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『ヨミガエルガール・ジャスティス』⑧BAD BOYS

2021-06-14 00:38:09 | ヨミガエルガール・ジャスティス

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➆Stress

 

「かかれーー!!」

 僕らがドラゴン広場で雪ケンケンと戦い続けて夜明けになった。そのとき、もうひとつの火蓋が切られた。

「先に行くだっちゃ!!」

フルニエさんがいの一番で缶詰屋原に走り出した。

「ケリー殿、総大将をよろしく頼みます」

「ウク殿にはアンモニア烏骨鶏をつけておいただろ‥‥‥」

「それではマニアック過ぎますがな」

「マニアックがキミの専売特許ではないか‥‥‥」

「‥‥‥」

「バッタの大群を送り込め!」

「ブ、ラジャー!」

「そこはラジャーでいいだろ‥‥‥」

「キャミソウル」

「アイムソーリーだろ!」

「マニアックでごめんね」

「バッタの大群で坂野目のキャンプ場周辺を混乱に貶めてやる‥‥‥」

「バッタだっちゃ!」

「ふッ!邪魔が入ってたか!‥‥‥」

「食い尽くせ!」

「そうはさせないだっちゃ!」

「フルニエ殿、頼みましたよ」

「草花や木をまもるだっちゃ!」

「バッタを送り込みましたねーー」

「缶詰屋原にバッタを放つとな‥‥‥」

「キャンプ場まできたら騒ぎになる‥‥‥」

「缶詰屋原もきっと大騒ぎよ」

「そこまでしてフォロワーを増やしたいのか!」

「イナゴではなくバッタか。お金にもならんなーー。イナゴの佃煮食いてぇなーー」

「あんた高い所にいるんだから、ちゃんと見てなさいよ‥‥‥」

「今は中央で攻防を繰りひろげてる。こちら側の花配り山キャンプ場に入ったことも想定しておかんとならんな‥‥‥」

 キャンプ場は坂野目さんがいる花配り山キャンプ場とうるこまマンがいるヤシの実原生キャンプ場の中央に缶詰屋原があった。キャンプ場では缶詰が重宝される。平地に缶詰屋さんがあることでキャンプ民にとって重要拠点だった。その缶詰屋原で攻防戦が行われた。

「キャンプには寝袋が必需品。その寝袋も『ゆるこま寝袋』でワタシームキャンプが世にひろがれば、MJのサブカル統一が継承される。ウシパジャマもすでに統一されたし。そして時は今!。思い起こせば‥‥‥」

 思い起こせばMJとの出会いはヤシの実の下からだった。

 MJは『ないブームの作り方』で各地を巡っていた。

 「クッキングワタシームになる材料はないか‥‥‥。ん?ヤシの木。そしてヤシの実にウシがいる‥‥‥」

「ウシはいいなーー。ウシでなにか仕掛けよう‥‥‥」

 MJがヤシの実にウシがいるのを見ている側で、僕はタレントになるための修行をしていた。指先だけは器用だった僕はその指先を生かして俳優からお笑いまでこなせるタレントを目指していた。

「そこのキミ?なぜヤシの実にウシがいるんだ?‥‥‥」

 ヤシの実にウシがいるという。雲をつかむような投げかけが僕の耳に届いた。あのとき、あの場所で僕が修行をしてなければサブカル統一といった道すらもなかった。

「ヤシの実にウシがいるとはマニアック過ぎますねーー」

「キミは知らんのか?キミはここで何をしてたんだ?」

「僕はタレントになるために修行をしてました‥‥‥」

「タレントだと。名はあるのか?」

「いいえ。まだ何も考えてません。ただ、指先だけは器用なのでその指先で修行をしてました」

「指先でか。‥‥‥‥喉が渇いたなーー。何か飲ませてもらえぬか?できればそのヤシの実にちなんだ飲み物がいいな‥‥‥」

「少々お待ちを‥‥‥」

 僕は始めに冷蔵庫でキンキンに冷えたヤシの実炭酸水を駆け足で持ってきてはMJに差し出した。僕はバトンを持って走るように炭酸水の瓶を握りながら腕をふり動かしたヤシの実炭酸水をMJに手渡しすと、栓を抜いた途端、ヤシの実炭酸水が噴出した。

