2024/6/14
プロレスラー、男色ディーノの半生をビジネス書の体裁でまとめた本。
商品としての自分を分析したり、自身の商品価値が上がることになった出来事や、観客からいただいたクレームの紹介と、執拗にビジネス書っぽい形式にこだわっている。
構成の都合でそうしているのもあるけど、素でそういうことを書くことへの照れもありそう。
そもそもプロレスラーなのに、こんなテクニカルな書き方で一冊作れてしまうのがすごい。
「価値のズラし」という考え方。プロレスである以上、勝敗が本筋なのは当然として、他の軸を設けて見せ場を作る。
演劇でも映画でも大体面白い作品は複数の軸で楽しめるものだけど、プロレスにその考え方を応用している。
ゲイに対するクレームとそのリアクションは、全肯定にしにくい部分もあり、思考を求められる。
ただ、クレーマーからも名前を間違えられる宮下あきら先生はたしかにかわいそうだと思う。