って小さいイメージでしょ?」
「それが世界に認められたんだから」

「役作りもしてないみたいだったし…」
「頭も丸坊主にするくらいの根性がないような感じだったし」

「五厘刈りぐらいにしてみせるとかさー」

「CGで何とかなると思ってたんじゃない?」

「え!あそこでCGに頼るの?」

「主役さんは、冷水ほんとにかぶってたみたいよ」

「冷たかっただろうねー」

「裸で川に飛び込んだりもしてたし」

「凄いね、あーいう人にはお金あげたいわ」

「弟子役でも、出ちゃったもん勝ちじゃない?」
「あのあと後輩とかにおごったりしてるんだよ」
「同期に対しても自分を師匠とか言わせる人だから」

「叩かれるのはNHKと作者」

「ところで、姿さんは何世?」

「高校生」

「そ、そう」
「ルパン三世とかルイ16世とかの一種かと思ってた」



「あ、ヤバいのが来た」

「何?」

「Uの手下」

「U?」

「UHFアンテナ」

「ヤバいの?」

「うーん、ライバルってとこかな」
「地上デジタルになったから、ごっちゃになってるけど」
「アナログ時代はVHFとは、ライバル関係だった」

「どうすればいいの?姿さん」

「もうじきUがやってくる」
「彼女は間接技、寝技の達人」
「デストロイヤーも柔術から四の字固めを覚え、決め技に力道山とも戦った」

「あの、徳光和夫もかけられた技?」

「柔術は、武士の時代から死を目的とした」
「いわば、ギブアップさせることが目的の格闘技なの」



「姿三四郎は、柔術者にも勝ち」
「死を目的としない、柔道を考案し、世界にひろめた人」
「このままじゃヤバいわ、まずは勉強しながら隠れていましょ」



「あ、きた」

「ふたりいるけど」

「金髪娘のほうが捕らわれの身」

「もう片方がU本人、金髪娘の調教師」

「へえー」

「黙って」



「バレンタインの味はどうだった」

「とても熱うございました」

「おまえから頂いた、チョコのお礼じゃ」

「Uさま」
「しかしながら、ライターでチョコを溶かし」
「わたしのおなかにブスとは酷いです」

「あたいはBSとおまえにチョコを垂らしただけだが」

「ブスとはあまりにも…」



「あ、は、は、は、は」
「ラブのお返しにブスと書いたまでだ」

「しりとりだったのですね」

「あ、は、は、は、は」



「それでは、わたくしがしりとりのお返しを」

「なんだい、ブス」

「スキ」



「キライ」

「ガーン!!!!」



「いい加減にしてよ、あのふたり」

「いい加減にしろ」
「じゃない」

「なんで?」

「ホワイトデーのボケ」

「しろ?」
「白?城?」
「キャッスル?」

「キャンドルサービス」

「シュール…」
「あの校門をくぐるのは大変そう」

「落とすのが目的」




アンルイス あゝ無情

あゝ無情
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PASSION










「C---------」



「一緒にねる?」

「え!」



「あ、いや、」
「C---------------」



「眠いいねってなんなん」

(押して押してボタン押して)

(眠いいね、眠いいね、眠いいね)

(押して押して)



「寝たみたい」



「一本!」

「やったー!」
「ABC,ABC、あーE気持ちー」

「し、静かに」

「はい」

「あの校門は通れるわ」
「UをCにするとは」
「おめでとう」

「あ、ありがとう」
「これで一本とは!」




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うーまんどらいばー<Tell Me That You Love Me>

2019-02-05 07:26:06 | うーまんどらいばー
前回
うーまんどらいばー美人薄命



「歩いても歩いても見えてこない」



「このまま、どこまで歩いて行けばいいの?」
「さっきまで走ってたけど、トイレに行きたくなって草むらでちょっと…」
「…誰も聞いてないか…」



「誰かきた!」
「やっと人に会えた」
「こんにちはー」

「こんにちは」

「この先に何かありますか?」

「この先はテスト」

「テスト?」

「そう」

「どんなテスト?」

「不正はできないわ」

「そ、そうよね、テストだから」
「テスト終えて帰るとこなの?」

「そう、帰ったら彼に会うの」

「彼がいるの」
「いいなー」
「わたしは旦那と離れ離れ」
「ねえ、彼ってどんな人?」



「妻子持ちよ」

「え、奥さんがいる人!」

「子供が13人いるわ」

「え、え!それってビッグダディ?」

「トラック野郎のやもめのジョナサンって感じ」

「その人があなたに恋したの?」

「妻子が居ながらわたしを愛するなら、できる事があるでしょ?」
「って、言ったの」

「え何!それで何を求めたの?」



「ちんこ切れる?って」

「ち、ちんこを!」

「ほんとにわたしの前でちんこを切って」
「ま、13人も子供作っといて」
「無責任ッっちゃー無責任よねー」

「そこまでして、今あなたと付き合ってる訳?」



「子供の数なんてどうでもいい」
「レズの国でわたしと過ごすなら」
「一握りの愛があれば、それでいい」



アンルイス Tell Me That You Love Me

Tell Me That You Love Me
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PASSION