「ヌオォォーー!!‥‥‥」

「あッりゃーー!!‥‥‥」

 あっという間にヤシの実炭酸水はちょっとだけになった。そのちょっとだけ残ったヤシの実炭酸水をMJは飲み干した。そして、次の要求をしてきた‥‥‥。

「この辺にエロ本は落ちてないかなーー?」

 MJは少しモヤモヤしてたのか、エロ本を僕に要求してきた。

「少々お待ちください」

「あッあるんだ‥‥‥」

 僕はよく落ちていたのを拾って読んだ、パパイヤ通信をMJに差し出した。

「なんだ、ワンワン倶楽部じゃないのか‥‥‥」

「はい‥‥‥」

 しばらく僕が拾ったぬるいエロ雑誌を読むと、次の要求がされた。

「もう一度、ヤシの実炭酸水を飲ませてくれないか。キミの分もだ、一緒に飲もう‥‥‥」

「かしこまりました」

 僕は急いでヤシの実炭酸水をとりに行った。キンキンに冷えたのではなく、冷房も入らない押し入れから買い置きしていたヤシの実炭酸水取り出した。生温かいヤシの実炭酸水を両手に持って、MJと僕とで一本づつ手に持ち栓を抜いた。

「ヌオォォーー!!‥‥‥」

「あッりゃーー!!‥‥‥」

 案の定、ヤシの実炭酸水は噴出した。キンキンに冷えてるよりも噴出し方が半端なくあふれ出て、手と瓶の周りは生温い液体まみれになった。MJはキンキンに冷えたヤシの実炭酸水は一気に飲み干したが、生温かいヤシの実炭酸水はためらいながらチビチビと飲み、そして手の周りがベタベタした感じになって、ハエが手にとまっても逃げられなくなっていた‥‥‥」

「僕の手がハエ取り紙のようになった」

「凄いですねーー」

「キミはないねーー‥‥‥」

「もう一本、ちゃんとしたのを持ってきましょうか」

「その前に濡れたおしぼりを持って来てくれ」

「雑巾でもいいですか?」

「キミはないねーー‥‥‥。『ないブームの作り方』。よかろう。今日から僕についてきなさい。名前は『木ノ上ウク痔ろう』。じろうの『じ』は痔の『痔』だ。痔ろうの『ろう』はひらがなだ。ないだろ?」

「えッ。はい。ありがとうございます」

 こうして僕は漢字とカタカナとひらがなが入った『木ノ上ウク痔ろう』としてタレントになった。そして『木ノ上』がなくなり、『痔ろう』もなくなり、『ウク』となり、サブカル界、天下分け目のワタシームの戦場に立ったのだ。‥‥‥

 

「ゆるこまマンことウクを生け捕りにするわ。ウクがきっとMJの居場所、そしてベーコさんの真相も知っているはず。それにしても缶詰屋原のバッタの大群にはまいったね」

「フルニエさんが中央でバッタ退治に応戦してくれたから、なんとか先に進めた‥‥‥」

「ウクのいるヤシの実原生場まで行きましょ」

「花配り山から缶詰屋原の商店街まで行くのはそもそも難所だから。初心者は結構ぜいぜい息切れる場所なのさ。フルニエさんは慣れていたから助かった」

「坂野目さんは缶詰屋原の宿屋から、ウクのいるヤシの実原生場に行けばいいのに‥‥‥」

「ウクに籠城されて持久戦になると、缶詰屋原の缶詰も尽きてしまう。そうなると撤退も余儀なくされる。だから、坂野目さんは花配り山にキャンプをして缶詰屋原の攻防戦に持ち込んだ」

