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旧える天まるのブログ
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ニートクリスマス<前編・後編・まとめ>

2018-05-31 06:18:45 | ニートクリスマス後編
※2018年5月30日編集

ニートクリスマス<前編>



①雑記の宿ニートクリスマス

②ニートクリスマス誕生前夜

③ニートクリスマスハートビート

④ニートクリスマス燃える欲望



⑤ニートクリスマス スキック

⑥ニートクリスマス ナ・ナ・ナ

⑦ニートクリスマス マスト・ビー

⑧ニートクリスマス血塗れの英雄

⑨ニートクリスマス 長持ち

ニートクリスマス スポークンワーズ

ニートクリスマス<後編>



①ニートクリスマス番外編

②ニートクリスマス番外編 狼なんか怖くない

③ニートクリスマス番外編 わたしの首領

④ニートクリスマス番外編 日曜日はストレンジャー



⑤ニートクリスマス番外編 ワンダーブギ

⑥ニートクリスマス番外編 恋のハッピーデート

⑦ニートクリスマス番外編 フォギーレイン



⑧ニートクリスマス番外編 彼が初恋

⑨ニートクリスマス番外編 ハートで勝負

⑩ニートクリスマス番外編 プリティープリティー

⑪ニートクリスマス番外編 明日になれば

⑫ニートクリスマス番外編 バーニングラブ




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ニートクリスマス番外編<バーニングラブ>

2018-05-28 19:50:22 | ニートクリスマス後編


「あーきたきた」

「メリークリスマス」

「メリクリ」
「カノ、メリクリでいいよね」

「メリクリ」



「メリクリ」
「クドウ、なかに入れてくれないか?」

「どうぞーアララギはカノの隣り」

 クドウのあどけない表情の奥に座る、そっけないカノの表情が俺には似合っていた。



 カノと初めてクリスマスパーティーを開いたときは、お互い卒業して間もなくのことだった。あの頃は、まだクドウは俺たちの側にはおらず、カノと当時の仲間とでクリスマスパティ―を俺が幹事で開くことになった。

 初めに来たのがカノで、しばらくカノとふたりで仲間が集まるのを待っていた。しかし、なかなか来ない俺の仲間たち。カノは俺を疑い始め、ほんとに他に集まるのか?落ち着かない様子だった。その時、俺とふたりっきりになるのが嫌なふうにも思えた。



 それから何度かカノと接していて、「気はあるけど嘘をつかれるのは嫌だ」。そういう気持ちをカノは俺に向けていた。



 気が付けば、俺の人生でカノと一番ふたりで居る仲になっていた。



 カノの弟は



カノに聞くところによると、アサミの家に呼び出され別に求婚されていた年上の男と子供も育てることを条件に別れたという。

「いくらなんでも」
「いくらなんでも、それは」


「お嫁さん100年安心プランとか叫んでるし」
「結婚願望はお互い一致してたのかも」

「でもいくらなんでもそれは」

「結納金から結婚資金までうちの親だと大変だから」
「車も外車に乗ってたようだし、マオは担保もない状態で車も買う前だったし」
「相手側の車に乗せられてアサミさんの家から追い出されて・・・」
「別な男性の方の授かり婚ということになって・・・」
「その後、マオは歩いて帰って来て・・・」

「仕打ちじゃないか」

「小雨が降る中よ」
「途中でお父さんが気づいて、あたしが迎えに出かけたらマオはずいぶん近くまで歩いて来てた」
「マオが帰って来たら、お父さんが一言マオに」
「おまえは女運がないってぼそっと言ってた」



