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旧える天まるのブログ
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灯の果て夢の果て<回>

2018-11-30 11:09:51 | 灯の果て夢の果て


<回>

 宮古のバーの店内で、カオリママの話しをしばらく聞かされているうちにマッチ棒も酔いがまわってきた。話しの節々に隙間があると、そこでマッチ棒が東京であったことを話したくなり、何度か池袋に行った事を口にしようとするが、カオリママは『黙ってなさい』と言わんばかりに緩んだ口をカオリママの語りで塞がれた。

「おまたせ」

 エリコが着替えた衣装は、下がホットパンツに上はジャケット姿。そしてブラジャーがまざまざと見え、上下黒色に纏った出で立ちだった。それに膝上まである黒のブーツを履き、エリコはステージまで歩いていくと、ポールダンス用のポールを布で持ち上下に細かく拭き始め、柔軟体操も行っていた。

「今まで見たことある?」

「いいえ、初めてですこういうのは」

 マッチ棒はその姿に見惚れていると、カオリママがハガキサイズのポストカードをマッチ棒に手渡した。

「足の部分がエリコの足だから」

 カードに写っている写真は、背景が赤色で黒のブーツを履いた片方だけの足がエリコだと言っていて、マッチ棒はそのカードをよく見ると、前に働いていたお店のチラシ用のカードだった。
 
 カオリママはマッチ棒をそのままにし、店の隅に向かい音楽をかけ、店内はジャズが鳴り響いた。

 スポットライトがエリコがいる銀色のポールを照らすと、ミラーボールの輝きまでもが店内中を彩り、最初に入った時のイメージとは見違えるように変わった。

「ディスコ調のかける?」

「いいえ、このままでも」

「古いのよねーあたしら」

 カオリママは何を言いたかったのかは知らないが、ラテン系とユーロビートが流行るバブル景気の中で、南国から訪れたフィリピン人とは相性が悪かったとでも言いたげな様子にも伺えた。

 「4番お願いしまーす」

 エリコがそう言うと、カオリママは隅の方へ行くと色っぽく軽快なジャズが鳴り出した。
 胸はそんなに出てないが肩幅が広くお尻も広く見えるエリコが右手にポールを握り始めると、左手を垂直に開き、ブーツでコツコツ踏み歩いてポールを起点に回り始めた。

 背中を向くと、ホットパンツからはみ出る太ももとヒップライン。そして正面を向くと黒のブラジャーがむき出しに見え、目と目が合いそうになり目のやり場に困ったマッチ棒は、エリコの三角状になった下半身を想像した。

『いやらしい!』

 天井から後頭部に向けてエリコの声が聴こえたようにも思えた時、エリコの足はポールにからめ身体ごと宙に浮いていた。宙に浮いたエリコの太ももは、銀色のポールに絡み合い黒との隙間から見えるエリコの白い肌でマッチ棒は心底目が回った。

 カオリママがカウンターを隔てて背後からエリコの踊りを見ているのに気付いたマッチ棒は、手に持っていたチラシのカードに写るエリコのブーツに指をあて

「ここで働いてたんですか?」と、改めて尋ねると

「詳しいことは、あとでエリコから聞いたらいいよ」と、返事がかえってきた。

「は、はい」

(あとでって!)
(あとで聞いたらって…何?)

 マッチ棒は『あと』の事が気になり踊りから目が離せなくなった。そして、エリコの演舞に魅了し、更に酔いが回った。






ゴールドラッシュ池袋イーストヘルス: える天まるのブログ灯の果て夢の果て続編 (灯の果てノベルズ)
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ベーコグラビア

2018-11-29 01:17:14 | ヨミガエルガール
歌姫3~終幕~
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ヨミガエルガール


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ヨミガエルガール<まとめ>

2018-11-25 10:48:25 | ヨミガエルガール


①<傘がない>



②踊り子




③愛はかげろう



④スローなブギ―にしてくれ



スローなブギにしてくれ
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⑤夜霧よ今夜もありがとう



夜霧よ今夜も有難う
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⑥東京砂漠



⑦窓



男はつらいよ 翔んでる寅次郎 HDリマスター版(第23作)
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⑧ALONE