「こうしちゃいられないわ。相手からもどんどんと入り込んでいるわ」

 ピンクチーマーが缶詰屋原に入った。ウクを捕まえるためだった。しかし、ウクはバッタの次に爬虫類系を放り込んでいた。

 昆虫の次は爬虫類。キャンプ場に現れると厄介なものだ。

 僕とベーコは昆虫のように硬く、爬虫類のようにしつこいドラゴンと戦い、埒が明かなくなった。

「ここは撤退したほうがいいんじゃない?」

「さすがにここは一度では落ちないなーー」

「今、雪ケンケンがエンタシスマンのほうに行ったよ。その隙に逃げましょ」

「勝ち負けの都市伝説を語られる前に逃げるか!」

「また申し込まれたら受ければいいよ。今のうちにここから逃げましょ。あっち側見てる間に早く!」

 僕らたちは雪ケンケンに都市伝説を語られる前にこの場から脱出した。逃げたと言われるかもしれないが中止にしただけだ。「戦いを中止にした」。ただそれだけの都市伝説だということにして、ドラゴン広場から去った。逆に雪ケンケンに縄を張らせて次のチャンスを待つことにした。

「むこうも都合があるだろうけど、こっちにも都合があるんだ」

「ねむい‥‥‥。今日、学校休む‥‥‥」

「よかった。バイトは今日は休みだ。ベーコはこうして不良になっていくんだな‥‥‥」

「なーんも聞こえない‥‥‥」

「生意気ガール」

「うるさい!」

「ピンクチーマーが合流したそうよ」

「うん。なんとか花配り山に侵入される前に缶詰屋原に入ったか」

「芭駄々さんのアドバイス?」

「むかーし、ヒーローショウのバイトをやっててな。衣装の管理も結構大変で。虫食いで穴が開くとそれだけでショウが台無しになってな。繊維を食べる虫とかのウンチクをよく聞かされたものだ。芭駄々さんは、あーいった害虫駆除にも貢献した人だった。その辺の評価はあまりされてなかったが、やるとなると、とことんな人だった。それは私の園芸の管理にも生かされている。芭駄々さんに耳を傾けない人も多かったが、私は芭駄々さんを頼りにしていた‥‥‥」

「一網打尽にする陣を張ったってわけね」

「それはまだわからん‥‥‥」

「ピンクチーマーがむかってるようだ。ウッキーこの辺で頼む」

「あたいの毒牙でいちころにしてやる!」

「何?あれは‥‥‥」

「ウッキーたちよ。奥様は魔女よ」

「フルニエさんも来てくれたのね」

「バッタをイナゴだと言ったら、周囲が間違って獲り始めたのよ」

「嘘はダメだっちゃ。バッタは食べられないだっちゃ」

「みなさんバッタの大量発生だと思ってるよ」

「フルニエさんは、もしかしてって思ったんじゃないの?」

「食べる気だったんですか?」

「そんなことないだっちゃ。奥様もピンクさんもひどいだっちゃ!」

「奥様は魔女よ」

「合流できてよかった。ピンク夫婦だけだったら、敵う相手じゃなかった‥‥‥」

「おいらが退治してやるだっちゃ!」

「フルニエさん!!‥‥‥」

 わたしたちピンクチーマーはウッキー率いるコスプレイヤーたちと戦った。ここで跳ね返さないと缶詰屋原で崩壊してしまう。爬虫類は縁起が良いとされることもあるが、実物はグロテスク。グロテスク好きのマニアたちを相手にわたしたちは覇権を争った。

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➈Fire

 


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『ヨミガエルガール・ジャスティス』➆Stress

2021-06-09 06:00:24 | ヨミガエルガール・ジャスティス

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➅祈りfeat.

