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旧える天まるのブログ
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『ヨミガエルガール・ジャスティス』➅祈りfeat.

2021-05-31 22:03:06 | ヨミガエルガール・ジャスティス

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➄Pleasure x Newjack x Civilization

「おかん、ハンドソープそろそろ買わないといけないな」

「そろそろ‥‥‥。笑顔?この頃変な噂聞くよ、あんた」

「なんだよ」

「あんた、なんか、オカマっていうのかい、ホモっていうの?。あんたそうらしいじゃないか」

「誰がそんなことを‥‥‥」

「違うのかい。なら、いいけど。困るよ。嫁が来なくなるからねーー」

「この先のことは自分で決めるよ」

「何言ってるの。大学は今は進学してないし、花見城で俳優のバイトしてたってねーー。せめて、イケメン隊っていうのかい。城のPRとかやってるようなら別だけど。いい嫁なんてーのはこっちで選べないよーー。」

「いい大学、いい就職してれば僕だって自信はつくさーー」

「うちは一人っ子。女の子がいないからねーー。ホモとか思われても困るし、女遊びばっかりされてても困る。うちの経営にも傷がつくからねーー。アパートも建て替えないとねーー。地主のいいところの嫁が来てくれるといいんだけど。農家とかどうだい。今、余った土地にアパート建ててるらしいじゃないかい。そういうところから嫁をもらってさーー。あーいうところは道路とかが通ったりするから、自然とお金が入るんだよ。おとんもおかんもそういうので結婚した。お見合い結婚だったけどね。今になってわかったよ。おとんもおかんも真面目に暮らしてたから今があるんだよ。ホモはダメだよ。投資にならないよ」

「おかんの言ってることは差別だ!!。真面目?真面目にしながら人を差別してただけじゃないか!僕がホモだったら軽蔑したんだろ!。おとんはよく言っていた「男らしくなれ」と。酒飲みのおとんになにがわかる。いつも僕を叩いて!」

「おとんには感謝しないとダメだよ。ここの家を残してもらったんだから」

「おとんと結婚して何かいいことあったか?大酒飲みで僕を叱ってばかりで。おかんだって苦労しただろ!」

「ポックリ逝ってくれたよ。うちはこう見えても勝ち組なんだよ。我が家の考え方に差別とか言われたくないねーー」

「我が家の考え方は差別だ!」

「ベーコとかいう女の子を看うけしてて差別だとか言われたくないねーー。あの子もゆくゆくはいいところに嫁がせるよ。お家のためだろ?女はそのために生まれてきたんだよ。あの子にも感謝してもらわないと困る!」

「おかんは差別的な考えしかもってない!」

「お前みたいなバカ息子はね、うちで掛かった経費をとり戻してこい!。『やめられないとまらないアマビエえびせん』を売ってとり戻してこい!バカ息子が!。となりの息子さんは奨学金使った分は家に払ってるって聞いたよ。いい噂しかないよ。あの家はいいお嫁さんも来て、きっと奨学金もとり戻すんだよ」

「おかんは、お嫁さん、女性、そしてパートナーをなんだと思ってるんだ!」

「あんた病気じゃないのか?やだよー精神病院とか行かれたら」

「おかんのほうがイカレテル」

「どの口が言うんだい」

 ハイスクールまでは優しいおかんだと思っていた。その分、おとんのほうが厳しかった。僕は派手なこともしないでいた。おかんから聞かされた話しでは、おとんは予想以上の大酒飲みだったらしい。というか、僕の幼い時の目がから見ても大酒飲みに見えた。酒を飲んでなくても僕を叩いたり叱ったりもした。おかんも苦労したはずなのに、この家に飲まれてしまったのか、差別や偏見的な愚痴をよく耳にするようになった。特に結婚についてはそうだ。ハイスクールを出てすぐに結婚した者には「すぐに別れるから」と、決まってそういうことを言う。大抵すぐ別れてることも多いが、おかんの思い通りに世の中が動いてるようにも思えた。クスに対してもそうだった。たちまち近所の噂にもなったが言われてるパターンはいつも同じ。クスと仲が良かったためか、僕はホモだと思われてたのかもしれない。否定すれば否定したで差別を容認したことになる。質が悪い。

 話しが変わるが、クスの父親は海東に転居した。海東都近辺で仕事をしてるらしい。

 クスの父親の実家はそれなりの名を持つ旧家だと聞いた、何とか流といった剣術の免許皆伝書も持つ家柄ではあったが、その家を継がなかったらしい。廊下が血に染まったほどの家で天井には隠し階段も備えていたと、クスは言っていた。長男に生まれ、戦争時代、長男だったクスの父は身体が弱かったといった理由で、武芸を行わなかったそうだ。クスが言うには、長男に生まれたため、戦争を理由に身体が弱いと嘘をつかされたんじゃないかと言っていた。戦争時代、名のある家の長男は狙われやすいからだと。身体の弱いクスの父親をつれて外国に侵略し、そしてそこで警備の仕事までしていたそうな。クスの父は国の人質になっていたようにも感じた。

 帰国後、世の中は一変した。お手伝いに預けていたクスの父の実家の住人たちは、クスの父の土地から、その住人の土地になったという。クスもクスの父も、その家の者には決して「使用人」という言葉を使わなかったという。クスの父の家は古民家でその周辺に現代的な家が建っていたが、「実わ‥‥‥」。それ以上のことは口にしなかったらしい。

 地味で苦労人。苦労が報いたと思えばまた苦労人にもどった。今は園芸職人で生計を立ててるという。

 