続・フレンズ―ポールとミシェル (ハヤカワ文庫)
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早川書房


⑨ハリウッド・スキャンダル



⑩恋の予感




NO MORE ENCORE前編



ヨミガエルガールNO MORE ENCORE後編





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かみがない

2018-11-21 23:36:43 | BL系日常2DQX 大人オンライン


<かみがない>

 むかし、おしょうと こぞうが そう式に まぬかれて でかけていきました。



遠い 道でした。とちゅうで、こぞうが しょうべんをしたくなって、山で 用を たそうとすると、



「こら、なんと いうことをする。」

 おしょうが しかりました。



「山には 山の 神さまが おいでになる。しょうべんだなんて、とんでもない。」



 こぞうは 畑の あるところまで がまんして きました。ここなら いいだろうと 思いました。

「おまえは なんにも 知らんのか。畑には ありがたい 農神さまがおいでに なるのじゃぞ。」

 こんどは 田んぼで やろうとすると、

「田には 田の 神さまが いらっしゃる。きたないことを してみろ。きっと ばちが あたるぞ。」



 こぞうは こまってしまいました。山も 畑も 田も いけないのなら、いったい どこなら いいと いうのでしょう。

「きまっておる。」

と、おしょうは いばっていいました。

「神のいない ところで やれば よい。」

「はて、おしょうさま。それでは どこに 神さまは おいでになりませんか。」

 おしょうは どなりつけました。

「自分で さがせ。」



 こぞうは それを聞くと、ぱたぱたと かけだしました。

「待て、どこへ いく。」

「神のない ところを さがしに お先に ごめん。」



こぞうは おしょうよりも ずうっと 先にいくと、木の 上に よじ登って 待っていました。



 やがて、おしょうが ゆうゆうと 歩いてきました。ちょうど おしょうが 木の 下にきました。
すると なにやらぺたぺたと ふってきました。

「おかしいなあ。よい 天気だというのに あたたかい 雨が ふって きおった。」



 おしょうは 立ちどまって 上を 見あげました。頭の 上の えだに こぞうが 乗っかっています。
そして、なんとまあ あきれたことに、自分の 頭を めがけて ちょび ちょびと しょうべんの 雨を ふらせているのでした。



 おしょうは かんかんに はらを たてました。

「やい、よくも この わしに ひっかけたな。おりてこい。せっかんしてくれるわ。」

 木の 上から 返事がかえってきました。

「だって、おしょうさんは かみの ない ところをさがせと おっしゃたよ。おしょうさまの 頭には かみが なんにもない。」




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ヨミガエルガール<NO MORE ENCORE後編>

2018-11-14 21:43:32 | ヨミガエルガール

初回ヨミガエルガール傘がない

前回
ヨミガエルガールNO MORE ENCOE前編



「あのですねー」



「腐女子しか入れないみたいですー」

「ど、どういうこと?」



「またおいでだっちゃ」
「ありがとうだっちゃ」

「ん、どうかしただっち?」

「忘れ物だっちゃか?」

「コロモちゃんにだっち」

「ノートだっちゃか?」
「コロモちゃん読んでみるだっちゃ」



(私は、ベーコと言います)



「ベーコさんがノートに書いて、コロモちゃんに渡したんだ」

「はいですー」

「で、内容が今起きてることと、関係あることなの?」

「はいですー」

「わたしたちも知ってることかな?例えば、ベーコさんの子供と彼氏の事とか?」

「書いてたですー」
「MJという人がですねー」



(私はいつ頃からか、死んでも生き返る身体になっていたんです)
(死後、誰からの目に触れずにいても、二週間後には生き返るのです)
(ただし、生き返った後、死んだ直前の記憶が無く、なぜ私が死んだのかは、覚えてなかったのです)
(愛する彼と、彼の間にできた愛する我が子が井戸に落ちた事故で亡くしてしまい)
(私もその井戸で死に、生き返り、その後に声帯と聴力を失いました)
(ただ、愛する家族がなぜ、井戸で亡くなったのか?思い出せませんでした)
(ただただ、誤って井戸に落ちたということだけを知らされました)
(しかし、私はあることをきっかけに、井戸に落ちた当日のことを思い出しました)