 

 

 わたしは大豪村で15歳まで通信武闘を習っていた。

 大豪村で育ったわたしは両親がいなかった。その代わり孤児院があり、そこでジュニアハイスクールまでの生活をおくった。親代わりの人はいたけど、この村ではとくにやることがなく通信武闘の稽古に打ち込んでいた。

 そんな生活の中で年に一回行われる通信武闘大会。わたしはその通信武闘大会に出場することにした。

 通信武道の初段試験も兼ねた大会。わたしはこの大会ではジュニアハイスクール部門で負けなし。そして有段者になると年齢制限がなくなる。わたしはこの大会が唯一のストレス発散の場でもあった。

 試合当日、組み合わせが決まった。相手はわたしより大人だった。

「はじめ!」

「やあーー!!」

「やあーー!かかってきなさい!」

「こちらこそですーー」

 わたしは大人相手に怯まなかった。

 そして通信武闘で稽古した技を相手に披露した。

「くらえ!!」

 試合は一進一退を繰りひろげた。わたしは渾身の力を相手にぶつけた。

「やめーー!!両者引き分け」

「ふうーー」

「お互い礼をして‥‥‥」

「ありがとうございました」

「ありがとうございましたですーー」

 1引き分け2勝でわたしは初段試験に合格した。ジュニアハイスクール中に初段を取得できたことは順調な仕上がりだった。大会が終わり試合会場から帰ろうとしたときだった。

「そうだ!思い出した‥‥‥」

 わたしはスマホのメッセンジャーアプリに書かれていた内容を読んでから。あの日のことを思い出した。あの日、試合会場である男性から声をかけられた。最初は武闘大会でのわたしの試合を観て、進学はどうするのか、を尋ねられた。しばらく話しをして、そして聞いてるうちにわたしのお母さんが会いたがってるという話しになった。

 試合会場から花見キャッスルパークへ行くと、お母さんとそこで会えるという話しになった。けれどわたしは疑った。そしてすぐには返事をしなかった。

 お母さんの代理人の方が熱心に話しをしてくるので、わたしは念のため大豪村の孤児院の先生にも確認をした。すると、孤児院にも連絡があったという報告があり、その後わたしは代理人の方を信用した。

 花見キャッスルパークにまもなく着く頃だった。日は落ちて暗くなったので、お母さんがわたしを迎えにくるようだという話しになった。

「すれ違っても困るので、この辺りで待ってましょうか」

「あ、はい‥‥‥」

「もうじき着ますから。ちょっとトイレに行って来ますね。ここで待っててくださいな‥‥‥」

 代理人の方がわたしを置いて行ったあとの事だった。

 バイクから降りてきた女性が、わたしに近づきじっとわたしを見つめていた。わたしはなんて声をかけていいのかわからなかった。

「お母さん?」

「‥‥‥」

「お母さんなの?」

 返事がなかった。女性の方はスマホで何かを書き込みわたしに見せた。

「えッ!‥‥‥」

 女性の方はスマホにいろいろと書き込んでわたしにスマホを手渡した。

 「わたしはベーコ。これは罠よ。お金はわたしのスマホから使って。これは護身用に持ってて。手にはめれば使えるから。バイクの鍵。ここの土に差し込んでおくから。すぐにでも逃げて‥‥‥」

 ベーコさんはメッセンジャーアプリに次々と書き込みスマホをわたしに手渡したあと、周辺をキョロキョロと見渡した。

「なに、そこでモゾモゾしてるんですか‥‥‥」

「‥‥‥」

「あ、聞こえてないのですねーー。しかも喋れない」

「きっとくると思ってました」

「‥‥‥」

「これで終わりにしましょう。ベーコさん‥‥‥」

 ベーコさんは鎌を持った何者かに襲われてしまった。

「おい!トロールだ!逃げるんだ!」

「誰かいるぞ!フラッシュライトで照らして逃げろ!‥‥‥」

「このひとは?」

「バカ!連れて行けーー!!急げ!!」

 その後はわたしは気を失い、それまでの記憶が喪失した。

 ゆるこまマンが世の中の注目を集めるようになった。自警団動画を次々とアップしてフォロワー数も増えていった。僕はスーパースターレインジワタシームで注目が集まったが、ゆるこまマンが積極的な動きを見せたのち、ゆるこまワタシームが次世代にくるとささやかれるようになった。しかし、ゆるこまマンの自警団ぶりは半ば強引で、危ない噂までささやかれた。

