数寄屋橋に東急プラザができると聞き、最初に気になったのは、地下がどうなるのかということでした。
もはや、服や靴なんて決まった店以外ではあまり買わないし、雑貨は昔は銀座に店が少なかったのだけど、最近は東急ハンズもLOFTもでき、ステーショナリーなら伊東屋本店が新しくなったし、供給過多感が否めません。とはいえ、大型店ではない雑貨のショップがテナントとして結構入っていて、悪くはないとは思いましたが。
もっとも、オープン直前には観光客のための施設になるような話もあって、地下食品売り場はできないと思っていましたが、有楽町をよく乗り継ぎ駅として利用する者としては、やっぱり頻繁に利用できる食品の充実には一抹の期待はあったわけです。銀座・有楽町地域は、銀座に三越、松屋の地下食品売り場がある以外は、惣菜とスイーツ中心の充実した食品売り場はありません。有楽町となると、かろうじてルミネ地下の成城石井と1FのDEAN&DELUCAがあるくらいです。
新しいマンションが建ち並び、銀座に近いいわゆる有楽町線沿線湾岸地域にも、スーパーマーケットは数あれど、デパ地下的存在も成城石井や紀ノ国屋のような高級スーパーもありません。豊洲のアオキがそれに近いですが、生鮮とグロサリー(とくに調味料の類)は申し分ありませんが、惣菜がイマイチですから、需要はあると思っています。
実際にオープン後に行ってみると、デパ地下的位置づけのB2Fは、イートイン主体だけど、持ち帰りもできる店が多く出店していました。丸の内のKITTEの地下に近い感じです。
たとえば、こういうことです↓
持って帰っても美味しい、けど、店内で食べてしまった方が楽なメニューですよってことかと。
これなんかは、もっとそんな感じの料理です↓
考えてみれば、今後都心ではこのタイプの方が主流になるかもしれません。というのも、従来型の百貨店の地下食品売り場でも、まるで祭りの屋台のごとく、買った物をその場で食べている人が見受けられます。たいていは外国人観光客なのですが、持って帰っても一般的なホテルでは電子レンジもありませんし、気持ちはわからなくありません。伊勢丹新宿店などでは地下の催事コーナー(テナントが期間限定で入れ替わるエリア)に、仮設のイートインを作って対応しています。催事出店の場合は、作り立てを提供している店が多いので、理にかなっています。
外国人でなくても、一人暮らしや家族と違うものを食べたいという人、近隣の会社勤めの人も、わざわざ家やオフィスに持ち帰って、食卓を整えてから食べるより、外で済ませた方が楽という見方もできます。デパ地下で惣菜を組み合わせて複数買うと、下手な外食より高くもなりますし、弁当の場合はオフィスならまだしも家で食べるのも味気ないものです。
そう思って、私もデリを店でいただきました。遅めのランチ時間でしたが、2時以降なら超人気店あるいは席数が少ない店以外は空いています。そこそこ行列ができていたのは、アイスクリームショップくらいでした。
銀座松坂屋跡地もJ.フロント リテイリング(JV)の事業でありながら、いわゆる百貨店はできないそうで、東急プラザ同様、観光客を意識したものになりそうです。やっぱり百貨店は、デパ地下(食品売り場)も含めて、もはやダウントレンドで再浮上の芽はないのでしょうか。ちょっと寂しいですね。