「あなたって、もしかしてサド?」

「生徒」
「じゃー…」
「…」

「ロックだ…」



「あれ、急に霧が濃くなってきた」



「真っ暗闇になった!」



「あなたの浮気を突き止めたわ」

「浮気なんてしてないわ」

「何か揉めてる」

「AV見てたでしょ?」

「AVは浮気なの?」

「あたし以外の女にうつつをぬかして」

「大阪なおみが気になって、それで見ていただけよ」

「なんで、大阪なおみでAVなの?」

「大阪なおみの目元の感じが北条麻妃に似ていたから」

「だったら、大阪なおみが浜辺で優勝カップをもって歩いている写真を見ればいいじゃない」
「そもそも優勝カップをもってドレス着て砂浜歩いてるってどうなのよ」

「大阪なおみのプライベートなところをファンとしては見たいの」
「あの人は特別な人、わたしたちじゃ、到底見れない世界」
「だから、北条麻妃のAVを見ただけ」

「わたしという存在がいながら浮気したんだ」

「浮気浮気って、なんでAV見てたことがわかったの?」

「探偵に頼んだからよ」
「最近、あなたの様子が変だったから」

「家に探偵呼ぶ?」
「探偵ナイトスクープ?」
「普通、外出してるところを探すでしょ」

「最近、会社から帰るのも早くなったし、外出もあまりしなくなった」
「だから、変だと思った」



「ど、どういうこと?」
「この人たち」



「そもそも、探偵がいつ家に来たのよ」

「英会話始めるために、家庭教師に来てもらったでしょ?」
「その人が探偵だった」

「ってことは、あなたが英会話習ってる間、わたしは別の部屋にいて」
「その隙にAVを覗いたわけ?」

「証拠はばっちりここにあるわ」
「あたしたちもう、終わりね」
「結婚よ、結婚」



「ちょ、ちょっと待ってください」

「誰?」

「すみません、真っ暗だったので、ここでずっと聴いていました」

「わたしたちも真っ暗で見えないから、何とも言えないね」

「そ、その、お二人の会話を聴いてて、どうも結婚するとは思えなかったもので」
「な、なぜに結婚?」



「この国では、まだ同性婚は認められてないから」
「別れ話の時は、他の男と結婚するの」

「えーん」

「あの、あの、泣かないでください」

「そもそも、AVを見ただけで結婚って、そんなー」
「どっちがどっちなのか?わかりませんが」
「どうでしょう、大阪なおみさんのファンでしたら」
「大阪なおみのコスプレをするとか?」

「なんで本命が大阪なおみに変装してプライベートを過ごさなきゃいけないの?」
「そっちのほうが浮気よ」
「わたしは大阪なおみの目元が似ている北条麻妃で我慢しただけ」
「ほんとにプレイをしたいならテニスプレイヤーになるわ」


「出て行って出て行って、ここに入らないで」




「す、すみません」
「わたしが間違ってました」
「困ったな、どうしようかな…」



「あ、AVのAの中についてる、棒の部分のこれ(-)、無くてもいいですよね?」
「Aの中のつっかえ棒を外して、それを逆にしてV。VV(ブイブイ)が繋がるとW(ダブリュー)になりますよ」
「Wス(ダブルス)テニスでもダブルスがあるじゃないですか」

