

百貨店の話と関連して、あるブランド路面店の対応について書いた。あるファッション商品が品切れの時に、別の色を勧められたというエピソードについて。
後から冷静に考えると、以前の物販接客の常識からすると、この店側の対応は間違っていない。顧客を逃してはいけないから品切れなら類似商品を勧める、さらには購入した顧客に関連商品を勧める(わかりやすく言えば、マクドナルドの「ポテトはいかがですか?」)。これにはユニット販売だとか名前がついていたような覚えがある。それとアソート販売(組み合わせ、ギフトなどのセット販売のこと)も推奨されていた。色違いは、ほぼ同じ商品と見なされていたのかも。
昨日、バイオtype-Tのバーガンディーブラウンを買った。最初に行ったビックカメラでは既にこの色は品切れ。何でもこのシリーズは1月末に新製品が発売されるらしく、メーカーで生産をストップしているらしい(2004年秋冬モデルなのに、早すぎるよ、SONY!)。それでもミッドナイトブルーは残っていたが、店員は一言もそちらを勧めなかった。もちろん別のパソコンも勧めない。緊急性があったのはわかっていたから(別のPCを修理に出したので)、1月末まで待てとも言わなかった。この対応を私個人としては好感が持てた(結局、さくらやで買ったが)。パソコンの機能は色違いでも何も変わらないが、SONYがデザインを前面に打ち出してアピールしている以上、色違いは同じ商品ではない。ましてや冒頭のファッションブランド(帽子)の場合は、ベージュがワインレッドになったら、もはや「まったく異なるモノ」と言ってもいい。
比較対象がやや乱暴になるが、最近のマクドナルドの対応も良くなっている。よく行くわけではないので、たまたまかも知れないが、悪名高き「ポテトはいかがですか」などとは絶対に言わないし、単品を買ってもセットを勧めることはしない。そればかりか他店と共有のフードコートで率先して片づけをする、荷物をさりげなく進んで自分から購入商品とまとめてくれるなど、相手や状況に応じた成熟した接客をする人が増えた。とかくファストフードや量販店は接客がマニュアル的だとか、なっていないとか、槍玉にあげられがちだが、実際はそんなに悪くない。