遠藤雷太のうろうろブログ

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伊勢朋矢監督『日日芸術』とCINEMA Chupki TABATA

2024-05-27 06:34:22 | 映画を見てきた

2024/5/24

・こちらの映画館は、耳や目が不自由な人も楽しめるユニバーサルシアターとのこと。

・小さい映画館であることは知っていたけど、実際現地に来てみると思っていたよりもかなり小さい。20席。

・どの席にも音声解説用のジャックがある。

・ここに来て普段通りに映画を観ても仕方ないかなと、イヤホンをお借りして音声ガイドのみ鑑賞を試みる。

・映像がなく、音声のみの作品なら、ラジオドラマみたいなものかなという素朴な疑問。

・実際に体験してみると、映像を言葉で説明する音声ガイドと、映像表現自体を想定していないラジオドラマは似て非なるものだった。

・そもそも映画でしか見られない作品は山ほどあるので比較自体あまり意味のないことだった。

・自分は目を閉じていたけど、頭の中には映像が浮かんでいる。中途失明した人はともかく、元々目の見えない人の感じ方をトレースすることはできそうにない。

・でも、映画を見た人と音声ガイドで鑑賞した人が同じ作品のことをちょっと語り合ったりはできる。そのちょっとが大切なんだと思う。

・作品は、若い女優である富田望生が、不思議なメガネをかけることで、様々な芸術活動をする人たちと出会い、成長のきっかけをつかむセミドキュメンタリー。

・幼さの残るヒロインの声とパスカルズの音楽がとてもフィットしていた。

・誰も見たことがないものを表現することが芸術の重要な要素なので、見たものを言葉で説明する音声ガイド鑑賞とは圧倒的に相性が悪かったような気がする。

・始まって数秒でいったん停止。音声ガイド対応の上映ではなかったのでやりなおすとアナウンス。

・視覚障碍のない自分が紛らわしい鑑賞の仕方をしたせいで間違われてしまったかも。申し訳ない。

・私の誕生月なのでジュースをくれたり、アフタートークの無い日なのにアフタートークのアナウンスをしていたり、おちゃめな映画館だった。

・「自分の踊り方で踊ればいいんだ」という言葉が彼女の血肉になっていく様子が感動的ではあるけど、世の中それだけじゃ駄目だということは無数にある。

・そのあたりきれいごとにしないために、どのようなことに注意したのか、しなかったのかということを監督に聞いてみたかった。

・当たり前だけど、双極性障害のかたや七十代から創作をはじめたおじいさんなど、「見たい!」と思える作品を製作されている方がたくさんいた。

・なので、結局帰りにパンフを購入した。折り葉と一筆書き絵の精密さがえぐい。


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