英語講師の仕事の息抜き日記

教室や身の回りで起こる、ちょっとした出来事を書き綴ってみました。
あなたの仕事の息抜きにお寄り下さい。

横浜ことば: 英語と日本語の出会い

2005-10-23 11:02:00 | Weblog
Photo:the autumn sky

こんにちは、この日曜日は全国的に晴れているようですね。わたしは午後から横浜の某所において同僚とバーベキューパーティです。

何度か書いていますが、わたしは横浜生まれの横浜育ちです。横浜港から歩いて1分の山下町の病院で産まれています。
今日は横浜港にまつわるお話を。人気ブログランキング

「横浜ことば」ってきいたことありますか? 

19世紀、横浜が開港された後、商売を求めて横浜に来た多くの外国人と横浜の人間の間でかわされた日本語と英語の混ざった言葉です。言語学の言葉で言うとPidginという種類(または段階)に入るものです。

開港後、横浜の商人達は外国人相手に儲けるため、英語を学ぼうとしますが、外国人も日本語を学ぼうと努力していました。この頃の欧米の文献を読むと、「日本では中国の場合とは違い、現地の人間(つまり日本人)がなかなか英語を覚えないので、こっちが現地の言葉(つまり日本語)を覚えなければならない」とぼやいていたりします。

中国人と比べ、日本人は語学の才能が無い、などとも言っていますが、そのおかげで彼等も日本語を覚えようとしたわけで、日本人が外国人と対当に商売をするにはよかったのでは、とわたしは思います。

ただ、当時、両方の言葉を本当に理解できる人はいなかったため、お互いに相手の言葉を話しているつもりで、知らないうちに全然違う新しい言葉を作り出していたわけです。

たとえば、Kameya って「横浜ことば」ではある動物をさしますが、何だと思いますか?




亀ではないですよ。




なんと犬なんです。どうしてだと思いますか?



英語で犬を呼ぶ時の Come here! から来ているのです。
アメリカ人やイギリス人が自分のひざをたたいて "Come here!" と自分のの犬を呼ぶのを見て日本人が  come here -> kameya と聞き取り、「犬はkameyaというのだな」と理解したわけです。そして日本人が犬をさしてkameya, kameyaと言うものだから、外国人は「日本語では犬は kameya というのだな」と解釈したわけです。だから「横浜ことば」では犬は kameya となったわけです。

この時代の横浜について調べると、外国人と日本人がなんとかしてお互いに意思疎通をはかろうとしている様子が伺われます。それは時におかしくもあり、そしてなんともいえないエネルギーを感じます。

今度、横浜港の近くに来ることがありましたら、そんな時代があったことを思い出してみて下さい。

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