「おつかれさまーー。どうぞおやすみになさってください」

「いやーありがとうございます。あなたもご一緒しませんか?」

「いいえ、まだわたしはここにいなくてはならないので。あとで行きますから」

「それでは失礼します」

「ごゆっくりどうぞ‥‥‥」

「あの時の彼と面影が似てるわ‥‥‥」

「ほおーー」

「うん‥‥‥ここの花はいつもきれいだ」

「おっちゃん、お手入れおわっただっちゃか」

「こちらのお花はきれいですなーー」

「そうでもないだっちゃ」

「フルニエさん、坂野目さんにお茶をお出しして」

「フルニエさんはどういった字を書くのですか?」

「おいらだっちゃか。ええとだっちゃ。フルニエキチ」

「ええと、布に留めると書いて布留(フル)。ニエキチは煮るに吉と書いて煮吉です。すみません、くだらなくて」

「くだらなくないだっちゃ!」

「いいえ、チリーさん。くだらなくないですよーー」

「くだらなくないだっちゃ!」

「ごしそうさまでしたーー」

「もう行くだっちゃか?」

「語り姫さん来るまでお持ちになったら?」

「すれ違いざま、お声をかけていきます」

「これからどちらに?」

「北のほうへ用事がありまして‥‥‥」

 わたしはベーコと名のついたスマホメッセンジャーアプリの一部を読んだ。そしてメッセンジャーアプリからはいくつかのメッセージが届いた。

 わたしは部屋に居なきゃならない。笑顔(ショウガオ)男が家賃の請求にくる。この時間、ネットカフェに曼陀羅ダラ男さんがいるはず‥‥‥。

「こんにちはーー」

「なんだっち?」

「ちょっといいですかーー」

 わたしは曼陀羅ダラ男さんに急ぎの用事を頼んだ。

 花見城でバイトをしているお姉さんから連絡があった。わたしはクスを駅まで迎えに行ってそのことを話した。

「お姉さんがサイドカーを譲ってくれるんだって」

「ええ!。いいのか!」

「新車を買うつもりでいるみたいで、前からわたし言ってたから‥‥‥」

「いいのかよ。ほんとにさーー」

「姉妹の利点ね。なんかいつもそう。わたしお姉ちゃんからおねだりするの‥‥‥」

「ちゃんとお礼言っておかないとな‥‥‥」

「夕食食べてから、水舎駅にまず行こうよ。あ、PCR検査受けた?‥‥‥」

「うん。また受けたよ‥‥‥」

「この時間でも日が長くなったね」

「前は真っ暗な時間帯だったもんな」

「ちょっと待ってだっち」

「誰?」

「えっとーー。こないだ会った‥‥‥」

「ジェンダーオバサンだっち」

「ああ、曼陀羅‥‥‥」

「ジェンダーオバサンだっち!」

「なんでこんな衣装に?」

「今から大猫城に行く」

「大猫城って昔の言い方で、ちょっとした城跡じゃない」

「そこに空き小屋があるだろ。僕らよく遊んだんだ。まずは行ってみよう。詳しいことは走りながら話す‥‥‥」

「体育の成績は?」

「まあまあ、かな‥‥‥」

「ウクお奉行。補導はお任せあれ」

「進めるのじゃーー」

「行くがいい、皆の者。新たなステージの始まりじゃ!!」

「何やってんのひとりで‥‥‥」

「寒くないのかなーー」

「着ぐるみ着てるから、逆に暑いんじゃない」

「キミたちうるさい!早く帰りなさい」

「あ、なんか喋った」

「うるさい」

「ゆるくないね‥‥‥」

「そういうわけで正義をなんちゃらかんちゃらってやってるんだって」

「ふーん。楽しそーっちゃ楽しそうだけどねーー」

「なんだ!」

「いやよ。クスなんとかしてーー」

「うあー!ここで足止めかよ!」

「振り切って!!」

「よし、振り切った」

「ジェンダーさん待ってるんでしょ?急ご」

「あーーいたいた」

「いたいた。いえーい!」

「あの小屋で籠城だっち。あの場所を獲られたらやっかいだっち」

「時々変な不良たちが集まるところだよね」

「今はいないだっち。けど、ここを占領されると悪事が絶えなくなるだっち」

「ここに来る情報か、何かあったのですか?」

「そこのお嬢さんのだっち。お姉さまが以前、ストーカーを追い払ってからだっち。その後、不穏な動きがあっただっち」

「えッ!うちのお姉ちゃんが!」

「あ、ここでは知り合いの話しだっち。今のは聞かなかったことにだっち」

「もう聞いたし‥‥‥」

「正義のためじゃーー。あの小屋に襲いかかれーー!!」

「わあ!!来たーー!!」

「応戦するだっち!」

「この小屋を死守するだっち」

「耐えられるかなーー」

「クス?お姉ちゃんやわたしの力ばっかり借りてないでよ!」

「ジェンダー平等だっち」

 クスはわたしたちのために不良ども相手に大猫城で耐え凌いだ。ここに勇猛な不良を集めてしまうと、その後、手がつけなくなると言っていた。わたしたちはここより先に不良たちを寄せ付けなかった。クスとわたしたちは頑張った。

「わたし黙ってたけど。ここ、ずいぶんと女性たちが男性たちに、酷い目にあった場所なのよねーー」

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➆Stress

 


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靴と友人とパートナー・ノミネート

2021-05-27 00:15:09 | ノミネート(雑記の宿)

 ちょっとラジオを聴いてて、靴の履き心地でパートナーとの相性または感触がわかるみたいなことを聞いて、自分の家にある靴でこれまでをふり返ってみました。

 僕のパートナーは現在までひとりしかいませんが、その時に出会う前までの靴もありましたので、いくつかご紹介いたします。

 靴の思い出とリンクすると正確なのはあまり覚えてないのですが、告白したか、しないか、の時代の思い出からだと中学の時で、靴に思い入れがあったのは陸上大会に出場した時のことです。スパイクシューズを履くこと機会もありました。そんなに滅多に履くこともなかったので学校からの貸し出されるのが主にでした。サイズが無ければ自前のシューズを買って大会に出場しました。

 

【運動靴】クーガーラリー 運動靴 赤青

【運動靴】クーガーラリー 運動靴 赤青など懐かしい雑貨を通販にて販売中。全品未使用。この商品は元会津坂下一中指定の運動靴です。古い商品で外箱...

