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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

演劇集団es『結婚パンチ』

2018-04-18 23:37:01 | 観劇三昧

感激三昧:演劇集団es『結婚パンチ』

2018/4/18

結婚式中に、新婦の旧友や元カレが暴れる話。

10分ちょっとの小品。

時間的にも作品的にも、肩の力の抜いてみることができる。

こういう小回りの利く小品を持っていると劇団としては活動しやすくなりそう。

ただ、コンパクトにまとめすぎて、舞台俳優にしろ、お金持ちにしろ、見た目はかわいいのに性格の悪い女にしろ、いろいろステレオタイプになってしまっているので、見ていてちょっとハラハラする。

旧友がそこら中の人をぶん殴りだした時点で、花嫁が過去にどんな悪いことをしたかよりも、現在進行形で傷害罪なので、すぐに止めようとしなかった式場のスタッフは責任を取らされて当然だと思う。

10分の中で展開を追ってキャラ付けをするのは難しかったのかも。ここまで短いとかえって大変。

ボディブロー、もっとよく見たかった。

会場は劇場っぽくないように見えた。どんなところだったんだろう。

■作品情報(観劇三昧HPより引用)

公演時期 2017/09/24
上演時間 00:11:04
出演者:演劇集団es
スタッフ :演劇集団es

あらすじ
ある結婚披露宴会場で物語は始まります。
お金持ちの新郎、そして若い新婦の新しい人生のスタートは順調に思えました。
しかし、酔っぱらいの友人と突然の訪問者により、波乱の幕開けとなります。
悲劇であり、喜劇である超短編です♪

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演劇組織 KIMYO『アドア』

2018-04-16 23:47:39 | 観劇三昧

観劇三昧:演劇組織 KIMYO『アドア』

2018/4/16

水道修理業者の二人が、リズムに乗りながら、あるバイク事故の経緯を探る話。

台詞がおおよそ五七調。

要するに、四人の役者が常にオリエンタルラジオの武勇伝のようで若干違うリズムで会話と語りをこなしきる。

20分ちょっとの上演時間は、演劇として考えれば短いけど、リズム芸で押し切るには相当長い。

男二人から男女四人になって、急に声の種類が広がったり、足音、物を置く音、茶をすする音、あの手この手でリズムを取ってくる。

稽古は大変そうだけど楽しそう。

そして本番は、ただただ大変そう。

台詞ミスったら台無しなので、ライブの緊張感で見れたら、より楽しかったと思う。

一作品まるまるリズムで押し切るというコンセプト自体は、わりと思いつきやすいと思うけど、実際に作品として仕上げるのはとても難しい。

見せたいことがはっきり伝わる、わかりやすい労作だった。

■作品情報(観劇三昧HPから引用)

公演時期 2014/1/10
上演時間 00:22:11

出演者
宮谷達也
山本一樹
元山未奈美
七瀬京子

スタッフ
作・演出:宮谷達也
舞台監督・舞台美術:岡田保
照明:瀧泉千尋(Rose et Noir)
音響・音楽:エスパー渡辺
制作:山本一樹
大道具製作:かすがい創造庫
宣伝美術:チーム㎡

■あらすじ
演劇組織KIMYO Project“NICK”vol.3
「くしゃみ」より短編『アドア』

リズムに乗ってお届けします。あの日の真相。あの日の真実。約22分のリズム芝居。観終わった後、このリズムが頭から離れない。
“どん、ち、どん、どん、ち”

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うさぎストライプ『いないかもしれない 動ver.』

2018-04-15 22:53:13 | 観劇三昧

観劇三昧:うさぎストライプ『いないかもしれない 動ver.』

2018/4/15

同窓会に集まった人たちの思い出話。

同窓会というよりグループセラピーっぽい。

そして、エピソードトークがいちいち重い。重いし、繰り返している。

こういう表現なのに、役者名をほとんどそのまま役にしているのは大丈夫なんだろうか。

最初のほうのシーンでいきなり乱交が始まったのかと思ったけど見る作品の順番を間違えただけ。

常にシアターゲームっぽい動きをしながら、台詞をまわしていく。

とにかく意識の分散のさせ方が徹底している。

「まるで世界はパラレル」というのは、わりと直接的なテーマの発露のような気がする。

スローで拳を振り上げるシーンが美しすぎて笑ってしまう。このシーンを誰かに油絵で描いてほしい。

ランドセルの使い方の感じ悪い感じと、飲み会の終わりの雰囲気が好き。

ぐちゃぐちゃに化膿した傷をきれいな色紙でラッピングしたような作品だった。

※静ver.も気になる。

■作品情報(観劇三昧HPからの引用)