 それは言い換えれば、カノに男運がないという言葉を俺に投げかけていたようにも思えた。



「すまない」

「なにが」
「弟のことでしょ」

「かえって弟に失礼か」

「失礼よ」
「あたしとあなたの話しだから別にいいけど」



「クドウは仕事順調か?」

「順調順調」
「アララギは身体大丈夫なの?」

「本でも書いて本屋でもやるよ」

「本屋!」

「書いてからの話し、書いたら教えるよ」
「内職の仕事の求人とかも見たんだけどな、経験者優遇とかが多くてさ」
「あれってそこの会社退職した人とかが内職するんだな」

「まあ、無理しないでー」



「ちょっとトイレ」

「この後カラオケにでもいく?」

「いいねカノちゃん、アララギもいくよね?」

「あーいこう」
「全員飲んでるからタクシー呼ぶよ」

「ここからだと遠いね、マオくん家にいるかなカノちゃん?」

「うーん、どうだろ」

「タクシーでいこいこ、カラオケ代はカノとクドウでよろしくー」

クリスマスイブの夜は三人で盛り上がった。



 その後、俺とカノはふたりで会うことを繰り返し、赤旗野郎も気に入っていた景色のいい山菜採りもできる丘で、カノの家族と俺の家族とで式も兼ね、そこにあるペンションで過ごした。離婚には厳粛だという宗派の協会に行き



ふたりで籍をいれた。

 カノは正社員の仕事は辞めずに続け、産休制度がどれくらいなのかも話し合い。

「ノゾムさんの浮気が心配だから子供は作らない」
「弟がいるからいいでしょ?」

「う、うん」

夫婦になっても子供は作らないでいた。

 そして俺の夢がひとつ



カノと一緒、夫婦でオンラインゲームをする夢が叶った。

石野真子 バーニングラブ

バーニング・ラブ
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Victor


石野真子 マコパックメドレー

マコ・パック(メドレー)  狼なんか怖くない~日曜日はストレンジャー~わたしの首領(ドン)
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ニートクリスマス番外編 完

ニートクリスマス前編・後編・まとめ



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ニートクリスマス番外編<明日になれば>

2018-05-24 14:36:44 | ニートクリスマス後編

前回
⑩ニートクリスマス番外編 プリティープリティー



「今日はさほど待たされなかったな」

「早かったね」

「回転寿司にでも行こうか」

「うん」
「ポイントチャージまだ残ってるし」

「俺こないだ行ったときにもらったケーキ1皿無料券あるわ」

「あれも人数分で1皿無料でしょ」

「たぶんそうだよ。茶碗蒸しも二人で無料だったし」
 

 カノは俺の交通事故の後も通院の日は付き合ってくれた。カノとふたりで外出デートの時は、俺の通院日に行われていた。



「あ、」

「!!」



「アサミさん」

「え・・・」

 弟と結婚する、俺の元カノが俺の通う総合病院を訪れていた。おそらく婦人科外来だ。



「ノゾムさん」

「こんにちは」

「おひさしぶりです」
「あ、お姉さん」
「先日はありがとうございました」

俺は「ひさしぶり」という言葉がでなかった。

「ノゾムさんといつも一緒にここに来てて」

「そうなんだ」

「アサミさんも今日は何か診てもらうの?」



「はい」



「お大事にね」

「はい」



(俺はカノと結ばれて)



(その前にアサミとも結ばれていた)



「!!」

「ちょっといいですか?」



「お身体いかがですか?」

「だいぶ自由に動けるようになったよ」

「アルコールは大丈夫ですか?」

「時々事故のフラッシュバックがしてさ」
「今、それで安定剤飲んでて」
「アルコールは気をつけないといけないかな」
「でも、今日は少し飲むよ」
「せっかくだし」



「あの、ノゾムさんのことで・・・」



「なに?」



「やめたほうがいいですよ」

「なにが?」

「あの人、浮気者ですよ」

「ノゾムさんと何かあったの?」



「僕、小さい頃からアララギ先輩のことが好きで」

「!!」
「僕も小さい時からマオくんのことは知ってるよ」
「マコ姉さんのこともね」

「ずっと好きでした。マジで」

「マジで?」



「わたしノゾムさんと付き合ってたんです」
「そしたらわたしの同級生と浮気してて」



「クッキーとか焼いて家に行ったらしく」

「誰が?」

「あ、わたしの同級生が」
「そこでキスとかもしたみたいで」



「わたしムカつきました」



「その事はノゾムさんに言ったの?」



「メールを送るのもあれだったので、直接電話で話しました」
「そしたら、夏休みの宿題を手伝ってたとか言ってて」
「夏休みの終わりの前日ですよ」
「普通、夏休みが始まったらすぐに宿題は終わらせて置くじゃないですか」
「夏休みが終わるのに宿題やってないってありえないです」