山内屋商店 - 会津

 

 

 思い出とリンクすれば、ざっくりかもしれませんがこの靴かもしれません。80年代初期のことです。靴はその当時からもっと厚みがあって弾力もありました。アシックス、プーマ、アディダスといった有名スポーツシューズもありましたし、あの時代、エアークッションなるものも出始めた時代でした。

 ただ、僕にとってはそんなに高価な競技シューズは必要なかった。軽くて、グランドに食いつきやすい靴が必要でした。スパイクがあの時サイズが無くてというか、数が少なくて。自分は特別にまでと思ってませんでした。古い物でもいい。布が薄くて軽いシューズでいいので、今どきの靴屋さんではなくて、靴の修理しかしてないような、昔ながらの職人おやじがいる靴屋を訪ねてみつけたのが、60年代の運動靴で検索すると出てきました。ここに紹介した『クーガーラリー運動靴』でした。

 陸上大会のみに使用したシューズでした。あの頃、交際モドキみたいなこともしましたが、ほんと短い間だけでした。ただ、このシューズで上位を狙うことに熱中しました。スパイクシューズに代わるものはここにあったものしかありませんでした。もっとありましたけど、このシューズでいいやと思いました。

 履き心地。スパイクシューズならもっと思いっきりイケたのに‥‥‥。でした。わりと靴を気にしてて、慎重過ぎた部分もありました。

 高跳びで背面飛びを覚えたときでした。高く跳ぶより長く跳ぶ癖がありまして、1年生で覚え始めた時には、落下する際、マットレスからはみ出して、頭から落ちで脳震盪気味になったことが何度かありました。この時、打ち所が悪かったですね。バカは治りませんでした。1年の時は6位入賞がやっとぐらいでした。けれど、怪我の功名と言いますか、頭から落ちたことから、上へ飛んで着地することを自然と身に着きました。(背面飛びは脳震盪が危険です。ハサミ飛びから徐々に覚えてください)それまで勢い任せだったんですが、着地する位置を見つけてからは、成績がぐんと伸びました。それで二年のときは初めての男女交際が出来ました。わかんないけど、成績を上げたからだと僕は思いました。短ったでしたが‥‥‥。

 三年生の普段靴は、ブランド品を多く履いてるなかでは、無名でもテニスシューズがわりと好きで履いていました。検索しても出てこないと思いますけど。そんな時代の中で、軽量を売りにしたのがありました。

https://www.moonstar.co.jp/others/gallery/1980/vol1_jaguar_1.html

『月星ジャガーΣ(シグマ)』ある時期に、この靴を履くようになりました。僕にとってはブランドシューズを履くのは月星が最初でした。(大袈裟にいいますと)

 テニスシューズはやけに好きでいましたが、名のある靴ではこれが気に入っていました。スポーツをする際にはいつも青色を身につけるようにしてました。青は冷静になる効果があると思い、青色を見ることで気持ちを冷静になるようにと自分のアイテムカラーにしてました。

 履き心地もよかったです。しばらく家にありました。

 高校に入ると、中学時代の靴を履くわけにもいかず。勝手な解釈ですが、高校の時はそう思ってました。進学した当初、足元まで目が行き届きませんでした。登下校は指定の革靴を履くようにと言われ、履いて見ましたが、サイズがすぐに合わなくなって歩き難い高校生活から始まりました。

 普段靴は無くて、1年の冬を越すまでは、親父が履いていたサンダルを履いていました。冬をおそらく、月星ジャガーΣ(シグマ)を家から持ってきて履いて過ごしたのかもしれません。それでよく覚えてるんだと思います。

 学校の上履きもすぐにボロボロになって、何度も買い替えないといけないくらいに、だらしなく見える上履きでした。その上履きもなかなか買えない時がありました。学年ごとに色が違うのですが、片方を失くされまして、買えなかったもんですから、落ちて捨ててあった他の学年の上履きを拾って、色違い、サイズ違いの上履きを履いて校内生活をおくったこともあります。足元から変わり者でした。いつ殺されてもおかしくないような高校生活でした。

 3年生も近くなった時でしょうか。下宿生活をやめて、電車通学をするようになりました。ある程度自分のお金を持てるようにもなりました。

 その時に買った靴。仙台市の中央通りに『宝文堂』という本屋さんがあるのです。学校の教科書はそこに行って買っていました。その途中に何軒かの靴屋さんがありました。靴屋さんと言えば、あの辺と僕は思いました。『宝文堂』を目印に靴を探し買いに行きました。気に入った靴が買えました。ブランドは覚えてませんが見た目と履き心地がよかったです。

 半ば、リンチにもあって刺されたり、撲殺されてもおかしくないような、ブロッキングされた僕でしたから。学校内の上履きはどうでもよくなりました。気に入って買った外靴を履いて、土足で校内生活をおくるようになりました。ある時、トイレで用を足してると「それ、いい靴履いてるなーー」と声をかけてきました。クラスメイトのヤンキーのひとりからでした。「どこで買ったんだ?」と言われました。「宝文堂の隣だったかな、その辺‥‥‥」と答えました。「いい靴売ってるんだなーー」と話しが弾みました。「俺、あいつにヤキ入れ、頼まれてよ‥‥‥」と彼から告げられました。名前は「イサミ」というやつでした。喧嘩が強そうで愛嬌のある男でした。トイレで対等に話せたのは最初で最後でした。ちょっと前でしたら半殺しにあうような場所からでした。その以前にちょっとした揉め事がありました。ヤキ入れを何度も頼まれて嫌気がさしたのでしょう。その後に交わした会話でした。

 その後「イサミ」はバイク事故で死にました。3年生になってクラスが別々になってからのことでした。「僕の代わりに死んだんだなーー」と思いました。「いい靴履いてるなーー」と僕に言い残してです。

 高校3年生で僕は一生忘れられない彼女と交際しました。短い間でしたがやっぱり別れなければなりませんでした。

 80年代も終わり、90年代になりました。

 その頃に靴をある時期から意識するようになりました。

 92年だったかな。友人と数人でちびまる子ちゃんの映画を観に行ったことがあるのです。

 91年に西武ライオンズが日本シリーズで優勝しまして、その時に商品券の積み立てで1年が経ちその時の商品券で買ったのが革靴でした。

 

