前回
④ニートクリスマス番外編 日曜日はストレンジャー
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オンラインゲームをやっていると、そこには様々人達と遭遇する。
「あれ、なんか動きとまったね」
「宅配でも来たのかなー」
「ごめんなさい」
「今、幼稚園から電話があって、子供が熱あるみたいで」
「それは大変ですね」
「学校から迎えに来てくださいって言われました」
「それは行ったほうがいいですよ」
「ごめんなさい、せっかくパーティー組んだのに」
「だいじょぶです」「だいじょぶです」
「ごめんなさい。おちます」
「おつかれさまでした」「おつかれさまでした」
・・・・
「今の人、男性だと思ったら、女性だったのね」
「めっちゃ強面な方だったけど、幼稚園で子供が熱だしたって!」
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「あ、電話だ」
「了解」「了解です」
「あの、今日休みだと思ってたら」
「パートの日で」
「え?」「?」
「会社から電話きちゃって」
「こっちはだじょうぶだよ」「だいじょうぶです」
「今日パート休みだと勘違いしてて」
「よくあること」「あるある」
「今からパート行きます」
「おつかれさまでした」「おつかれさまでした」
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時には彼氏の愚痴を聞かされたり
「彼氏が富山の人でさー」
「へー」
「富山めんどいだよねー」
「富山の方じゃないんですか?」
「うん」
「すぐイライラしてさー」
「知らないうちにチップ入れられたんだよね頭に」
「!」「頭にチップ入れるような彼氏と付き合ってるんですか?」
「うん」
「頭にチップ入れるのは問題だと思うよ」
「今度また富山に来いって言ってるんだよねー」
「富山に行かないほうがいいですよ」
・・・・
「あの方大丈夫かな」
「富山より病院に行ったほうがいいかも」
オンラインでは様々な人と遭遇し、繋がっていた。
石野真子 ワンダーブギ
![]() | ワンダー・ブギ |
クリエーター情報なし | |
Victor |
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俺がオンラインゲームに夢中になっていた頃、カノが現れ、カノにお灸をすえられた。
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「めっちゃ熱いんですけど」
「まーだ」
「熱いです」
「お灸だもの」
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「熱いからな、知らないぞ!」
「どうぞ」
「火が付いた」
「熱いだろ?」
「すぐには熱くない」
・・・・
「腰痛はどの辺りだ?」
「あーいい、痛いから触らないで」
「はい」
(腰痛云々言ってたじゃ、ないか)
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「煙が出ないタイプの方がよかったかな?」
「換気扇つけてるから、煙でてもいいけど」
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「煙の出ないタイプのほうがいいよね」
「なんで?」
「寒い」
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「帰るね」
「ああ、ほら、車の鍵」
「ありがと」
「おやすみ」
「おやすみ」
カノは俺の前ではヘラヘラと喋らない。
(以前は調子よく喋っていたのになぜだ・・・)
カノが帰ったあと、少し不安になった。
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不安を忘れさせてくれたのがオンラインゲームだった。
「今夜はここを攻略しようか」
「はい」
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「ここの道具?」
「そうそう」
「了解です」
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「ここにラインを引く」
「はい」
「そしてロープで縛る」
「なんで?」
!!
「冗談」
「ほい」
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彼女は「嫌い」という言葉を使わなかった。俺は先輩風をふかせ、常に上から目線の言葉を発し、時々頭ごなしでチャットを打つと
「その言い方嫌だな」
と、言葉を返し、俺を正気にさせた。
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「嫌い」の一言で終わってしまいそうな態度も、彼女は「嫌い」という急所は打たなかった。そして俺は彼女に魅かれていったのだ。
<ニートクリスマス番外編>
続く
次回
⑥ニートクリスマス番外編 恋のハッピーデート