「ゆるこまマン大人気ですなーー」

「ん?」

 変な男が土産物屋に入ってきた。

「そちら側のコスチュームは最近冴えないですなーー」

「観光でいらしたのですか?」

 変な男は見るからに変な姿でバニーガールの衣装にアフロヘアーと、どこから見ても変な男だった。花見城の敷地内は誰かかしらなりきり衣装で歩く観光客が多いので、見るからに変な男も花見城観光でテンションが上がっているんだと、そう思った。サブカルの帝王のMJのネットドラマの影響で、サブカル族が花見城へ聖地巡礼に訪れるようにもなった。

「ぼくちゃんは雪ケンケンと言います」

「えッ。は、はい」

「ゆるこまマンの舎弟と言いますか、次のサブカル界を担う者です。こう見えてもぼくちゃんの父は野心家でしてねーー。いくつかの都市伝説があるんですよ」

「そ、そうですかーー。それは凄いですね‥‥‥」

「ぼくちゃんも都市伝説に語り継がれたい。語り継ぎタレント。継タレを熱望しています」

「ぼ、僕が今、あなたのお話しを聞いてるのも継タレの一種なのですか?」

「よくぞお気づきで!」

「えッ!」

「ぼくちゃんがここで語っているのは、次の都市伝説への序章になるのです。ぼくちゃんと都市伝説をつくりませんか?」

「な、なんの?都市伝説?」

「遺骨を盗まれたというような噂を聞きませんでしたか?」

「遺骨‥‥‥。いいえ、僕は何も‥‥‥」

「知らないのですか。ほおーー。もうすでに都市伝説になってますけどねーー」

「そ、そうなんだーー。ぼ、僕はその都市伝説は知らなかった‥‥‥」

「ドラゴン広場をご存知ですか?」

「あーー。上町地区のですね」

「難攻不落という都市伝説がある、あのドラゴン広場がぼくちゃんの縄張りなんですよ」

「縄張り?」

「最近、メルカリ族の縄張りが落ちたという都市伝説がありましてねーー。知ってます?」

「そ、その都市伝説は知ってます」

「ほおーー。そんな都市伝説は語り継がれてませんよ。まんまと引っ掛かりましたね。こう見えて謀略家なんです。ぼくちゃん。スーパースターレインジはキミでしょ?調べはついてますよ‥‥‥」

「僕は正体を明かさないんだ。ただ単に正義を貫いているだけなんだ」

「ゆるこまのアニキは義の人でしてねーー。今、正義のためならと、いっぱいいっぱいやってますよ。正直、キミが邪魔なんですって。まずは、ぼくちゃんと戦いませんか?ぼくちゃんに勝ったら、正義を譲ります。もちろん都市伝説として語り継ぎますよ‥‥‥」

「断ったらどうなるんだ?」

「メルカリ族を復活させて花見城周辺を悪党だらけにします。そしてキミの居場所も奪います」

「そうはさせない!」

「ならばドラゴン広場まで来てください」

「承知した」

「雪ケンケンがレインジたちをおびき寄せたらしいよ」

「でかした!。これであの小娘もこちらには加われまい‥‥‥」

 僕はベーコの部屋の家賃の集金と今晩集合する話しをしに行った。

「ベーコ?あれ!いない。もしや、わかってて隠れたな‥‥‥」

「ベーコちゃんなら隣に行ったよーー」

「あ、そ、そうですか。ありがとうございます」

「ベーコ。今晩集合だ!」

「集金は?」

「あ、集金だ!いや、集金と集合だ!」

「今回はどこ?」

「ドラゴン広場だ。家賃はピイピイからでもいい‥‥‥」

 わたしは胸騒ぎがした。記憶が戻ってけど笑顔(ショウガオ)男にはまだ本当のことは話してない。この状況がいつまで続けられるかもでも不安だ。今感じているストレスは、何かでスカッとさせておきたい。