 仙台の西武百貨店で買った靴がこちらで、この靴を履いて友人数人(僕含め3人)で、ちびまるこちゃんの映画を観に行きました。「ちびまるこちゃんはいい」と、同じ感想を持った友人らと映画を観に行きました。「二十歳を過ぎてちびまるこちゃん」とか言いながら、ウケを楽しみつつ何かと遊んだりもしました。お金のない頃から知ってる友人でしたから、僕が積み立てした商品券を使って映画を観ることには、こころよく受け入れてくれました。一定数買い物は終えて、残り2万円ちょいぐらいで気もちょっと大きくなっていたときでした。映画を観たあと、商品券を百貨店のとある場所に置き忘れたことを思い出しました。すでに無くなっていて、サービスコーナーに訪ねても、届てないと言われました。残り2万円分の商品券を失くしてしまいました。友人にはモヤモヤさせてしまいました。

 けれども社交用の靴はそのときから持つようになりました。この靴は社交の場ではよく履いて行きました。普段靴にも履いたりもしましたから、扱いは良くなかったです。かがとを踏んずけたりもしましたし、最初の頃は雑でした。

『SKOAL』というメイカーのもので、すぐにピンとくるようなメーカーのものではありませんでした。西武百貨店で買うというのがあの頃はステータスでした。スコール靴で検索すると、今でもあるみたいですが市場価値は僕は疎いです。

 履き心地はちょっと大きめで重くて気軽には歩けませんでした。ただ、処分できない靴でもあります。今でも十分に履けますし。ただ、状態はほったらかしが多いあまり、ちゃんと磨かずに今回は写真に収めました。

 そして、この靴を履くようになってから今のパートナーと出会うようになりました。

 革靴は痛めないようにと思いまして、スニーカーを求めることにしました。僕が婚活活動を始めた時でした。テニスシューズを求めてスポーツ用品店へ行きました。あの頃あちこちにあった大型スポーツ用品店で買いました。僕の地元にも気軽に行ける用品店でみつけまして、テニスシューズコーナーから、リーボックのスニーカーに決めました。『リーボック』そのブランド価値で購入し、こちらのスニーカーを履いたのが始まりです。

 履き心地は、見た目はちょっと尖った感じもしましたが、サイズは僕にピッタリでした。かがと部分が硬くて、脱ぎ履きにちょっと手間がかかりますが、履いて歩くには何も問題はありませんでした。

 これを履いて結婚報告に旧友に会いに行ったこともございます。『リーボック』を履いてるだけで、ちょっと自慢したくもなりました。

 今のパートナーに出会ってから、この靴と同じ物を履いてくれることに同意してくれました。交際期間と新婚生活はペアールックはちょっと恥ずかしいので、ペアシューズで過ごしました。パートナーのほうは実用的に履いていたので、早くに痛んでしまいました。僕のほうはちょっと黄ばんでますが25年以上前の靴になりました。今でもまだまだ履いて歩けます。黄ばんだ色が気になって履いて歩いてないだけですが、僕なりには大事に下駄箱に置いてます。

 プーマのマークを踏んずけているのが申し訳ないのですが、わざとではないです、というか、わざとかもしれません。ウケねらいです。最近手に入れたので敷きたくなったのです。

 この靴は僕にとっては丈夫で長持ちしました。パートナーには、靴についての説明やお話しはしました。初めての彼女のことも。そして靴で今までのことをふり返ってみました。

 40歳を過ぎてからの知り合いなって会いに行ったときに履いて行った靴がこの靴です。あのとき、選んで買った靴がこんな感じのでした。ブーツではありませんでしたが、今思えはこういう靴を履いてて「いい靴履いてるなーー」と言われました。いくつか他の靴を履いて出かけましたけど、この靴のときが一番しっくりきました。この靴を履いて出かける機会は滅多にありませんが、靴を見て今をふり返るのもいいですね。

 


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アウトロー・ノックノック

2021-05-24 11:23:17 | ノックノック(雑記の宿)

 最近きになったニュースを見てでの僕の思いです。

 各種、同じような報道がありましたが、Twitterをフォローしてるのから埋め込みました。

 見出しを見れば「五輪のために「犠牲を」」とありました。

 僕はIOCに対してはポジティブな印象、感想、意見はあるんです。

 IOCはオリンピック。いわいるスポーツ競技の監督。IOCのバッハ会長が監督なんでしょう。

 JOC。ざっくり言えば選手ですよね。

 監督が五輪のために「犠牲」と言ってます。五輪は、東京五輪だけではありません。次に五輪も控えてます。JOCはそのレギュラー選手のひとりです。

 外国から見れば、日本は野球好きな印象があると思います。金メダルを取ったこともありますし、日本からの要望で野球やソフトボールが復活しました。ですよね。検索すると東京五輪・野球やソフトボールが出できますよね。

 で、考えると、バッハ会長は「犠牲」というのは「犠打」「おくりバント」「スクイズ」みたいなことを言ってるのではないでしょうか。

 じゃ、どうやって次の五輪に繋げたらいいのか、と思いますと、「犠牲バントでアウトになること」

 次の五輪が一塁、もしくは3塁に。冬季五輪かもしれないし、次の夏季五輪かもしれません。

 日本は一周まわってホームに帰りました。そして打席は今、日本の東京五輪です。

 去年のあるはずの大会は見送りました。で、一塁に居たとしてもいいでしょう。その選手をホームに帰す方法が、バッハ会長にはあると思ったのだと、思いました。

 IOCが監督だとすると、日本は犠打を成功させて得点チャンスに塁に進めたほうがいいのではないでしょうか。会場は東京です。知事、政府が審判です。主審は知事だと思います。

 アウトになることです。

 アウト、それは自分たちは塁に出ることを諦めることです。僕は中止になって次のことを考えたほうがいいと思います。

 陸前高田市の高田高校野球部のことを覚えてますか?

コールドゲーム(1988年1回戦 高田-滝川二)

 全国甲子園大会には基本、コールドゲームはありませんでした。9回まで行うのが通常でした。雨天のため試合延期というのがありますが、試合中に中断がかかることはほとんどありませんでした。

 高田高校は9回まで行えず、敗れて帰りました。9回でもやれても、競技会場の状態によってはできないこともあるのです。

 僕はこの試合をテレビで見てました。

 試合中、突然出来なくなってしまったことのほうを選びますか?