公演時期 2012/6/12
上演時間 00:59:24

出演
小瀧万梨子(青年団・うさぎストライプ)
亀山浩史(うさぎストライプ)
盛岡望(青年団)
緑川文絵(青年団)
由かほる(青年団)
安倍健太郎(青年団)

スタッフ
作・演出:大池容子(青年団演出部・うさぎストライプ)
照明・舞台監督:黒太剛亮 ※くろたたかあき
音響:植木麻衣子
制作・ドラマターグ:金澤昭(青年団制作部・うさぎストライプ)
宣伝美術・プランディング:西泰宏(うさぎストライプ)
映像制作:UISHAAAWORKS
企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
総合プロデューサー:平田オリザ

あらすじ
かつて教室の隅っこにいた人たちのウジウジした過去と現在を描いた『いないかもしれない』。
青年団若手自主企画vol.53・54大池企画として、異なる二つの演出で上演された「いないかもしれない二部作」より、初期のうさぎストライプの集大成となった「動ver.」をご覧ください。
地獄のような同窓会に来てしまった人たちの、過去と現在をお楽しみいただければ幸いです。

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うさぎストライプ『学級崩壊』

2018-04-13 23:05:21 | 観劇三昧

観劇三昧:うさぎストライプ『学級崩壊』

2018/4/13

噛み合わない人間関係(主に男女)を描いた話。

それ以上のことはよくわからず。

不条理には、構図をズラしている見え方と、構図自体を持たないような見え方があるけど、本作は後者。

一応、教室っぽい見た目で、学級崩壊っぽい動きをしているんだけど、台詞と関連性はあまりない。

よく演技にするために、無関係な動作で意識を分散させながら台詞を言ってもらうやり方があるけど、終始そんな感じ。

前に見た二作品と同様、動きと音楽の組み合わせが滑らかで気持ちいいんだけど、言葉のほうがなかなか頭に入ってこない。

下敷きにしているというイヨネスコの『犀』について検索してみると、言葉への不信感がテーマのひとつらしいので、頭に入ってこなくて正解なのかもしれない。

紙くず投げつけあうところはちょっと不快なところも含めて好み。

ある日「ああ、この作品はそういうことだったのか」と気付く日が来るのかも。

■作品情報(観劇三昧HP)

劇団名:うさぎストライプ

公演時期 2014/05/01
上演時間 00:54:05
地域:関東

出演者:
亀山浩史(うさぎストライプ)/水野 拓(青年団)
井上みなみ(青年団)/斉藤マッチュ/湯口光穂/石川彰子/竜史(20歳の国)

スタッフ :
作・演出:大池容子(うさぎストライプ)

照明:黒太剛亮(黒猿)/照明操作:赤間和夏/音響:角田里枝/制作:金澤昭(うさぎストライプ・青年団)/宣伝美術:西泰宏(うさぎストライプ)/総合プロデューサー:平田オリザ/技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)/制作協力:木元太郎(アゴラ企画)/企画制作:うさぎストライプ/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場/主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場/協力:黒猿/青年団/(有)レトル

あらすじ
その病気に感染すると、犀のように皮膚が硬くなり、やがて動けなくなってしまう。アトリエ春風舎10周年記念企画「うさぎストライプと20歳の国」で、20歳の国『Don't Be a Stranger!』と二本立てで上演された作品。イヨネスコの不条理劇『犀』を下敷きに、セックスによって人々が犀に“感染”していく世界で、好きな人に触れたいと願い続ける人々の思いを、多彩な俳優を迎えて描きます。

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うさぎストライプ『わかば』

2018-04-12 23:13:44 | 観劇三昧

2018/4/12

妻わかばの帰りを待つ夫と、妻の妹ふたばが共同生活する話。

オープニングの光の変化、曲、声、ノイズの組み合わせ方がとても気持ちいい。

そして、どのシーンも絵としてきれい。

夫は赤いハイヒールを履き、上半身を縄でぐるぐる巻き、不在の妻の言いつけを守って毎日社交ダンスの練習をする。

わかりやすく縛られた存在。

妹は、姉の不在をいいことに姉の夫と共同生活を始める。

就職活動がうまくいかなくても、好きな人に暴力を振るわれてもほとんど声がかげらない。

ほれたものの弱みが強みに逆転するところには狂気も感じるしかなり回り道しているけど、基本的にはポジティブな話だと思う。ベッドの下は気になるけど。

最後にはちゃんとそれぞれ一人前の食事ができている。

一人未満の二人がくっついて、三人になる話を、理に落とさずふわっと見せている。

■作品情報(歓迎三昧HP)

