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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

太田光のススメ

2005-06-18 02:22:11 | テレビ番組
爆笑問題太田光自伝
テレビというものは真実と虚構が入り混じった魑魅魍魎としたもの。テレビに限らず、メディアすべてがそうかもしれない。最近では若貴の確執で話題が持ちきりだが、例えば今週号の週刊文春新潮は、はっきりと対立的立場をつくり、両誌の当話題に対するポジションを明確化している。何が真実という視点はそこにはないように思う。特に商業メディアは、受け手の“常識”にある程度論調を合わせる必要がある。どんなに高尚で立派なコンテンツであっても、観る側・読む側の常識や知識の範疇から明らかに外れたものだと機能しなくなる。

だからテレビタレントも自分の立ち位置を守る。なぜならその立ち位置やキャラが「観る側の常識」として、ある時期から有効に機能し定着するからだ。息長く第一線で活躍を続けるタレントで途中で変化したのは、ビートたけし(北野武)ぐらいで、その他のタレントは、駆け出し時代は別として、ある程度地位を築いてからは大きく変わっていない。所ジョージ、タモリ、さんま、SMAPしかり。

そんな自分のキャラを商品化しているタレントが、たまに素の才能なのか、別の一面なのか、違う顔を見せることがある。

NHK教育テレビの「知るを楽しむ」の太田光(爆笑問題)は、ボケなし、ツッコミなしで、一人で向田邦子を語る。私は向田邦子さんが好きで、そういう意味で「観る側としての常識」も持っている。また、彼自身のテレビドラマや文学への視線、オタク的才覚も垣間見られてこれが笑いなしでもとても面白い。さらに、民放系なのでここまで徹底していないが、爆笑問題(こっちはペア)と眞鍋かをりが作家を招いてわりとマジメにトークをする「爆笑問題のススメ」もいつも観ている。こちらはボケもツッコミも多少あるが、プライムタイムの番組で見せる彼らよりウイットに富んでいて見応えがある。日本テレビ(地方局は別らしい)では、最近曜日と時間が変わり、ますます遅いスタートになったので、欠かさず見るのが大変だが(いつかは別の番組の都合で朝の4時台に押しやられていた)、こういう番組は貴重に思う。

爆笑問題の日本史原論


テレビドラマより映画を観る理由

2005-04-01 20:44:01 | テレビ番組
eiga最近時間が空くと、映画を観に行くようになった。六本木ヒルズ(ヴァージンシネマズ)の空き空き具合に味をしめたこともある。うちからは新宿の映画館が近いが、やっぱり清潔感とか雰囲気で考えると、多少遠くてもシネコンの満足感が高い。

でもそれだけではない。「ホントの数字だったの、席朝族」を紹介していただいたruud’s rootsさんの「テレビの王道、それは昔日の思ひ出…」で朝ドラの低視聴率化が書かれていたが、まさにテレビの連続ドラマというものが、多くの現代人のライフスタイルに合わなくなってきている。記事に書かれていたNHKの朝ドラに関しては、今でも立派過ぎる視聴率だが、民放の連続ドラマに至っては、10%に届かないものも数多くある。むしろテレビドラマ好きの間では、最近は2時間ドラマの人気が高い。

視聴率に一喜一憂することや内容の良し悪しについてはとりあえず置いておいて、マーケティング的には当然の結果。人がテレビという機械を使って、映像を観る時間そのものは、そんなに極端には減っていないと思う。家電量販店の売れ筋は今でもテレビ(レベルアップしているが)だし、一家に1台しかない時代でもない。ビデオ、DVDの時代に何も毎週あるいは毎日同じ時間にテレビの前に座る必要はないし、選択肢が多い中で1つのドラマに関心が集中する現象も異様だ。単に時間の規則性に現代の消費者がはまっていないというだけでない。個人が歩む人生、日々の営みや人間関係が多様化しているなかで、人の感情の動きや思いの最大公約数を捉えざるを得ないテレビドラマの存在感は確実に薄れている。だから今も人気のある作品は、1話完結物と警察や医療の職場を舞台に描いたもの、ミステリーや推理系…。1話完結は連ドラを観ないライフスタイルに起因しているし、それ以外の共通項は、視聴者がなかなか経験できない、視聴者にとっての非現実性があるものばかり。医者以外は医者になることはないし、殺人事件の当事者にもめったになれないもの。

話を戻すと、映画は観たい時に観たいソフトを集中して観られるし、約2時間というのもちょうど良い。でも個人的には、リアリズムも好きだったりする。だからまあ、せめてNHKくらい視聴率は気にしなくていいと思う。視聴率は別に消費者のためのものではない。公共放送だから、というのならなおのこと、誰もが納得できる新しい指標(質を問うような)を開発すれば、少しは下がったイメージも上がるかも。


ホントの数字だったの、席朝族

2005-03-25 23:40:07 | テレビ番組
前から気になっていた。アサヒ飲料「ワンダ」のCFの“席朝族”というヤツ。まあ、根も葉もない数字ではないとは思っていたけど、ちゃんとアンケート調査をしていたらしい。今朝の日経新聞に出ていた。リリースを見ると、朝食が必要だと思っている人はビジネスマンの93%で、61%が「朝食を自宅以外でとることがある」。そして「朝食は会社に着いてから」という“席朝族”が33%もいる。そのほとんどがコンビニで朝食を調達しているらしい。