「W?」
「悪くはないわね」

「win, win」
「ってことで」

「あなたは仕事は何?」
「タクシードライバーです」

「そう」
「じゃーここを通りない」



「とんだカップルだった」
「あ、なんか見えて来た」



「ここはウオークラリーの中継地点さ」
「問題を解決したのでここに印をつけて次の場所に向かうのさ」

「今のがテスト?」
「ただのカップル喧嘩じゃん」

「つべこべ言ってないで早く印をつけるのさ」



「ッったく」
「はい、つけました」



「ふにゃふにゃふにゃ」

「ぜんぜん役に立ってない」



次回
うーまんどらいばーあゝ無情

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うーまんどらいばー<美人薄命>

2019-01-24 08:17:41 | うーまんどらいばー
前回
うーまんどらいばーWOMAN



「わたしはワイルドな魔法使い」
「ファンからは礼儀正しくて真面目だと書いていてくれる」
「ワイルドな魔法使いよ」
「しかし、妹を殺した、あの小娘をどうにかしたい!」
「妹は美人だったのに。わたしと同じ恵まれた美貌だったのに」
「妹よ…」




アンルイス 美人薄命

美人薄命
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PASSION








「この辺かな?」
「コンパスだとこっちの方向だけど…」



「ギャー!!」

「キャー!」



「現われたな」

「だ、だれ?」

「妹の姉だよ」

「妹?」

「おまえが殺した妹の姉」



「悪いM女の?」

「ずうずうしくも妹のぞうりでここまで来るとは」

「あなたは悪いM女のお姉さん?」



「そうよ。わたしはワイルドな魔法使い」
「礼儀正しくて真面目だと書いていてくれてるワイルドな魔法使いよ」

「そういえば、あなたのこと知ってる」

「おほほほ」
「恵まれた美貌のわたしは」
「ファンからは礼儀正しくて真面目だといつも書いていてくれてるのよ」
「おほほほ」

「あなた、ブログで自分はドMだと書いてたでしょ」
「わたしがそのことを動画配信で聞いたら」
「ドMじゃないと否定した」



「上から目線で自分はドMとか書いといて」
「なに?あの態度?」
「とりまきが礼儀正しいとか真面目とか書いてても」
「わたしには信じるに足らず」
「嫌気がさして、あなたが出演してない動画をわざわざみているのに」
「出演していないのにもかかわらず、あなたの名前が書き込めれたりして」
「もう、うんざりなの!」
「あなたのことでチームメイトには毎回愚痴を吐いて」
「自殺するか?も相談してたのよ」
「チームメイトも迷惑だったと思う」



「ドMだったらドMらしくしなさいよ」
「ああもう、具合が悪い…」

「そこまで、言う事ないじゃない」
「妹を殺しておいて」

「あなたの妹はわたしの親友だった」
「けど、わたしをおもちゃにした悪いM女」

「許せないわ」
「覚えてらっしゃい」



「なにをプンプンしてるんだい?」
「ここはオリエンテーリングの中継地点だよ」



「ああ、探してたの」
「このあとどうすればいいの?」

「チェックポイントに印をつけて」
「次の目的地にむかうのさ」



「さあ、チャックポイントに印をつけて」

「やったー」



「ふにゃふにゃふにゃ…」

「どうしたの?」

「わたしはちんこがないのです」
「ちんんこがないので、ちゃんと立っていられなくて…」

「柱みたいなずうたいしてて」
「ふにゃふにゃじゃ役に立たないじゃん」

「ちんこがほしい」

「ちんこ、嫌い」



つづく

次回
うーまんどらいばーTell Me That You Love Me

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うーまんどらいばー<WOMAN>

2019-01-14 21:51:39 | うーまんどらいばー
前回
うーまんどらいばーリンダ



 わたしは旦那の浮気にモヤモヤしながらも、今日も駆け巡った。



 モヤモヤした気持ちを乗せたまま、わたしは駆け巡り一日が終わろうとしていた。



 その時、誰かがわたしを見て手をふっている。振袖姿でわたしに手をふっていたのだ。



 停車すると、こないだの親友だった。

「あら、ひさしぶりー」

「ひさしぶりー、どうしたの今日は?」

「成人式よ」

「成人式?これから?」

「うん」
「あなたも行きましょうよ、成人式」
「そんな格好してないでさ」
「さあ、着替えて着替えて、晴れの日よ」

わたしは親友に言われるままに成人式の振袖に着替えた。



「成人式は卒業式と一緒」
「あばれまくって日教組に目に物言わせてやる!」
「それが伝統儀式よ」
「先輩もやってたんだから、あたしたちもやらないと」
「伝統が途絶えちゃう」
「さあ、左翼たちに向かって特攻よ」