「ちょっと寄り道してから行こ」

「どこへ?」

「ものほしざおを拾いに行く」

「ものほしざお?」

「スカッとしたいの」

「あゝ。洗濯してかーー」

「ぶん殴るの」

「おい!」

「あーー。あった!」

「この辺はものほしざおみたいなのが結構落ちてるなーー」

「あなた用にも。はい、これ持って‥‥‥」

「僕も!」

「竿やーー竿だけーー」

「勘違いされるだろ!急げ、ドランゴン広場だ!」

「竿やーー竿だけーー」

「ここだ‥‥‥」

「エンタシスマン。きてくれたの」

「やあーー。よくきたなーー」

「誰?」

「雪ケンケン。と、言っていた」

「招待してくれたから来たぜ」

 

 

「ぼくちゃんの縄張りは落とせるかなーー」

「もちろんよ」

「正義を貫くんだーー!!」

「いつまで攻め続づけれるかなーー」

 雪ケンケンのドランゴン使いの防御は強固だった。複数のドラゴンを呼び集め、僕たちはそのドラゴン相手に攻め落とそうしたが終わりが見えなかった。

 一方、クスのお父さんは異変に気づいたようだった。

「芭駄々さん。お話しが‥‥‥」

「坂野目君。もどってきたようだのう」

「リク君たちが大猫城で籠城戦を繰りひろげたらしいわ」

「ベチカさんはお存じでしたか」

「ベチカや。わしも聞きたいからのう。ちょっと案内してくれんかいのう」

「チリーさんのところで集まってますから。まずはそちらまで‥‥‥」

 僕たちがドラゴン広場で雪ケンケンと戦ってる間、クスのお父さんを囲ってゆるこまマンの動向を話し合っていた。

「そもそもベーコという女性が発端なんだろ?何者なんだいったい」

「ベーコちゃんに何かあっただっちゃか?」

「フルニエさん、今、話し中だから黙って聞いて」

「ベーコちゃんは何度かうちの宿に泊まりに来ただっちゃ」

「フルニエさんってば!」

「ベーコという名は、ベコニアという花の名前です。ベコニアの名はフランス人のミシェル・ベコンの名に由来し。ベコンはフランス領アンティル諸島の総監であり、プリュミエを当地における植物採集者としてフランス王ルイ14世に推薦した人物でした。フランスの植物学者シャルル・プリュミエが出版した書物の中で6種をベコニア属として紹介されました」

「それが坂野目君につながるとはのう」

「ゆるこまマン。いや、ウクは今どこにいますか?」

「ウクの活動拠点である。ヤシの実山周辺でキャンプをしているとういうことです」

「アウトドア動画でも結構荒稼ぎしてますからなーー」

「彼の狙いは何?」

「ピンクチーマーをおびき寄せて、壊滅させることが、まずは第一目的だのう」

「杉林の伐採の仕事が入ってきまして行って見たんです。すると大猫に腕利き者どもが集合するといった情報が入りました。案の定、杉林の伐採はその関係者からの発注でした。今、私は園芸職人だと言って断りましたが、追って山道に通じる道路脇の花壇の手入れを頼まれました。でも、私の手づるにすべてを頼みました。報酬は上積みで。どうも私はハイリスクの仕事をとる癖がある‥‥‥」

「ピンクチーマーだけでは人手が足りんからのう。坂野目君が戻ってくれて正解だのう。大猫城で足止めしたのもよかったよのう」

「大博打になってしまいましたが、私もキャンプを張りに行きます」

「坂野目が戻り、ヤシの実山に来るそうです」

「大猫で足止めを食らったが、これでやっと五分じゃ。それ以上にこちら側に分があるわ」

「ウク。長年の親友。ここはおいらに任せておきな」

「頼もしいかぎりじゃ」

「こまいぬワタシームでサブカル界の帝王の座に就くぜ‥‥‥」

「MJめ、どこへ消えた‥‥‥」

 