劇団名:うさぎストライプ

公演時期 2016/05/01
上演時間 01:11:29
地域:関東

出演者:
亀山浩史(うさぎストライプ)/菊池佳南(うさぎストライプ)

スタッフ :
作・演出:大池容子(うさぎストライプ)

照明:黒太剛亮(黒猿)/音響:角田里枝(Paddy Field)/制作・ドラマターグ:金澤昭(うさぎストライプ・青年団)/宣伝美術:西泰宏(うさぎストライプ)/映像制作:白浜哲/総合プロデューサー:平田オリザ/技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)/制作協力:木元太郎(アゴラ企画)/企画制作:うさぎストライプ/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場/主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場/協力:黒猿/Paddy Field/青年団/(有)レトル
助成:平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

あらすじ
死ぬほどに幸せだった、バラ色の人生。煙草の銘柄をタイトルにした「大人になれない大人のためのうさぎストライプ」シリーズ第二弾。赤いハイヒールを履いて、ロープで縛られながら生活している高瀬は妻・わかばの言いつけを守って毎日社交ダンスの練習をしている。わかばの妹・ふたばは、姉が失踪したことをきっかけに、わかばの「代わり」になろうとする。捻じ曲がった夫婦の形を描く、うさぎストライプの二人芝居です。

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芝居処味一番『ラーメン』

2018-04-10 22:42:26 | 観劇三昧

観劇三昧:芝居処味一番『ラーメン』
2018/4/10

先輩がオンボロアパートの一室に後輩を集めて麻雀を始める話。

序盤ずっと三人で麻雀をしている。

食べる演技は難しいとよく聞くけど、麻雀のほうが難しいような気がする。

実際、麻雀シーンのある演劇作品は初めて見た。ほかにもあるのかな。

脚本的に誰が何の話をしてどのタイミングであがるか指定されているように見えるので、自然な流れであがりに持っていくくだりは結構な段取り地獄だと思う。

牌を積む前に三人でジャラジャラ混ぜている。

客席が近いので配牌も見えそうだけどどうやって処理したんだろう。角度的に大丈夫なのかな。

その麻雀をする三人の会話の安定感。

何も面白いことを言ってなくても緊張感が途切れない。題材に麻雀を持ち込むくらいだから、相当腕に自信があるんだと思う。

どうやって作ったのかが気になる作品だった。

■作品情報(観劇三昧HP)

劇団名:芝居処味一番
公演時期:2009/12/16
地域:関西

出演者:
板としあき/置名渓吾/勝山修平/浅倉サキ/峯毛/南勇樹

スタッフ :
作・演出:南勇樹
舞台監督:hige(BS-Ⅱ)/舞台美術:hige(BS-Ⅱ)/照明:牟田耕一郎(劇団ママコア)/音響:須川忠俊(ALTERNAIT)/宣伝美術:橘ユウスケ/制作:薬丸裕生

あらすじ舞台上にはこたつ。
それに散乱した漫画。
どっからどうみてもダメな感じの部屋です。
まさに我が家のよう。
そんな部屋でなんだかいろいろします。
いや、そんなにいろいろはしませんが、何かあります。

この部屋で何があるのか?
想像してみてください。
どんなことも起こる可能性がありそうですよね?
いろいろ思いながら見てもらいたい。
そんな芝居です。

■配役(本編エンドロールより)

黒田先輩:板としあき(劇団新上舞)
田辺士:置名渓吾(イズム)
川崎彬:勝山修平(彗星マジック)
森下朱里:浅倉サキ(劇団アクスピ)
森下賢司:峯毛
ケンジ:南勇樹

<追記>ブログを観ると、置名さんと勝山さんの配役が逆のようです。確認は各自でお願いします。 

 

 

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オパンポン創造社『オパンポン★ナイト〜だから、イトオシイ〜大阪凱旋公演』

