
年末恒例の「頑張った私へのご褒美」の定番の一つは間違いなく『極楽エステでうっとり』ってヤツだと思う。ジュエリーやブランド時計ほど高くなく、ショコラよりはかなり高い。でも何も形には残らない。そういえば最近めっきりエステに行っていない。行かなくなると、「アレってホントに極楽だったの?」と思わなくもない。
高級エステに行く。仰々しい出迎えを受け、ロッカールームに案内される。厚手の高級そうなバスローブに着替えるが、なぜか下着は紙パンツのみ。一見するとオムツカバー。ロッカーを閉めて暗証番号を入力。暗証番号とロッカー№を忘れないようにとちょっぴり緊張。サウナに入る。他のお客さんと居合わせるとちょっと気まずい。無言のままあられもない姿(タオルは巻いているけど)で暑さに耐えて、シャワーを浴びる。体を拭いて、リラクゼーションルームという名の待合室へ。エステティシャンの出迎えを待つ空虚な時間。その後個室に入る。個室ではキレイなおねえさん(私より若いと思うが)と二人きりで、一方的に諸肌をさらす。ボディコースだと本当にきわどい場所以外は、すべて触られると思っていい。ケアそのものは気持ちいいのだけど、たまにやたら話しかける人に当たると、それはそれで結構面倒だったりする。ある人は寝たふりをしてやり過ごすそうだが、大抵は本当に寝てしまう。そしてあっという間(寝ているから)に終わって損をした気持ちになるのだそうだ。
終了後はハーブティと店長クラスのマネージャーが待っている。ここで化粧品を勧められて買ってしまう人も多い。気持ち良かったかどうか尋ねられ(悪かったとは言えない)、気取った世間話を2、3言。着ている服や持っているバッグをムリムリ褒められることも…。次の予約の有無を聞かれ、エレベーターまでお見送り。そこでやっと解放。これって、極楽?
それでも日本はいい。海外だとこれに言葉の壁が立ちはだかる。リゾート地やアジアの街の観光人・日本人慣れしている有名店はまだイイが、ヨーロッパ都市部のエステは最初からこちらも現地語(英語とは限らず)を話せるという前提としか思えない調子で、いろいろなことを聞かれる。これはもはや拷問に近い。ああ、エステって!それでも行ってしまう一種の魔物かも。