つくづく現代人の生活って「コンビニ」に依存している。家計消費支出(食品)の割合の推移を見ても、ここ10年間で支出の割合が大幅に増えているのは、惣菜と飲料。早い話、コンビニでよく売れる商品。半面、生鮮食料品の購入比率は下がっている。そりゃそうだ、朝食まで外で食べているのだから。昼食は仕方ないにしても、せめて朝くらい家で食べないと、いつ家で食事をするのだろう。中国とかタイとか、屋台や独自のファストフードが幅を利かせている国や地域では、家庭内での調理をすることが少ないと言われているが、日本も徐々にそうなるのだろうか。

今朝の日経新聞には、“席朝族”に触発され、ファミレスなどが朝食に力を入れ始めるという。朝、時間がないから家で食べないのに、ファミレスで食べるかどうか、かなり疑問だが、どうせ開店しているなら朝食を用意しない手はないということだろう。食の世界、競合が激化している中で、朝食までターゲットにしようということか。

人の胃袋には限界がある。しかも少子化で、食が細くなる高齢者は増えるが、食欲旺盛な若年層は徐々に減っていく。そのなかで食品スーパーはまだ増える見込みだけど、一体何を売るつもりなのだろうか。



NHK受信料へ、主婦の発想

2005-03-23 08:22:45 | テレビ番組
20050322000003003親族が集まった結婚披露宴での会話。
「NHKの受信料、やめたいけれど、引き落としにしているから…」
「解約手続きしているみたいよ」
「窓口で格好悪い」
「通帳ごと解約すれば?」
「それはいい考えね。でも近所の●●さん、NHKの集金員だから、取りに来られたら払わないわけにいかないわ」
「仕方ないわ。スタジオパークのど自慢も観に行ったし、払わないと悪いわ」
そう、NHKはこういう人たちに支えられている。興味深かったのは、この後。
「でももう何十年も真面目に受信料払っているから、何十万円にもなっているはず。こういう人に少しは返してくれてもいいのに。だって不公平じゃない」
あの~、スーパーマーケットのポイントカードじゃないのだから。そんなことしたら、そもそも払うべきという原則が崩れるのでは?
別のオバサンは去年ヨン様が紅白に出演するかも…という噂を聞きつけて、紅白歌合戦を観に行くと張り切っていた。結局応募もしなかったらしい。
「紅白って並大抵の倍率じゃないよ。宝くじが当たるようなもの」と私が言うと、
「でも今年はきっと行けると思う。これだけ受信料払っていない人がいるのだから」(???)
別に紅白は受信料を払わなくても応募できるのでは…。でも確かにせめて受信料拒否世帯の人は外してもいいかも。受信料をちゃんと払っている人にはゴールドカードを出してあげて、優先的に紅白とかのど自慢に呼んであげればいい。本当に参加したくなるような視聴者参加番組を作って、払っている人から募集をすれば良い。公共放送だから、そう簡単なことではないけど、普通のオバサンはそうしてほしいと思っているし、それが当然だと思っているのだから。結局はもはや信頼を取り戻すなんて、きれいごとは通用しないし、誰もそれで問題が解決するとは本当は考えていない。



日曜日の早朝番組

2005-01-22 01:51:23 | テレビ番組
katatu000深夜番組がおもしろいというのはよく話題になるが、早朝番組の脱力感は何とも言えない。平日はニュースやワイドショーと情報番組の中間みたいなものをやっているから、まだいいのだが、日曜日はねえ。

最近気になっているのが、日テレの日曜日5:30の「あなたと日テレ」。大真面目さがかなり変だ。多分やっている人たちも心の中で誰が観ているんだ!バカバカしいと思っているはず。私は観ていますよぉ。仕事をしながら。

いつもカジュアルウェアで偉そうに仕事をしていそうな番組プロデューサーが首を締め付けんばかりにネクタイをして、真正面を見ながらテレビ番組の企画意図を表明したり(この前は『ごくせん』の企画表明で“青春痛快ドラマ(?)”と言っていた)、視聴者からの意見をとり上げたりする。その内容がなかなか笑える。たとえば、こんなのも。

続いては『エンタの神様』に寄せられたご意見をご紹介いたしましょう。

意見:かたつむりの童謡を紹介して、「ツノ出せ、ヤリ出せ、目玉出せ」とありますが、「良く考えると全部同じモノなんだよね。」といっていましたが、カタツムリのツノ、ヤリ、目玉はそれぞれ違うものです。子供が見ている番組ですから、常識の範囲は正確に伝えてください。

というご意見です。
A:ご指摘のように、ツノは小触覚。ヤリは大触覚という器官を指しまして、目玉は大触覚の先端についているもので、厳密にいうと違うんですが。

B:目玉は大触覚の先についているんですか?あれ、触覚なんだ。そうなんですか。これ、ネタですよね。お笑いの。じゃあ、あまり気にすることないですよ。変というか、「これはお笑いのネタでね、本当は違うんだよ」って言って、「大触覚の先端には目玉がついているんだよ、恐いだろ。」ってお父さんが教えてあげると楽しいんじゃないですか?

A:なるほど、それをきっかけにね。

B:コミュニケーションのいい話題にして頂いてね。

A:子供用の参考図鑑とかテレビの脇に置いておくといいですよね。


これで本当にテレビ番組の質があがればいいけど、どう観ても気休めって感じで、それがまた笑える。