 僕はこのような悲劇は嫌です。

 アウトになって次の五輪を進めましょうよ。

 自動車のギアに例えると、今、ローからセカンド、サード、それ以上で走しってるかもしれません。一度、ブレーキを踏んでクラッチを踏んで、ニュートラルからローに戻しませんか?

 セカンドからローにしたときにもエンジンブレーキがかかり、走行が止まります。僕は雪国出身なのでそのエンジンブレーキを重要視してます。

 ブレーキを踏んだだけでも、滑って突っ込んでしまうこともあるんです。

 アウトローしましょうよ。ここは一度。

 バッハ会長の「犠牲」は日大アメフト部の危険タックルのサイン(指示)ではないことを、僕は思いたいです。「犠打」「スクイズ」のサインだと思いたいです。ノックノック

 


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『ヨミガエルガール・ジャスティス』➄Pleasure x Newjack x Civilization

2021-05-20 04:23:43 | ヨミガエルガール・ジャスティス

『ヨミガエルガール・ジャスティス』① OUT OF LIMITS

「わー掛軸」

「どうぞ、ごゆっくりご覧になっていってくださいーー」

「さすがは花見城のお土産屋さんねーー」

「ここの土産物は工芸品が多いんだよ。ほかにも表具とかも扱ってるし。あと、やめられないとまらないアマビエえびんせんだってあるのさ」

「何それ?」

「うちのおかんが作った土産物のお菓子さ」

「へえーー」

「うわーー。これネットで今話題の。ええとーースーパーヒーローレインジマンのコスプレ衣装」

「スーパースターレインジさ。レインジマンじゃないさ。もう、こんなレプリカ品が!」

「このコスプレでインスタグラムにアップするのが流行ってるらしいよ」

「そ、そのようだね。じ、実は‥‥‥」

「レインジマンの何か正体とか知ってるの?。懸賞金まで出てるんだよねーー」

「レインジマンじゃない。スーパースターレインジさ。実は‥‥‥。ちょっと食堂で話そう」

「あたしゲイの方とお食事するの初めてーー」

「そ、そうじゃなくて・・・・・・」

「バイトの空き時間まだあるし、そこで伺うわ」

「実はスーパースターレインジと知り合いなんだ」

「え!ほんとにーー」

「ええ、ほんとさ。動画がアップされたので驚いてるらしい。彼は正義を貫いているだけで正体はごく限られた人にしか教えてないんだ。て、いうか、聞こえてる?なんでこんなかたちでキミと話さなきゃならないんだ!‥‥‥」

「食堂のおばちゃんにこう座って。って言われたから‥‥‥」

「にしても。食堂で客ふたりが背中合わせに食事するのは不自然だよね‥‥‥」

「飛まつ対策でしょ。で、あたしの話し聞いてくれる?」

「な、なに?」

「あたしセックスセラピーの講習会に出てるの。そこの患者さんの彼がね、講習の時に気に入られて、今ストーカーっぽくされてるんだ‥‥‥」

「それは困ったことだ」

「連絡してこないでほしいだけなんだけどねーー」

「そうか。僕からスーパースターレインジに相談してみてもいいか?。その彼の住所を教えてくれないか。スーパースターレインジは正義を貫いてくれるよ」

「ありがとう。ゲイの方と、このようなお話しが出来たのは初めて」

「い、いやーー‥‥‥」

 わたしのお姉さんは花見城のバイトをしつつひとり暮らしを始めた。わたしは美容師になるために専門学校一本に絞った。

「それでは授業を始めます」

 わたしはクスに告白したあと、同棲生活を決意した。お姉さんと両親には猛反対をうけ、膠着状態でいたけど、数日後、お姉さんに花見城のバイトの知らせが入ると、急にわたしの味方になってくれた。お姉さんは人文社会学のカレッジに入り、セックス依存症のセラピー講師を学ぶ傍ら、俳優やタレント業にも興味があった。花見城でバイトがある間はそこで一人暮らをして、それ以外の日は自宅からカレッジに通うことになったことで、わたしのほうの希望がかなった。

 わたしは湧水市の美容師専門学校で同棲生活をしながら勉強を続けた。

「それでは実践に入ります。洗顔、洗髪を実践してみましょう。みなさん交代で洗顔、洗髪をしてもらいましょう」

 両親の心配もわかる。クスには何も持ってないからだ。高校に入って卒業するまでにダルマ落としのように次々と持っていたものがなくなっていった。クスを知るジュニアハイスクール時代の友達も、クスはいつも失くしてしまう人だと、わたしに教えてくれた。幼い時、幼稚園の頃から、引っ越しの繰り返しで、そこにいてはどこかへ消えて行ってしまうと、そこでまた積み上げては失くしていると言っていた。ジュニアハイスクールの3年までにクスはさまざまなことで活躍し、手に入れたものが3年の夏ですべてが消えたと言っていた友達もいた。ハイスクールも地元に残らず、他へ消えて行ったという人もいた。クスがハイスクールの時、初めて学期テストで100点をとり、生まれて初めて全校で1番になったことがあると言っていたのに、ハイスクールを卒業したあとはその成績すら生かされず無駄に消えたようだった。

 わたしたちの関係はゼロからのスタート。わたしはクスの収入を頼りに生活をしていかなければならないのだ。幸い、あの日の晩はわたしは避妊具を持っていた。

「コンドームを持って俺に会ったのか?」

「水裁は女子が多いでしょ。毎年のように保険体育でうざいくらい避妊や避妊具の授業があって。持ち歩くのがあたり前になっていたの。でも、実際に使ったのはクスが初めて。クスに使いたかった‥‥‥スキ‥‥‥」

 わたしの強みは両親が専門学校の学費は払ってくれるということだった。学生生活の間だけといった条件つきではあるが、わたしとクスとの共同生活を許してくれた。でも、クスには何かを失う怖さがあるのだろうか‥‥‥。

