タイトルの意味がピンと来る人は少ないと思う。やっぱり今日は日本でスポーツの話題と言えば、イチローの快挙に勝るものなく。タイトルは人名(姓)であり、今日のワールドスポーツニュースを賑わしたであろう人だ。
全米オープンテニス女子シングルの優勝者であり、今期でいえばノーシード。しかも四大大会では29年ぶりと言われるママさん選手の華々しい復活劇だった。
スポーツの世界は、アスリートとしてのフィジカルの問題があるので、一般社会と安易に比較はできないくらい、一度現役を退き、出産した人の復活は難しい。彼女が26歳とまだ若いということを差し引いても、大快挙であることは間違いない。他のスポーツを見渡すと、もっと年齢を重ねた選手でもそういう選手はいなくはない。一番に浮かぶのはマラソンのポーラ・ラドクリフ選手だろうか。
世界を見渡しても超一流選手に限ると、そんなにすごい数のママさん選手がいるわけではないが、一般社会のダイバーシティでさえ遅れていると言われている日本にもパッと思い浮かぶ人が一人いる。柔道の谷亮子さんなのだが、どうも最近国内では分が悪い。一般の人には感情的に悪く言う人も少なくないし、いわゆる競技団体も自分たちが以前実績で不公平に代表選手に選んでおきながら、二度目の出産で休んだ機会になんだかもう代表には選ばないぞという雰囲気を作ってしまっている。ルールに基づいたものであり、若い選手を育てるという意味で一概に否定できないが、偉業や人並み外れた努力への敬意があまり感じられないのが気になる。
スポーツ選手も人気商売の一つと捉え、キャラクター勝負(&見た目)という面もあるとはいえ、ここまでの人を高く評価できないとしたら、平凡な能力の人が集まる職場のダイバーシティの進歩にはあまり期待できない。
まもなくスタートする新たな政権の子育て支援策に反対ではないが、一人ひとりをみればそれだけで教育に十分な費用を得られるわけではない。これだけ一人親が増えているのだから、一方では母親が自立し自ら糧を得られる社会の構造をつくることを考える視点も必要だと思う。