「それからは会ったの?」

「ある約束はしてたんですが、それからはノゾムさんからは連絡がなかったです」



「それでノゾムさんの友達とかに相談してたんだ」

「え」
「ノゾムさん、なにか言ってました?」



「マジで思ってて、僕はもう結婚とか、できないんじゃないかと思ってたくらい」
「悩んでました」

「僕のことでか?」

「男の人が好きで、女の人とは付き合えないかと思ってて」



「もうね」
「ノゾムさんのことは笑っちゃうくらいいろいろあってさ」

「交換日記やってて、自分の番で書かずにシラっとしてたりさ」

「交換日記してたんですか?」

「あたしの同級生とノゾムさんとでね」

「なぜ知ってるんですか?」

「ノゾムさんが日記書いて渡さないから」
「夏休みの宿題とか、夏休みが終わってから学校でやってるんだから」

「そんなバカな」

「ノゾムさんが宿題の手伝いをするとか珍しいよ」
「キスはありえるけど」



「最低な人だからやめたほうがいいですよ」

「夢だったんでしょ?」



「え!」

「弟と結婚するのが夢だったんでしょ?」

・・・

「はい」

石野真子 明日になれば

明日になれば
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Victor




「でも僕、女の人も好きになれたんです」



「あ、お姉さんが来たよ」

「マオも車で来てないよね?」



「お爺ちゃんの軽トラで乗せられて来たから」

「じゃ、一緒に帰ろう」



「今度回転寿司でもみんなで行きましょうよ」

「ノゾムさんとマオさんとですか?」

「うん」



「こんばんは」

「こんばんはー」

「こんばんはー?」



「うちのメンバーに入りたいって申し込みがあって」

「はじめまして」

「はじめまして」
「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

オンラインゲームにも新しくメンバーさんが入って来た。

続く

次回
⑫ニートクリスマス番外編 バーニングラブ



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ニートクリスマス番外編<プリティープリティー>

2018-05-17 13:13:49 | ニートクリスマス後編

前回
⑨ニートクリスマス番外編 ハートで勝負



「話した?」

「話した」



「じゃ、次は」

 彼女と新しいオンラインゲームを始め、俺は彼女と同じぐらいのレベルになっていた。急いで彼女に追いつこうと必死にレベルを上げていたが、レベルが近づくにつれ彼女はなんとなく不機嫌な気がした。ときどき、彼女の会話に「いきなりレベル上がるのは好きじゃない」とか「少しずつ上げるのほうが楽しいから」と、彼女なりの主張を語っていた。



それでも俺は彼女に追いつき追い越せと、彼女がログインするまでにレベルを上げ、新しいオンラインゲームについていった。



 目が覚めてからオンラインゲームにログインし、一通りのことをやり、その後は彼女がログインしてくるのを待っている日々が続いた。彼女は以前、夕方に一度ログインしていたのにこの頃は夜中からログインしてくることが多くなった。

「こんばんはー」

「カノ、仕事帰りか?」

「うん、お邪魔しまーす」
「なにやってるの?」

「オンゲー」

「座ってるだけじゃん」

「人待っててさ」

「ふーん」

「最近はどうだ?」



「今度正社員になった」

「へー正社員か、よかったじゃん」

「アパート探そうと思ってて」

「アパート?なんで?」

「弟が結婚するから」

「!!」
「結婚って、弟がか?」



「できちゃったようで・・・」

「もしかしておなかにか?・・・」

「うん」

「いつ頃式挙げるんだ?」

「まだ、細かいことは決まってないけど」
「アララギも来るでしょ?」

「お、俺が!なんでさ」

「あたしからの招待」

「弟の結婚式に俺がか?」
「カノの知り合いで誰か来るのか?例えばクドウとか?」

「弟の結婚式にクドウが来るわけないでしょ」

「なんで俺が弟の結婚式に行くんだよ」

「来てほしいから」
「弟にも、お父さんお母さんにも言ったよ、あたし」
「披露宴だけじゃないから、言っておくけど」

「神主とかいる、あの席にもか?」


石野真子 プリティープリティー

プリティー・プリティー
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Victor




「わかってほしいんだけど」

(カノは表情を硬くした)