「おかえりーー」

「ただいま」

「そろそろその洋服違うのにしてみたら?」

「着心地がいいんだよ。これ」

「わたし、何か仕立てようか。ハイスクールで習ったし。あ、ミシン持ってこなくちゃ」

「急がなくてもいいぜ」

「ねえ。スーパーに寄っていこ」

「あーうん、わかった」

 クスが花見の街から出て行ってしまった。毎朝目が覚めるとそのことが頭を過る。

 ただ単にあの時に会っただけだから。と、着地点で落ち着くと一日が動き出す。

 花見工芸ハイスクールの登下校はハイカラな制服を着て行くが、授業になると作業着に着替える。男子より女子の割合がかなり少なかった。女子は花見工芸分校に多く入るらしい。単に普通科があるからだと聞いた。男子生徒は女子には興味はないのだろうか。わざわざ分校にまでして女子が入る割合を変える必要もないと思うけど、それがこの学校の伝統なのか。まったくわたしには理解できなかった。

 授業はやたら見学が多い。そして寡黙に生徒たちは授業をしていた。

 その日、学校が終わるとルクスが外で待っていた。

「よッ。おつかれ」

「バイトは終わったの?」

「さっきね」

「今晩出かけるところがある。着替えを持って駅前で集合だ」

 

「どこかへ行くの?」

「列車にまず乗って移動する。キミのバイクも移動できるようにしておいてくれ‥‥‥」

「ストーカーにストーカーするなと言いに行く」

「家賃取り立てに来るな!と言うものじゃない」

「そんなことはない。あ、今月の家賃お忘れなく」

「払わなかったら?」

「地の果てまで追いかける」

「居場所はわかるの?」

「ついてこい!。あ、ちょっとまって!グーグルナビをセットしてなかった」

「もう、何度も来たくないからね!」

「きみ!諏方サエさんに付き纏うな。メールを送ったりもするな!」

「誰だお前は?」

「ちょ!こっち来るなよ!来るなってば!!」

「俺は溜まってんだよ。野郎ども見てな!俺の精力絶倫パワーを!」

「ボスが動き出したら止まらないでぜ!!」

「ちょん切ってやるわ!」

「正義を貫くんだ!!」

「ぎゃーー!!この小娘が!!」

「ほーら、これでぐったりよ!!」

 ベーコの炸裂は凄まじかった。瞬時に精力絶倫野郎をぐったりとさせた。

「ボスの代わりにわしらがいただくぜ!」

「そうはさせない。正義を貫くんだ!!」

 一瞬の反撃もさせずにストーカーとその仲間たちを蹴散らせた。それにしても今日のベーコは容赦がなかった。こいつら全員単なる怪我では済まないくらいの、鋭く深くトドメを刺してしまった。

「夜明けになってしまったな。始発の列車までに戻ろう」

「そうね」

「やあーー。お見事でしたよ」

「誰だ?」

「わたしゃー。この辺をパトロールしてたものです。まさか、あの有名なレインジさんにお会いできるとは、じつにラッキーでした」

「だからあなたは誰?って訊いてるじゃない」

「申し遅れました。わたしゃーゆるこまマンと申します。正義のためならなんでもしまっせ」

「ここでただ会っただけじゃない」

「いやーー。ここで会ったのも何かの縁。わたくしとコラボしませんか」

「コラボ?」

「レインジさまに便乗させてくれませんか‥‥‥」

「スーパースターレインジだ」

「わたくしもホームページにアップしますので、ご用事のあるときにはご連絡をください」

「話だけは聞いておく。もうここには用はない。さらばじゃ、ゆるこまマン」

 それから数日後、『ゆるこまマン』のコスプレレプリカと『スーパースターレインジ』のコスプレレプリカが土産物屋に並んだ。サブカル族とサブカル業界の食いつきの速さは尋常じゃなかった。

「よういスタッ!」

「よ、淀?‥‥‥。秀頼を、た、頼むぞ‥‥‥」

「淀にお任せあれ」

「殿下様!。お身体に触ります。お布団へお戻りくださりませ!」

「黙れ三成!」

「殿下」

「わ、わしは‥‥‥ここで・・・・・」

「殿下様ーー」

「夢のまた夢‥‥‥」

「カット!。MJさんクランクアップでーす」

「おつかれさまでしたーー」

「はーい。おつかれさまー」

「MJさん、今後の予定は?」

「はーい。そうねー。次からは天狗になって旅に出ますよーー」

「天狗ですか!」

「天狗シーム。僕の夢ね、だからしばらく巣ごもりするね。客観的に仙人になるよ。はーい」

「キミたちの自由は僕の自由。それではーー天狗で会いましょう」

「おつかれさまでしたーー」

「あ!開いた!」

 わたしはまだ開けていないスマホアプリのパスワード認証の鍵を開けることが出来た。

 そのアプリはメッセンジャーアプリ。アプリが開いた時、書き込まれたメッセージがピンクチーマーのところへ届いた。

「地獄谷めぐりをしてるところだが、なんのようじゃ」

「MJ。ベーコさんをどこへやった」

「ほおー。これはこれは以前、僕をとっ捕まえたキミじゃないか。今日は同じコスチュームの連れがきているようですな‥‥‥」

「隣の彼は旦那。夫婦チーマーよ。そしてエプロン姿のは妹。すでに奥様よ」

「奥様よ。奥様は魔女よ」

「そしてエンタシスマンにMJの居場所を教えてもらったわ」

「なんの用ですか?僕は不起訴だったでしょ」

「あれから警察に話しましたよ。でもね、どう見てもあれは心中だって言うんですよ。計画を企てたことには嘘は申しませんが」

「井戸の中に隠れてて、相手を引きずり下ろすなんてどうしても無理だろってね。はじめから僕も井戸の中で待ってたわけじゃないですからね。井戸の側で隠れてて、その隙に心中したんじゃないか、と、言うもんですからね。警察の判断は、僕は不起訴ということになりました」

「心中に至るいくつもの状況証拠はありましたからね‥‥‥」

「あの幻影怪物はどうしたの?あたしたちははっきり見たわよ。奥様は魔女よ」

「あれはボーカロイドと言いますか、着ぐるみショウを行ったわけですよ。僕たちは常に最新のサブカル技術をキャッチしてはブームを仕掛けていくわけですが、まあ、なかなかヒットしないもんです。今じゃ3DAVやボーカロイドも一般的ですが、僕たちのほうがいち早く便乗してたんですがね。結局、ものになったのはスライド映写会だけでした。まあ。あれは女性限定の地下ライブ劇場で、あなた方を招待してバトルをしたわけです。かつてのヒーローショウのように、僕の師匠が考案したキャラクターを再現したまでのことです。だけど、ベーコはなぜ蘇るんでしょうねーー」