 わたしと親友とで成人式の中を特攻し、駆け巡った。親友は荒れ狂い成人式会場はめちゃくちゃになった。



 わたしたちは友情が深まり、その後、ラブホテルへ行き汗を拭い合った。

「あたしたちは同期の桜ね」



「この後、どこに行くの?」

「あたしは軍隊に入る」



「わたしもあなたについていくわ」

「エマニエル」

「エマニエル?」



「キミのことは好きだ」
「なんでかわかる?」
「あなたを傷つけたくないからそう言ってるの」
「つまり、愛してはいない」

「どうして…」



「エマニエル」
「キミはエロティシズムを極めるのだ」



「え!」
「誰?」
「や、やめて!」



「キミはレイプにより」
「快楽を捧げ」
「エロティシズムを堪能し」



「時には、戦う者に賭け」



「勝者に快楽を捧げるの」
「エロティシズムを邁進し続けるのよ」
「エマニエル」



「わたしはエマニエルじゃない!」

「何を言ってるの、キミはエマニエルよ」

「いいえ、わたしはブリ子」
「エマニエルなんかじゃない!」

「フェイクだエマニエル」

「フェイクはあなたよ」



「この軍人マニア!」

「フェ、フェイクだ!エマニエル」

「フェイクしか言えないのね」
「そんなの、すべて許されるわけないわ」

「キミのことは好きだ」
「なんでかわかる?」
「あなたを傷つけたくないからそう言ってるの」



「つまり、愛してないからなのね」

「エ、エマニエル…」



「悪いM女が亡くなったわ」

「これでこの国は再び穏やかな世界になった」



「え?」
「ここはどこ?あなたたちは誰?」



「ここはレズの国」

「そしてこの場所はN」
「Nの極みよ」

「Nの極み?」

「そう、ここはN極」

「て、ことは局アナ?」

「私たちはN女よ」

「たしかに私たちお局(つぼね)だけど」
「局アナではないわ」

「あなたは悪いM女を殺した勢いで」
「レズの国に送られてきたの」

「おかげでレズに平和が戻った」

「ちょっとまって」
「悪いM女ってなに?」

「悪いM女は、ちんこう衛星の発達により」

「ちんこう衛星?」

「ちんこう衛星によって、この国のナビはヘディングアップに変更され」

「本来、Wの女だったのが逆さまになり、WARUIM女になっていったの」

「S向きのM女になって、レズを荒しまわるようになった」

「S向きのM女?」

「これまでノースアップ、つまりNが上の位置にあることにより、東西南北が判別できたのだけれど」
「ちんこう衛星によって、Gスポットができ」

「Gスポット?」

「ちょっと、GPSでしょ」

「あ、そそ、そのGPSが人々を誘導するようになってから」
「ヘディングアップで動くようになった」

「ヘディングアップにより、人々は方向感覚が無知になり」
「右と左、上と下としか物事を決められなくなり」
「横浜は右にあるとか、わけのわかんないことを言い出したり」
「暴言をくりかえるようになって、東西南北が無視されるようになったの」

「そこにあなたが悪いM女と衝突し」
「S向きのM女は死んだ」

「悪いM女ね」



「で、あなたはEいM女まではいかないまでも」
「EよりのM女」

「犬よりのM女があなたのことよ」

「犬よりのM女?」

「ほら、もう犬がなついてる」

「わたしが犬よりのM女!」
「でもさっきからM女、M女って何よ」

「あーここでは魔女のことをM女って呼ぶの」

「ここではすべてイニシャル」



「ところで、わたし早く神楽坂に帰りたい」
「タクシーはどこ?」

「タクシーは悪いM女にぶつかってペッちゃんこよ」

「じゃ、どうすれば帰れるの?」

「悪いM女が履いてたぞうりをあなたが履いて」
「それでSの極みまで行けば帰れるわ」

「Sの極み?」

「Sの極み、S極には女王様がいて、その人に会えばきっと帰してくれる」

「まずは、悪いM女が履いていたぞうりを履いてみるといいわ」



「履いたわ」

「あーら、お似合いね」

「あんまり、良い気がしない…」



「そこの花びらの上を辿っていけばS極まで行けるわ」

「わからなくなったら、このコンパスでNがどの位置あるか確かめるの」

「オリエンテーリングしたことある?もしくわウォークラリー?」

「したことないわ」

「この地図とNの位置が行き場所を教えてくれる」

「おへそにコンパスをかざせば行先がわかるわ」

「くれぐれも方角を軽視しないでね」



アンルイス WOMAN

WOMAN
クリエーター情報なし
PASSION








つづく

次回
うーまんどらいばー美人薄命

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うーまんどらいばー<リンダ>

2019-01-10 02:12:33 | うーまんどらいばー
前回
うーまんどらいばー



「…」
「…?」
「…ん?」



「旦那がいない…」



「どこに行ったんだろ?」

「あなた」



「キャ!」

 わたしの不安は的中した。わたしの旦那とわたしの姉が重なり合ってるところを見てしまったのだ。わたしはショックだった。ショックのあまり、おしっこがちびれそうになっていた。ああどうしよう。このままじゃおしっこがちびれちゃう。わたしはそっとトイレに向かった。