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ギャルゲー・ノックノック

2021-06-06 01:36:48 | ノックノック(雑記の宿)

 家にあるゲームソフトを見て「恋愛シュミレーション」にはまったことがあるなーと思いまして、いくつかご紹介いたします。この分野は『ギャルゲー』と言ってたんですね。『ギャル』といった言い方はしなかったでしたが、ゲーム内キャラクターにのめり込んだこともありました。

 

センチメンタルグラフティ(Sentimental Graffiti) OP

 『ときめきメモリアル』はその以前から知れ渡ってまして、そちらは置いといて、当時、新作で出ていた『センチメンタルグラフティ』から始めました。

 

センチメンタルグラフティ - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~【6/5更新】

センチメンタルグラフティ 【せんちめんたるぐらふてぃ】 ジャンル 恋愛シミュレーション 対応機種 セガサターンWindows 95/98プレ...

センチメンタルグラフティ - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~

 

 僕は面白いと思ってやってましたが、サブカル・オタクの世界では酷評でした。『ギャルゲーバブルの崩壊』とまで書かれてました。『センチメンタルグラフィティ』は1998年発売でしたので、その数年前から『ギャルゲーバブル』が起きていたようです。宅八郎さんがフィーチャーされてた頃は無関心で、森高千里さんと千堂あきほさんの区別もつかなかった時でしたから、1998年発となると、この分野では後進組です。

 次世代ゲーム機を買った当初は『プロサッカーチームをつくろう』というゲームがしたくなり『セガサターン』を買ったのが始まりでした。

ウイニングポストEX(セガサターン・1995年)OP&ED

『RANPO』や『ウイニングポスト』信長の野望シリーズの『毛利元就』をやっていて、ひとつ終わるのに結構時間がかかってましたから、1998年の『ギャルゲー』まではなかなか到着しませんでした。

 

【SS】毛利元就 誓いの三矢 : だんぼーるはうすinブログ

毛利元就 誓いの三矢(KOEI)ジャンル:シミュレーション発売日:1997年10月2日価格:7,800円今日現在の駿河屋の価格:360円休日...

だんぼーるはうすinブログ

 

[SS] 毛利元就 誓いの三矢 - All Events

ウイニングポスト3 プログラム’98(セガサターン・1998年)OP&ED

 1998年に『センチメンタルグラフティ』をしてから、『ギャルゲー』にはまるようになりました。

 はまったのは『同級生』でした。

セガサターン 同級生if CM

 セガサターン版からでしたから『同級生if』にはまりました。アニメキャラにときめいたのは『リボンの騎士』以来のことかもしれません。98年以前のゲームでしたから、あとになってから名作だと知りました。

 あの当時、原画本も買いましたから。

 ひととおりエンディングまでやりましたけど、最初にエンディングまで行ったのはこの方でした。『同級生』となってますが、内容は同級生というほどでもありませんでした。僕はアニオタというほどでもなかったのですが、このときはアニオタでした。

 結婚して子供が出来た頃で、母親が子供を寝かしつけてる間、僕はこのゲームに夢中でいました。子供はアンパンマンに夢中で母親は『おかあさんといっしょ』の体操のお兄さんや仮面ライダーのイケメン主役に夢中になったママパパ世代でもあります。

 あの頃は『同級生2』までやってました。

セガサターン 同級生2 オープニング

セガサターン ときめきメモリアル ドラマシリーズVol.1 虹色の青春 オープニング

『ときめきメモリアル』もやってみました。

m[emu] …君を伝えて… 神谷高美ED(グッド)

セガサターン スーチーパイアドベンチャー どきどきナイトメア オープニング

セガサターン 卒業S グラデュエーション オープニング

 その後もいろいろやってみまして、次第に二次元脳からも離れていきましたが、けれども絵画やアニメ映像やイラストを見るとときめきます。

 男性だけの世界だと思ってましたが、女性にも同じような感覚があるようで、男女のバランスは保たれているようにも思えます。


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メガホン・ノックノック

2021-06-03 10:27:29 | ノックノック(雑記の宿)

 「マニア」という言い方をされるようになったのはいつ頃からだと思いますか?