2018-04-08 09:45:53 | 観劇三昧

観劇三昧:オパンポン創造社『オパンポン★ナイト〜だから、イトオシイ〜大阪凱旋公演』

2018/4/7

・一人芝居、二人芝居、三人芝居で三作品というきれいな構成。

『交響曲第九番 ~天国と地獄~』

・一人一役の会話形式。

・父親と一緒に事故死した男が、天国か地獄に送られる前の待合室で、最後の悪あがきをする話。

・設定自体はとてもよくあるタイプ。

・演者の野村有志さんのヤカラ演技が耳に気持ちいい。

・過去作からどうしても裸の印象が強いけど、語りの臨場感やマイムの的確さなど、一人芝居の基本スキルの高さをしっかり堪能できる。

・椅子を並べただけの装置が秀逸。利用されていない椅子が意味を持つので、一人芝居にありがちな空間がスカスカする問題を回避している。

・「アメとムチ」とは言うけど、状況によってはアメがムチにもなるし、ムチがアメにもなるという話だった。

『ストラーーイクッ!!』

・精子と卵子の二人芝居。

・正直、設定からどうかしている。

・いい話を見た後の裸体。ほっとする。

・耳で笑った。なんであのくだりを入れたんだろう。役作りかな。

・しゃべくり漫才という言葉はあるけど、しゃべくり演劇という感じ。お互いに言いたいこと言い合っているので、会話劇の中でも異端だと思う。滑舌もすごい。

・多少会話が噛み合ってなくても、卵子と精子だからで済むし、男女の話の噛み合わなさをこういう形式で表現するのも斬新。

・卵子をかわいいと思うのは初めてだし、これからの人生で二度とないと思う。

『最後の晩餐』

・地球最後の日、倦怠期の夫婦と豚野郎の三人芝居。

に同じ演目を見てた。二回目もゲラゲラ笑いながら見る。

・あやめという古風な名前が地味に面白い。

・「完璧なんて、どちらかがガマンしてるに決まってるでしょ!」

・卵子と女王様の役で両方かわいいのがすごい。

・特にエムっ気はないほうだけど、あんな女王様ならぶたれてみたい。

 

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:オパンポン創造社
公演時期:2018/12/09
地域:関西
出演者:
野村有志/緒方ちか(ECHOES)/川添公ニ(テノヒラサイズ)
スタッフ :
作・演出・出演:野村有志
舞台監督:堀田誠(CQ)/音響:須川忠俊(ALTERNAIT)/照明:根来直義(Top.gear)/舞台映像:赤星マサノリ(sunday)/宣伝美術:勝山修平(彗星マジック)/映像収録:武信貴行(SP水曜劇場/観劇三昧)/舞台写真:河西沙織(劇団壱劇屋)/制作協力:徳永のぞみ
全創造:オパンポン創造社

あらすじ

2017年6月末、東京下北沢で行われたルナティック演劇祭にて【優勝・最優秀脚本賞・最優秀俳優賞(三人同時受賞)・グレート義太夫賞】を受賞した作品が大阪凱旋。
オパンポン創造社がお贈りする傑作選。

■交響曲第九番〜天国と地獄〜
気付くとここに居た。手元には「九番」と書かれた札。謝り続ける親父と共に迎えた終わりのはじまり。(2016初演/一人芝居)
出演:野村有志
■ストラーーイクッ!!
アナタが来るのを待っていました。
それでは、面接をはじめます。
誰もが過ぎ行くこの部屋で。(2010初演/二人芝居)
出演:野村有志/緒方ちか
■最後の晩餐
地球最後の日、愛する人に会いに行くと、愛する人は浮気をしておりました。(2016初演/三人芝居)
出演:野村有志/緒方ちか/川添公ニ

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空宙空地「短篇集『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』DISC1ほか」