 そしてわたしは、泣き崩れた。



アンルイス リンダ

リンダ
クリエーター情報なし
PASSION








 わたしはあの光景を見てから、姉と旦那から逃げるように外へ飛びだした。そして悲しみが込み上げてくる中で、わたしは営業車で駆け巡っていた。



 その時、誰かがこちらを見て手をふっている。

「お客さんだ」



 停車すると、わたしの親友だった。



「あら」

「あら、何ブラジャーでブラブラしてるの」

「あなたこそ、ブラジャーで」



「わたしたちラブラブね!」

「うふふ」
「かけ違ってる」



「送ってってくれる?」

「ええ、どうぞ」

「おじゃましまーす」



 わたしは親友を乗せて営業に走った。ブラジャー姿でもわたしは駆け巡る。駆け巡るウーマンドライバーなのだ。



「ねえ、リンダ?」



「わたしリンダじゃないわ」

「リンダじゃなかった?」



「そういえば、わたし誰だっけ?」
「ちょっとお母さんに聞いてみる」

「お母さんに?」

「お母さんに聞くのが一番よ」

「意味わかんない」



「もしもし、あたし」
「あたしよ、あたし」
「そそ、ミヨコ」
「ミヨコよ」
「元気かって?」
「それがねー、夫が浮気しちゃって」
「離婚しようかと思ってるの」
「それで離婚に慰謝料が必要でしょ?」
「でもいま、お金がなくて」
「えーん…」
「すぐにでも離婚したいの」
「明日にも慰謝料払わないと」
「あたし離婚できなーい」
「えーん…」
「泣いてる?うんうん、大丈夫」
「お金さえ払えれば」
「お母さん、今からあたしの口座に振り込んでくれる」
「え?振り込みどうするのかって?」
「近所にATMがあるでしょ?」
「今から向かって、切らないでよ」
「すぐにね」



「お母さん、振り込んでくれるって」
「わたし、ミヨコだった」

「離婚するの?」

「わたしたちダメみたい」

「ねえ?このタクシーあなたのタクシー?」

「そうよ」

「あそこに写ってるの、あなたの顔写真だよね?」
「カードに名前書いてあるわよ」



「ブリ子」
「あ、わたしブリ子だったわー」
「ごめん」

「今、電話してたの何!」




「あ、そこで降ろしてもらえる?」

「承知しました」

「じゃね」
「ブリ子、男なんて捨てちまいなよ」
「元気だしてね」

「うん、またね」



「バイバイ―イ」

「バイバイ―イ」



「あの娘、誰だっけ?」
「ま、わたしの親友なのは間違いないわ」



 わたしはその日、ブラジャーで駆け巡った。



 ブラジャーで何人もの客を乗せて、その日は夜通し営業車で駆け巡ったのだ。



 あくる日、わたしは旦那を問い詰めることにした。問い詰めて慰謝料を旦那に叩きつけてやるのだ。


 
「あなた!」
「浮輪してるでしょ!」

「そうだよ」

「なんで浮輪したの?」

「これは結婚浮輪じゃないか」



「結婚浮輪」

「キミのもあるだろ」



 わたしと彼の結婚式の日、ふたりで浮輪をつけてゴールインしたのだった。



 あぶないあぶない、その手には乗らないわ。彼に白状をさせ、わたしは慰謝料を叩きつけてやるのだ。



「あなた…」

「なに?」

「今日は何してたの?」

「暖炉の前で暖まってたよ」

「一日中?」

「一日中、暖まってたよ」

「あなた!」

「なに?」

「サラリーマン、お疲れ様」

言えない



「おかえりー」
「ご飯できてるから」

「そう」

「お風呂も沸かしてあるから」

「そう」



「しらじらしい」

「どうしたの?」



「あなた!」

「なに?」

「う、う、浮輪」
「してるでしょ」

「そうだよ」

「じゃなくて」
「浮輪のことよ」

「はあ?」



「うーん、もう」
「浮輪が邪魔で浮気が言えない」



つづく

次回
うーまんどらいばーWOMAN


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