「そのベーコさんをあなたはどうしちゃったわけ?ベーコはいるんでしょ?。教えなさいよ!」

「ベーコならいるでしょ。もとのベーコに戻したいなら、あのミニチュアベーコちゃんを殺せばいいことでしょ‥‥‥」

「そんなことできないわ!もっとほんとうのことがあるんじゃないの?奥様は魔女よ」

「それはあなたたちで調べがついているでしょうよ。僕の口から言えることは、あの骨壺の中身がベーコだよ。クリスチャンの世界では土葬から生き返るってことはまあ、ありえそうなことだけどね。火葬になったものは到底生き返らないじゃないかなーー。この国は火葬が主な国。僕はそこに重きをおいたまでです」

「ベーコさんを戻して!」

「だから言ったでしょ。あ、の、こ、を」

「許さないわ!」

 

 私たちピンクチーマーと奥様は魔女そしてエンタシスマンが加わって、MJと戦ったが私たちに納得が得ることまでには至らなかった。

「わしは仙人になるのじゃーー」

「まて!MJ!」

「追うのは危険、そこはすぐ谷よ」

「MJは傘を使いながら谷底のほうへ逃げて行ったんだ」

「死体遺棄。それだけでも取り押さえる容疑はあるわ。MJを絶対探してみせる」

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➅祈りfeat.


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『ヨミガエルガール・ジャスティス』④TROUBLE

2021-05-17 00:57:26 | ヨミガエルガール・ジャスティス

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➂Canon x Love S.O.S.

「水道代払い終えた」

 4月になり入学式を迎えた。その入学さえ大変だった。あの笑顔(ショウガオ)男が花見工芸ハイスクールの手続きをほとんどやってなかったのだ。おかんに任せっきりとおかんもまた笑顔(ショウガオ)男に任せっきりだった。アパートの契約書だけはちゃんと書かされたが、保証人がいなかったので江川笑顔の、つまり大家である江川家の死んだおとんの姪として契約を結んだ。それが幸いしてか、花見工芸ハイスクールにも定員割れの二次募集、更に定員割れの3次募集で入学ができた。筆記試験は記憶が戻らないわたしは、ほとんど白紙に近い答案用紙で提出したけど花見工芸ハイスクールに合格した。それにしても、二次募集でも定数割れで3次募集とか、どんだけの偏差値なんだろう。学校の生徒は寡黙そうで真面目そうなのに、中身はバカなのか。笑顔(ショウガオ)男を見れば頷けるが。けれど、バイトのセリフ覚えはなぜかいい。謎だらけで4月も終わり、ゴールデンウイークに入った。

 あれからクスとは会う暇がなかった。あの日以降、わたしたちは集合していない。クスの様子を見に行く暇もなかった。というのも、わたしのスマホはパスワード認証だらけでひとつひとつ開くのが大変だった。ピイピイの残高だけは残ってあり、今月はピイピイでなんとか過ごした。他はまだ開けれないアプリが沢山ある。パスワード認証をこじ開けるだけでも何日も経った。わたしの本名、つまり漢字のフルネームが思い出せない。スマホには『ベーコ』というネームはあちこちにあるのに、本名が思い出せないから今難儀している。

 

 「クス!」

「あ、ベーコちゃん!」

「こ、こんばんはーー」

「こんばんはーー」

「今からコンビニですか?」

「いいえ。今から地元に帰る用事があって‥‥‥」

「ふーん。なんの用事ですか?」

「友達のカーナビが故障したみたいで、ちょっと見てくれと電話が入ったんだ」

「へえー。クスさん、カーナビも直せるんだーー」

「いいや、まったく素人だよ。ただ、ちょっと見てくれって言われたぐらいで、直せるかどうかもわからないんだ‥‥‥」

「ゴールデンウイークは何か予定あるのですか、ていうかここ数日何してたんですか?」

「ゴールデンウイーク初日に地元の友達とツーリングに行って。帰って来てから会社に行って。そしたらカーナビが調子悪いってさっき電話があったから。僕のせいとも思ったから、で、行くんだ」

「何度も大変ですね」

「列車が来る時間だから、行くね。じゃーー」

「あ、じゃーー」

 わたしはクスの鎖骨部分を見てキュンっとなってしまった。わたしは鎖骨フェチなのか、こないだ骨壺を持ってきたからなのか、わたしの推しは骨なのかな。部屋に戻ったら骨画像検索して見て見たくなった。

「よおーー」

「やあー。ごめんね、こんな遅くに呼び出しちゃって」

「こないだ、俺何か、いじったかな。どんなふうに調子悪くなった?」

「お姉ちゃんのに乗ってたら、動かなくなって‥‥‥」

「お姉さんの?」

「なんかヤンキーがたむろしてる。ちょっとクスの腕に抱きしめて歩かせてね」

「絡まれたらすぐ逃げるからな。目え合わすなよ‥‥‥」

「う、うん。クスくんがいるから平気」

「よくここまでこれたなーー」

「田舎のゴールデンウイークはやだやだ‥‥‥」

「余計な事‥‥‥」

「これ」

「サイドカーか!」

「これに付いてるカーナビがね、動かなくなって。ミュージックも聴けるんだけど、どうしてかなーー」

「じゃー、ちょっと見せてもらうよ」

「暗くない?違う場所のほうがよかった?」

「うん、ああ、ちょっとなんでだろ‥‥‥。電源がつかないね」

「ペンライトあるよ」

「サンキュー。ちょっと借りるね。あ、なんだ、ここのソケット抜けてるからかーー」

「ソケット?」

「どっかで引っ掛けたんじゃないのか。ここを繋げば‥‥‥。ほら、起動したよ」

「ありがとう。よかったーー。お姉ちゃんに怒られるとこだった」

「それにしてもいいサイドカーだな」

「こないだはツーリングだったからね。ねえ。明日休み?」

「祝日だから休み」

「まだ時間いいでしょ?ドライブ行こ。ひとりでサイドカーはつまんないもん」

「いいよ。俺も運転したかったんだーー」

 