(あの日、私の仕事の世話をしていた、『MJ』という男が井戸に隠れていたのです)



「ローファさんとカレッジで知り合ったサーリーさんがグルで無理心中を図ったのかも」



「MJという男とサーリーさんが、何かかしらの接触があって」
「無理心中を計画した」

「でも、ベーコさんが今になってなぜ、そのことを思い出したの?」

「それがですねー」



(MJという男は、イラストレーターなども行っていて)
(子供用のトイレの御虎子(オマル)のデザインなども行っていて)
(私の娘のオマルなどもMJがデザインしたキャラクターなどの絵が書いてありました)

(私は家族を亡くした後、日が経ち三人で暮らしていた住まいをかたづけていたときに、家のオマルにうんちが入ったままなのに気づきました)
(井戸に落ちる前、娘はオマルにうんちをしていたのです)
(便が終わると、私たちは共同トイレにオマルの汚物を流しに出かけていました)



(住まいにはトイレがなく、外にある共同トイレを私たちは使用していました)

(いつも仕事が終わると、MJに家まで送ってもらっていました)
(何の疑いもなく、それを繰り返していました)
(MJには中絶のことまで知っていました)



「MJは隠れて」
「オマルの汚物を流しに共同トイレに行くことも把握してたのね」

(しかし、その日のMJは用事があると言って、私を送らず先に帰りました)

「サーリーさんが家に尋ねることを計画し、先回りして井戸に隠れてたのね」

「サーリーさんとMJは、ジュジュちゃんがオマルに便をした後に、ローファさんとジュジュちゃんを井戸に誘いこむ計画を企てたのよ」

「オマルのうんちを流しに外の共同トイレに行くのをわかっていて」

「けど、なぜ?そのことを思い出したんだろ?」

「それはですねー」



(MJのデザインしたキャラクターなどが、あちこちで見かけるようになり、私はそれを見るたびに、あの日のことが蘇ってくるのです。)





(その度に私はMJを追いかけ)



(MJに殺され、2週間前までの記憶が消されてしまうのです)
(生き返るとそこには、いつもお金が置いてあり、私はそのお金で旅をしていたのです)



(MJを倒さなければ、私は逝き続け、蘇りが終わらないのです)



(また、MJがあらわれました)
(わたしはいきます)

「コロモちゃん、腐女子の他に入れる条件とか知ってる?」

「賢者ですー」

「賢者じゃないわー」

「姉さんは無理か」

「語り姫さんが賢者ですー」



「おまたせ」
「いきましょー」
「ノートの内容、聞かせてもらったわ」

「書いて伝えたほうが」

「そうですね、語り姫さん」






中森明菜 NO MORE ENCORE

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「逝った!」



「これで愛する家族がもどってくることはなかったわね」

「彼女は蘇る現実を生き続けるのよ」

(私は排卵日が22日で訪れたことを忘れ、その誤差を安全日だと勘違いしてしまいました)
(彼は私の身体のことを気遣ってくれたのに、危険日を安全日だと言って身体を許してしまったのです)



「くそ、悪魔めー」



「予報があたったわ」
「悪魔はあなたでしょMJ」
「逃がさないから」



「殺人容疑で、あなたを捕まえます」





「ほんとは無理心中じゃないんだ」
「井戸に引きずり落とすのは、ローファとジュジュの二人だけでな」
「二人が井戸水を使うところまで把握してたんだが」
「余計な女がきやがって」
「三人まとめて沈めたんだよ」



涙ズウズウ





ヨミガエルガール 完

ヨミガエルガール まとめ


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