2023/11/23
・人生停滞気味の青年野村が、「なにがなくとも幸せになれる」と詠いながら裸踊りをするおじさんと出会い、その運営団体である幸演会に加わることで、濃密な人間関係にもまれながら成長していく話。
・ゴミ袋や檻(おり)を思わせる台が不規則に置かれた舞台、床には主人公を囲うような円。舞台美術が初期の彼の心象風景をそのまま表している。
・主人公のカラフルな衣装も目を引く。アフタートークで話題になっていたけど、様々な人がモザイク状に主人公の人格形成に影響を与えてきたことを思わせる。
・最後には脱いでいたから、人とのかかわりは強みでもあるけど、脱却したいしがらみでもあったのかもしれない。
・狭い演技スペースのなかを七人の登場人物が複雑に動き続ける。自然で無駄のない動きが美しかった。
・スガさんみたいな人はほんと嫌いだし、あんな環境で脚本なんか絶対書きたくないけど、どこか憎めないし、守銭奴だけでは表現しきれない、少しの正論と見栄っ張りな人間性もある。
・現場にいたらダメだけど、客席から見ると味わい深いタイプの人だった。
・野村青年がスガに責められているところ、セリフでは謝りつつ、全く気にしていないどころか、ちょっと挑発気味の表情をしているところが楽しかった。
・それにしても、主人公はあの環境でいつ演技の技術を身に着けたのか気になる。本当に天才だったのか。
・一応脚本を書く人間なので、オーダーに沿った脚本が書けない、書きたくない気持ちは少しわかる。自分の場合は書きたくないということはあまりなくて、ただ書けないだけだけど。
・アフタートークはのと☆えれき。同じ表現する側の人たちでも、立ち位置が少し違うという話がおもしろい。
・野村さんものとえれきも自分もほぼ同じ年代なんだけど、「ここよりもっと自分にふさわしい場所があるはずだ」という思いは、たぶん野村さんが一番強い。
・だからこそ、裸一貫から始められたし、映画に東京進出に、力強く新しいことに踏み出せるんだと思う。
・オパンポン創造社の作品は、観劇三昧の動画とは言え、札幌在住の人の中ではかなり見ているほう。
・なので、最後のシーンは、あのオパンポンダンスの継承の儀を見たような、厳かな気持ちになった。
(11/2119時の回シアターZOO)
※作中の話題にあがっていた短編演劇は動画で見られます(要会員登録、一部有料)
・観劇三昧「さようなら」(舞台)
・prim video「さようなら」(映画)
※社長の貯めこんだ金を奪おうとする話
※卵子と精子のラブコメ
※隕石が落ちてきて地球最後を迎える日
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