2018-04-05 00:24:31 | 観劇三昧

観劇三昧:空宙空地「短篇集『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』DISC1ほか」

2018/4/4

・20分くらいの短編二人芝居三作品と30分くらいの一人芝居一作品の短編集。

『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』

・夫婦の二人芝居。夫が、死に行く妻に走馬灯を見せる話。

・妻の期待に沿うような人生の名シーンがなくて、見れば見るほど夫のめんどくささだけが前面に出てくる。

・たしかにカレーにレーズンはいやだけど、それでバランスは取れるような関係でもない。

・おそらく、男目線で見れば「いい話」という終わり方だけど、女目線なら「死ぬ直前まで気を使わせてるんじゃねえよ」になる。

・当然、さかのぼって「なんで結婚したんだ」という疑問が出てくるけど、「だから結婚したんだ」と明確に回答できる夫婦なんて、実際にはそんなにいないのかもしれない。

『ずるずるひやむぎ』

・父親の遺品整理の合間に、姉妹がひやむぎを食べながら両親の思い出を語り合う話。

・稽古期間も含めて気が遠くなるような量のひやむぎをたべたのではないかと予想。

・「ひとつの物に相反する二重の意味を持たせる」という定番の型を自然に使いこなしているところが脚本家の腕。

『サプライズ』

・フラッシュモブの結果、プロポーズに失敗した男が、あきらめきれず、あらためて女に結婚を迫る話。

・一話目の「ふたり~」がそのまま若返った感じ。

・ただ、この名シーンがあの走馬灯に出てこないはずはないので、やはり別の二人なんだと思う。

・彼のダンス自体が面白いのと、「公衆の面前でこんなことされたらそりゃあオッケー出せねえわ」という両面から面白くてゲラゲラ笑う。

『如水』

・一回ライブで見ている作品。

・話の全体像を知ってから見たほうが面白いかも。

・何の違和感もなく時制変化も二役もこなすおぐりまさこさんがやっぱりすごいし、寄木細工のように細やかにエピソードを組み立てた脚本の関戸哲也さんもすごい。

・不用意に時制を切り替える作品は多いけど、「ふたり、~」含め、時制の切り替えでリズムを作るのがうまい。

・ちゃんと作品の質を評価して、応援してくれる白瀧酒造さんの懐の深さ。みんな商品買ったらいいと思う。

白瀧酒造 ロック酒の上善如水 純米 瓶 箱入 720ml
クリエーター情報なし
白瀧酒造

作品情報(観劇三昧HP)

劇団名:空宙空地
公演時期:2017/11/12
地域:関西

出演者:
『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常/Bバージョン』
出演:山形龍平(タツノオトシドコロ)/大野ナツコ
『ずるずるひやむぎ』
出演:おぐりまさこ(空宙空地)/大野ナツコ
『サプライズ』
出演:山形龍平/大野ナツコ
『如水』
出演:おぐりまさこ

スタッフ :
作・演出:関戸哲也
舞台監督・音響:平岡希樹/照明:高山皐月(高山一族)・長坂有紗(愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」)/音楽:いちろー(廃墟文藝部)/制作:油田晃/宣伝美術:studio maco/協力:(有)現場サイド/プロデューサー:おぐりまさこ/主催:空宙空地(津公演・大阪公演・名古屋公演)/東京公演主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
<津公演>
共催:津あけぼの座・特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ
<東京公演>
芸術総監督:平田オリザ/技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)/制作協力:木元太郎(アゴラ企画)/企画制作:空宙空地・(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

あらすじ「笑っちゃうほど滑稽で、泣いちゃうぐらい いとおしい。」というコピーを軸に描く、
「さまざまなカタチの愛情」がテーマのオムニバス。
約90分のシニカルヒューマンコメディを4作ずつ、2つのセットにしました。
このDISC1には、全国各地で話題をさらった一人芝居「如水」も収録。

『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常/Bバージョン』
走馬灯ってどんなんだっけ?あれ?これが走馬灯?
あなたが覚えてるのって、そんなことだけ!?
あんなに一緒にいたのに。
駆け巡る日常。届かない想いが届くとき…。

