2025/4/10
《あらすじ》
ラスコが部屋にいると、女中のナスターシャが様子を見に来て、母親からの手紙を渡す。
母親からの手紙には、ラスコの妹ドーネチカが家庭教師先で雇い主スヴィドリガイロフからのセクハラと、その妻に疑われ苦しんでいたこと、濡れ衣が晴れたこと、ルージンという実務家と婚約することが書かれていた。
ラスコは、ルージンの描写から彼の卑劣さを感じ、破断させる決意をするが、一方で自身の無力さを感じる。
往来に出たラスコは、男に乱暴されたと思われる少女を助けたが、巡査にウザがらみして困惑させてしまう。
彼は大学時代の旧友ラズーミヒンを訪ねようかと思う。
・一昔前の大学生ってこんな生活だったなという感じがする。親の期待を背負って都会に出てきたはいいけど、身になることは何もできず、毎日寝てばかり。
・一昔前の大学生って書いたけど、自分のことだった。つい一般化してしまった。
・ラスコは、仕事をしろというナスターシャに対して、「考えるという仕事をしている」と返す。本当にどうしようもない。動け。働け。
・金を借りるために、年金を受け取る権利を譲った母親。そして、ラスコに金を送る。やりすぎ。
・ラスコもわりと他人に金を渡しがちだし、似たもの親子なのかもしれない。
・母親にとってのラスコは「性急」「気短か」。本作の登場人物はやたらと怒っているが、主人公も最も顕著。
・ラスコの施しからも落語要素を感じるが暗い。
・「あくぞもくぞ」のような初めて見る単語が結構出てくる。本訳は、会話文に方言風の言い回しが使われているので、余計わからない。
・マルメ「人間は行くところがなくちゃ駄目」。この人の言っていること、泥酔してなきゃ説得力あるのに。
・ラスコは妹の将来にソーネチカを重ねている。似たような女性を二人出す意味はこういう重ね方をするためか。
・明らかにスヴィはドーネチカにセクハラしている。三浦しをんさんは、本当に彼でいいのか。
・こちらの訳ではラズミーヒンではなくラズーミヒン。
・学生時代、ラズは得体のしれない仕事をしていた。ラスコは尊敬はされるものの、好かれなかった。たしかに大学生のころ、実際にそういう人たちいたような気がする。