2020/1/25
・参加中学は8校。各校、初日2日目で演目を変えて30分程度の作品を2作品上演する(あいの里東は初日のみ)。
・当日の昼ごろに公演の存在を知って後半4作品のみ見た。
開成中等教育学校『合格ラインがやってきた』
・恋人どうしの59点と60点の間に合格ラインが現れて二人の仲が引き裂かれる話。
・点数の擬人化というパンチの効いた設定。0点と100点の仲がいいというちょっとした哲学。
・既成の本で45~55分想定。終盤カットしても不条理としてギリギリ成立している。後味の悪さも味。
・59点の憑依型の演技。熱演で崩れないのは大事。今後も演劇続けてくれそうかなと勝手に期待。
あいの里東中学校『かごめかごめ』
・百物語を終わらせた人が後ろの正面に取り込まれる話。
・率直に話が怖い。中学生がやる話なのかなとは思いつつも、作品としての完成度は一番高い。
・観客に後ろを振り向かせる演出や、音の響きも計算に入れた言葉の繰り返しも効果的。
・それなりに大人の手も感じられるけど、例えば知らん顔して大阪の30GPに参加したら、質的に結構いい勝負できると思う(人数的には難しくても)。
中央中学校『要求は金のエンゼルと…』
・立てこもりの強盗が人質と引き換えにしょうもない要求をする話。
・肩の力を抜いて見られる定番設定。規定演技だからこそ、発声や体の使い方、会話スキルのような演者の基本性能が問われる。
・ノイズの少ない警部役の演技が映える。
・細かい部分はともかく、きちんと客席に笑いが起きていたので、この演目の一番大事な部分はクリアしていたと思う。
札幌札苗北中学校『伝えたい、』
・演劇部の発表会直前、一番やる気のあった部長が交通事故死してしまう話。
・やる気のない時期の演技とやる気が出てからの演技を両方並べる見せ方。
・演技力が問われる仕掛けに挑戦するだけあって、みんな演技が見やすい。
・そのぶん、講評でも指摘されていた、照明の加減で表情が見えにくくなっていたのがホント残念。
・元々20~30分の想定だけど、ちょっとダイジェストっぽく見える。もう少し時間使ってじっくり見たい話だったかも。
・初日閉会式の立川佳吾くんによる全校一気講評は、ちょっとしたボーナストラックだった。
潤色もありますが、下記脚本がWEB上でも読めます。
・びぶ屋大本堂 『合格ラインがやってきた』(作:加藤のりや)
・はりこのトラのあな『かごめかごめ』(作:木野意多)
・シアターリーグ『伝えたい、』(作:高橋和生)
※『要求は金のエンゼルと・・・』(作:ひばら)は、
「はりこのトラのあな」出典とのことですが現在は掲載が確認できませんでした。