 僕が自称マニアと言うようになったのは『メガホン』を集めるようになってからです。そのメガホンマニアの一部をいくつかご紹介いたします。

 メガホンを集めるようになったのは西武球場でプロ野球を観るようになってからです。当時、西武ライオンズのメガホンを買いました。

 記念癖というのは昔からありまして、卒業証書入れのケースの中にその時あった石ころを入れて見たりして、ふるとあの頃の音がなるようにしてみたりしてました。

 このメガホンは1991年・10月3日・西武対日ハム・13-1・西武がリーグ優勝したときのメガホンです。

1991西武ライオンズ優勝胴上げ 西武ライオンズ鹿取義隆VS日本ハムファイターズ 西武球場 中島輝士 大内実

 清原選手が西武にいたときのバットです。あの頃はまだ背番号3でした。

 大洋ホエールズが横浜ベイスターズになってまもなくの時のメガホンです。

 1994年・8月13日。この時は旧友に結婚報告(婚約)をしようと出かけた日でした。結婚した年ではなく結婚する前年です。91年から94年の間のことですが、あの頃は1年1年が濃縮してたようにも思います。1か月、半年間で目まぐるしく人生や世の中が変わりました。年を重ねると、気づけばスカスカな日々を過ごしてるようにも思いました。1年があっという間に経ち、2021年もすでに6月が過ぎました。

 横浜対中日・2-12・横浜のボロ負けの日でした。

 パウエル(中日)選手が5打数5安打という日でした。

 この時はジュリアナ東京もお盛んな時で、その時に耳に残ってるのは『TRF/BOY MEETS GIRL』は覚えてますね。あと『モダンチョキチョキズ』はその年の夏にちょっと興味がありました。

 その時『北斗星』に乗って帰りました。

 シャワーセットが記念に今でもありました。

 Jリーグが発足しまして、グッツはちょこちょこ時代の流行りで買っていました。Jリーグのチケットを手に入れるのも難しい時代でもありました。旧国立競技場が凄くプレミアムな時代でした。そこでJリーグを観るといったら田舎者には夢の舞台でもありました。

 地元には下部組織からですがサッカーチームが出来ました。

 1995年・10月19日・ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)対大塚製薬(大塚ヴォルティス現ヴォルティス徳島)旧宮城県陸上競技場 1-2 大塚勝利。

 1995年はTBSアナウンサーの堀井美香さんがTBSに入社した年のようで、僕はその時代、Jリーグにもなってないサッカーチームの試合を見てました。あの当時、旧宮城県陸上競技場が一番立派な競技場でしたので、立派な競技場の試合だということで記念に観に行きました。

 ヴォルティスはその当時格上でした。だけに、観る価値があると思って観にいきました。行くとスポンサー関係者ばかりで、僕なんて虫ケラ以下の扱いでした。自民党系で借金ばかり重ねたチームで態度もデカくて、行くと肩身が狭かった。長きにわたり自民党系中心の日本社会でしたから(現在でも)、言っても悪くないでしょ。あの当時はそれでも年間通して観てました。

 Jリーグチームの試合を観るはあまりできなくて、天皇杯サッカーで観ることがやっとでした。

 1995・12月10日・天皇杯二回戦。名古屋グランパス対横浜フリューゲルス。4-1 グランパス勝利。この試合ではスコイコビッチがフリーキックを決めてましたし、フリューゲルスの得点は当時の前園選手のゴールでした。

1995 Nagoya Grampus 天皇杯(初優勝)

 2021年。あれから、自分は今なおどこにもいません。ここに書いてるだけの人間になり果ててます。ノックノック。

 


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