「当然でしょ」
「わかってほしいんだけど」



「おい!ちょっと」
「カノ!」

(カノは突然俺の足を抑えズボンを下げようとして・・・)

「カノごめん、式には行く」
「ごめん、カノ」

俺とカノは収まりがつかなくなっていた。

「俺たちまで、できちゃったはマズイよ」

「これゴムだから、つければいいし」



 かつて子供の頃、アマゾネス軍団と呼ばれ、野性味にあふれていたあのカノが、俺の前で蘇った。



「ごめん、ちゃんと行くから」
「弟の結婚式に」



「アパート探さないと」



「せっかく正社員になったんだから、続けないとな」



「じゃね、あとでまた報告するから」

「うん、おやすみ」

「おやすみ」



「こんばんは、遅くなった」

「こんばんは」



「ここから見る景色、綺麗だよな」

「そうだね」

続く

次回
⑪ニートクリスマス番外編 明日になれば



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ニートクリスマス番外編<ハートで勝負>

2018-05-07 11:24:52 | ニートクリスマス後編

前回
⑧ニートクリスマス番外編 彼が初恋



「カ、カノ」

「ん?」

「俺が、あの、その」
「既婚者だったおやじのことも」
「その、なんていうか」
「カノの小学生時代のことも」
「全部俺が受け入れる」

石野真子 ハートで勝負

ハートで勝負
クリエーター情報なし
Victor




 その後、カノは俺をしばらく見つめ

「早く退院してね」

「う、うん」



「じゃね、お大事に」

「いつもありがとな」

カノと俺との仲に将来が見えた。



 以前は邪な気持ちでカノに描いていた恋心も

「構えられるのダメなんだよねー」

「え!」

と、簡単に跳ね返されていた。



 構えられるのがダメだったカノが、ニートになった俺に身構え、すべてを引き出し病室から出て行った。



 その後、俺は退院し、久しぶりにオンラインゲームにログインをした。しばらくログインをしてなかったことで、彼女もログインしていないと思っていたが、




が、しかし、彼女はまだ俺のギルドの中で待っていたかのようにオンラインゲームを続けていた。



「お久しぶり」

「お久しぶり」
「しばらく来なかったね」

「ちょっといろいろあって」
「変わりない?」

「はい」

 俺は久方ぶりの再会に感動した。これまで何人かと組んで遊ぶ相手もいたが、数日、数週間ログインしていないと離れていく世界。しかし、俺がいない間も彼女はずっとそこで遊んでいた。



彼女を今後は粗末には扱えないと思い、再びオンラインゲームを再開した。



 退院から数か月が経ち、俺は事故で保険金などが入り、そのお金で新しいゲーム機を買った。事故で後遺症が残り、仕事復帰がまだ定かではない中、俺は新しくなったオンラインゲームに生活拠点を移すことにした。



「今度出たゲームをやることにしたから」

「おおー」

「もうすでに遊んでるんだよね?」

「うん、遊んでる」

「そっちでも、また一緒にやろう?」

「うん」
「じゃ、新しいほうにログインしたら教えて」
「そのとき、わたしもいるから」

「了解」



 俺は新しくなったオンラインゲームに登録し、彼女と再会することで少し不安があった。もし、彼女が男性キャラで現れたらどうしようと不安に思いながらも、彼女に会うために新しいキャラクターを作った。



「ようこそ」

「は、はじめまして」

(よかったー女性キャラだった)
(しかも髪の色も同じだ)

 彼女は新しいオンラインゲームをある一定のレベルに達していて、初心者の俺は何もかも、彼女から教わることになった。



「ここでいろいろと貰えるよ」

「はい」

続く

次回
⑩ニートクリスマス番外編 プリティープリティー


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