『ずるずるひやむぎ』
忘れたくても忘れられないこと、
忘れてた、忘れたくないこと。
とある姉妹と、家族の記憶の物語。

『サプライズ』
ドライブ感満載のジェットコースターヒューマンコメディ。
一組の男女の運命を分ける、
今日が、半年前から練った、その大事な日だから。

『如水』
認知症を患う母親の半生と、その娘の独白を
鮮やかに紡ぐ一人芝居。
母娘の哀歓全てが、観客の心を掴んで離さない。

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90年会『第1話【僕らだって、ヒーローだ】』

2018-03-29 00:47:16 | 観劇三昧

観劇三昧:90年会『第1話【僕らだって、ヒーローだ】』

2018/3/28

予定していた演目が本番2週間前にできなくなってしまい、演目を変えてなんとか公演を遂行しようとする話。

実際に起こった出来事を、再構成して演劇作品の形にしている。

「トラブルをプラスに変える」とはよく聞くけど、そもそもトラブルはないほうがいいし、基本的には被害を最小限にするための精神論に過ぎないと思う。

それでも、劇中劇を多用したり、演技のメリハリだったり、個々の仲良し感だったり、悲壮感の漂わないギリギリのところを狙っている。

時間の制約がある以上、どこまでやるか、やれるかの判断はホントに難しいので、よくここまで組み立てたなという印象。

出田英人さんが普通の爽やかなお兄さんで大いに戸惑う。曹操。

脚本家どうしが書いたもの見せっこしているのは有効そうだし、脚本書けないときの泥のような雰囲気にも、とても共感してしまった。

役者さんはみんな魅力的なので、変化球ではない次の公演が楽しみ。

※ゴタカと楽ちゃんと三戸部くんがいた(他人の空似)。

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:90年会

公演時期 2018/03/18
上演時間 01:15:23
地域:関西

出演者:
池永百花/出田英人(劇団ZTON)/大牧ぽるん(激団しろっとそん)/木下航(熊の宅急便企画)/坂元恭平(ProductionDayze)/前田郁恵(劇団ZTON)

スタッフ :
作・演出:出田英人(劇団ZTON)、木下航(熊の宅急便企画)、大牧ぽるん(激団しろっとそん)
演出:

舞台監督:宝代裕規/照明:浜崎聡/音響:廣岡美祐(ゲキゲキ/劇団「劇団」)/映像:武信貴行(SP水曜劇場・観劇三昧)/スチール撮影:熊本将

あらすじ
「27歳」そんな歳で自身の信念のもと芝居をしている6人の役者。とある公演で出会い、友となり、自然な流れでユニット立ち上げと相成った。日々の討論、迷いなども乗り越えた先【本番日】の2週間前。僕たちは大きな壁にぶつかった…。
友情も家族も芝居も全部生でお見せします。これが90年会第一話だ!
「僕らだって、ヒーローだ」

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KPR/開幕ペナントレース『あしたの魔女ョー【或いはRocky Macbeth】』

2018-03-18 19:51:22 | 観劇三昧

観劇三昧:KPR/開幕ペナントレース『あしたの魔女ョー【或いはRocky Macbeth】』

2018/3/9

シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『マクベス』を、『あしたのジョー』のフォーマットで見せる話。

シェイクスピアの派生作品もここまでやらないと新鮮な表現にならないんだと、気が遠くなる思いで見ていたら、やっぱりウトウトする。

みんなの心の中にも、ボクサーにも、マクベス的なるものがいるという理屈はわかるけど、なんで混ぜちゃったんだろうという素朴な疑問が消えず。

自分にとっては、マクベスとジョーの共通点より相違点のほうが大事みたい。

マクベスとジョーが戦うなら楽しそうなんだけど、違う話になってしまうし。

ボクシングのリングを模した舞台美術が美しい。

マットに沈んでいくマクベス的な者たちの表現は怖いし、字幕や鯉の水槽の映像もスマートな見せ方でかっこいい。

ただ、実験としての面白さは感じつつ、前評判との温度差に居心地が悪くなってしまった。

※劇評家の藤原央登さんによる「コンセプチュアルな『マクベス』読解と、小ネタによる笑いがもたらす幅」 。ここまで熱意を持っては見れず。

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:KPR/開幕ペナントレース
公演時期 2017/08/16
上演時間 01:02:34
地域:関東

出演者:高崎拓郎/G.K.Masayuki/森田祐吏

スタッフ :
作・演出:村井雄
音楽:Tsutchie/照明:沖野隆一/音響:前田マサヒロ/美術:竹邊奈津子/映像:ワタナベカズキ/演出助手:渋木のぼる/舞台写真:池村隆司/当日制作:武藤香織/票券:伊藤沙耶・星島佳代/特設WEBサイト:樋口徹/宣伝イラスト:しりあがり寿/宣伝美術:秋澤一彰/英語字幕・ドラマターグ:青井陽治

あらすじ
そこに三人の魔女がいる。そして、欲深き誰の心にもマクベスは在る。魔女の声はマクベス自らの心の声だ。マクベスが死に、新たなチャンピオンが誕生しても、魔女は別のマクベスに預言を囁くのをやめないだろう。死した全てのマクベス達は、リングの中で新たなマクベスを待つ。そして、私たちは預言に過ぎない安全神話を信じてきた。バーナムの森はすでに動いている。気づかぬふりをしてきた私達に、魔女は何を囁くのだろうか。そして、私たちは次なるマクベスに何を囁くのだろうか。

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