「美容師専門学校は慣れたか?」

「こないだもそんなこと言ってなかった?」

「そうだっだ」

「まだね。始まったばっかりだし。そう言えばさー。お姉さんが花見城のバイトしたいんだって」

「こないだ聞いてたルクスのバイト?」

「うん」

「さあ。ルクスに聞いて見ないと‥‥‥」

「ルリさんも知ってるでしょ?。あの人に聞いてもいいかなーー」

「俺からはルクスに話しておくよ」

「お姉ちゃん。花見で一人暮らしたいんだって」

「お姉さんが‥‥‥」

「もっと飛ばしてーー」

「五月中にもバイト始めたいらしくて」

「カフェか、なんかでバイトしてなかった?」

「今のご時世厳しくて‥‥‥」

「そっか‥‥‥」

「あ、ちょっとヤバい感じの人がいる!」

「頭がヤケに尖がってる!バンドでもやってるのかなーー」

「バンドマンにしては、バイクがなんともヤバいな」

「巻いてーー」

「いぇぇーーい」

「はしゃぐなよ」

「行者渓に行こ‥‥‥」

「あそこ水しぶきが凄いんじゃ」

「いいから行こうよ」

「舟くだりやってないぜ。たぶん」

「こないだ行きそびれた場所あるでしょ?。あそこでちょっと休もうよ。喉が湧いた」

「俺もだな」

「うわー滝すごーい」

「というか、もう服がビショビショだ。ここ、カッパか雨具着て見るところだろ‥‥‥」

「誰もいないね」

「立ち入り禁止の中に入ってきたからな‥‥‥」

「ジュースで酔った」

「おい!洋服脱いでどーすんだよ!。水に入るなよ! 危ないぞ!」

「服が乾くまで‥‥‥」

ザザザザーーーーー!!!!!!!

「だーいすきーー!!」

ザザザザーーーーーーーー!!!!

「えッ!何?」

ザザザザーーーーーーーー!!!!

「クス!!」

「わあーー!!」

 わたしは諏方ココ(スカタココ)。水舎裁縫ハイスクールに通っていたときに、水舎町が地元のクスと知り合った。ハイスクール3年の冬休み、クスのジュニアハイスクール時代の友達と知り合うようになった。わたしはクスのことがひと目で気に入ってしまった。ハイスクールを卒業後、クスにはいろいろなことがあったようで、特に自慢できるような彼ではなかったが、わたしはハイスクールから美容師専門学校に入学してから、新学期を迎えたばかりでわたしはその先はまだわからない。けど、お姉さんがクスに接近していくように思えて、その前にクスにわたしの気持ちを伝えたかった。

「スキ」

「コ!‥‥‥」

「服が濡れてるから。乾くまで一緒にいて‥‥‥」

「ココ」

「寒くないか?」

「ぜんぜん‥‥‥」

 クスが友達のところへ行くと言って出かけた晩。わたしは妙な夢を見た。

 誰かと誰かが抱き合ってる夢だ。

 その男女はわたしには見覚えのないふたりだった。けれど、男性は妙に面影がクスに似ている。ふたりが抱き合ってる時、わたしはとても心地よかった。

 目が覚めて、もう一度同じ夢を見てみたいと二度寝したいくらいな朝を迎えた。そして思い出すのはクスの鎖骨だ‥‥‥。

「MJさまーー。ここにいらっしゃったのですかーー」

「ウクか。営業は捗ってるか」

「今回は釣り番組のロケに行ってまいりました」

「どうせ、餌なし設定のボウズ役だろう」

「さすがMJさま」

「ウクや、次は『こまいぬ』がくる。こまいぬシームじゃ」

「こまいぬ」

「こまいぬはいい。じつにいい」

「はいMJさま。次こそ、こまいぬシームがきますぞ」

「水ヨーヨーシームの時は熱中したなーー」

「はいMJさま。大人買い爆買いしました」

「カニシームがくると思ったのじゃがな。『二日目のカニ』に持っていかれてしまった」

「MJさま。カニシームはMJさまが巻き起こしてなんぼです」

「くやしいなーー。ウク」

「はい。くやしいでございました」

「そこのこまいぬを増やして見せてくれぬか?」

「かしこまりました。MJさま」

「おお、増えとる増えとる。こまいぬが増えとる」

「お見事お見事‥‥‥」

「見事じゃった。こまいぬ」

「MJさま‥‥‥」

「さあ、仕事に戻るぞ」

「ははーー」

 

「おぬし、有名になってるだっちよ」

「何が?」

「スーパースターレインジがネットで話題になってるだっち」

「いつ?」

「ここ最近、単独で行ったちか?」

「ゴールデンウイークの夜の街を歩いて見ただけだけど。これは以前からしてたことだけど」

「動画がアップされてるだっち。人助けしただっちか?」

「つい最近、道端で襲われてる人がいたから。でもいつの間に‥‥‥」

DQX 撮影動画 KAWAGANI DQX 紙芝居magNET 演目アイテム

この動画は株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する著作物を利用しております。また、動画に使用されている楽曲はスギヤマ工房有限会社が権利を所有する著作物です。当該動画の転載・配布は禁止いたします。 (C)2012-2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO

「被害者に名前教えただっちか?」

「訊かれたのでスーパースターレインジと」

「スーパーヒーローになってるだっちよ」

「えーー。でも、僕はヒーローじゃなくてスーパースターさ」

「おつかれさまですーー」

「誰だっち」

「新入りの諏方サエと申します。よろしくお願いします」

「クスとルリさんの知り合いで、こちらはバイトの先輩の曼陀羅ダラ男さんです」

「よろしくだっち」

「僕はルクスです」

「かねがね伺ってます。この頃は有名だそうで」

「えッ!」

「それでは、おつかれさまでした」

「おつかれだっち」

「おつかれさまでしたーー。きれいな方だなーー。もう僕のことも知ってるんだ」

「ルクスは楽屋では、ゲイで有名だっちからな」

「なんだって!!」

「ジェンダー平等だっち。偏見はないだっち。気にするなだっち」

『ヨミガエルガール・ジャスティス』➄Pleasure x Newjack x Civilization

 


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