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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

劇団パーソンズ × 劇団fireworks『さよならノクチルカ』

2018-11-23 01:18:32 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/21

・北海道の片田舎に赴任してきた若手の新聞記者が、新エネルギー開発施設の秘密を探る話。

・地震があって、冬も目前という今時期の北海道なので、新エネルギーを題材にするのは結構勇気がいる。

・ぼんやりしてたら前売が完売してしまったので、当日券でどうにか入れてもらう。満席も満席。

・PATOSの広さを活かした複数の演技スペースに、高さのある装置。ぱっと見で迫力がある。

・奥には楽器演奏チームも控えていて豪華。

・BGMはもちろん、SEも楽器で出していたりする。工場内の環境音も(たぶん)。それであそこまで工場っぽくできるのはすごい。

・むかし、自分も24時間稼動している工場で働いていたので、特別な機会(GWとお盆と正月)に工場の運転を止めるドキドキは共感できる。意味もなく従業員のテンションが高めになるのもわかる。

・ただ、やることなくて遊んでるんだったら資格のひとつでも勉強してろよと本筋とは全く関係のないところで憤ってしまう。

・街のモデルはどこかあるのかな。泊(エネルギー)とか釧路(霧)とか室蘭(工場夜景)とか。

・音楽の雰囲気にあわせてなのか、登場人物たちのセリフ回しも全体的にダウナーな感じ。大事なところは大体声が小さい印象。演出の方針なのかな。

・おしゃれなバーで聞き耳を立てるように見守る。

・単に壁に色を塗るだけでもなんだか色っぽい。

・そんななかでも、商店街の人たちのやりとりは朗らかでホッとする。

・有田哲くんが何か話すたびに、会場の温度がちょっとあがる感じ。

・鈍感な彼女と、一途で不器用な彼の組合せが好きなんだろうか。

・プロポーズの言葉がわかりにくくて、自分が女だったらキレそう。自分だけなのかな。どうなんだろ。

・合同公演だからというわけでもなさそうだけど、出演者が20人以上いて、シーンがめまぐるしく変わる。稽古日程を想像すると目が回りそう。

・人員、装置、音響で大量の手間をかけているにもかかわらず、ひっそりと仕上げた隠れ家のような作品だった。

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yhs『パニック・パーティー』

2018-11-20 00:02:32 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/19

仕事で開演に5分ほど遅刻して到着。

『春よ来いマジで本当に頼むから』

常に望みが果たせない男と、順調な人生を歩む彼の友人たちを、カラオケボックスの一室で定点観測する話。

ツカミに最適な完成度の高い短編であるとともに、yhsオーディション合格者の若手たちの顔見世も兼ねている。

前に同じ演目を見たときよりも、若い人たちがみんなラップが巧くなっているような気がする。時代なのか。

時間差で出てくるタンバリンで笑ってしまう。

『P.S.I LOVE YOU』

対照的な性格の姉弟が、腹違いのベトナム人妹に振り回されながらも、少しだけお互いの気持ちを開放する話。

大きな話の起伏はなく余白の大きな話。

櫻井保一くんと田中温子さんが演じる姉弟。細かい演技がたくさんあって見ごたえがある。

大きな仕掛けはないのに姉弟の空気感だけでもちゃんと緊張感が保てていた。

もうちょっと長い尺でじっくり見てみたい。

『駆込み訴え』

太宰治の原作小説を小林エレキ君が一人で語り倒す話。

面白いんだけど、どう面白いのかを説明するのがたいへん。

スーツの男が、既製品の人形に、古めかしい言葉遣いでずっと語りかけている。序盤の違和感がすごい。

例えると、藻岩山に行くような装備で、冬の八甲田山に挑むような感じ。

「え、その装備で太宰に登るの?」という感じでスタートして「ほんとに登りきれるんだ」という驚き。

滑稽と言えば滑稽なんだけど、それより役者から漏れ出す底力のようなものを浴びる楽しさなんだと思う。

『リラのホテル』

ホテルの元オーナーが、人語で喋るリラの木との思い出を語る話。

とっちらかっている曽我さんと、あらぶっている一嶋瑠衣さんが好き。

音楽ネタの多い本公演で、結局、最後の青木玖璃子さんの歌が一番うまかったと思う。

「ストライクとボールの区別もできないけど、とにかく力強いスイングをする」ような初期の作品を四番に持ってきて、全員野球で成立させられるところに、yhsのチームとしての凄味を感じた。

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yhs『本橋さんにおまかせ!』(パニック・パーティー)

2018-11-19 23:38:34 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/18

とある小劇場系の制作さんが、団員たちからの無茶振りの数々に、心が折れそうになる話。 

日程的に本番見られないので、脚本提供者権限でリハーサルを見せてもらう。

今回は南参さんの演出。初演の時は自分で演出していたので比較して勉強した気になる。

能登英輔くん演じる愛らしい本橋さんにニヤニヤしつつ、この制作さん像はどこまで普遍性が保ててるんだろうと思う。

設定は2000年代初頭くらい。スマホもSNSもほとんどない時代なので、今と比べるとできることが全然違う。

初演は2013年なので、その時点でもちょっと古い制作さんのイメージ。

ただ、仮にこういう制作さんは絶滅していたとしても、たしかに実在はしていたので、供養的な意味合いで作品化することには意味があるはず。

そして、今回もきれいにペンが飛んでてよかった。

 

見ていただいたみなさま、ありがとうございました。

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マイペース『この夜が明けてくれるな』

2018-11-19 23:14:38 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/17

・M-1でいいところまでいった学生時代の栄光が忘れられず、社会人になってもうだつのあがらない男たちが、人生の際に追い詰められる話。

・そのなかの一人は、ある知識や記憶を失うと、その重要さに応じてお金が生成される謎の能力を覚醒させる。

・ドラえもんの、身長が縮むたびに小銭がもらえるひみつ道具みたいな理不尽な能力。

・彼が大事な記憶を失うと大金を手にするし、大金を手にしているということは、大事な何かを失っている。

・それが友情だったり、過去の栄光だったりして、ドラマを生み出す仕組みとして優秀。

・ああいう感じで夢を追い続けているうちに自家中毒状態になるシェアハウスは、実際結構ありそう。三十少し過ぎたあたりが、転換期になるのもわかる。

・お笑い芸人が出てくる話だからというわけでもないんだろうけど、いろんな方向から笑いが飛んでくるし、客席も沸いている。

・~分に1回は笑いどころを作る、と決めて作っているような感じ。手数大事。

・同居人も、人のお金をかすめとってみたり、ろくな生活をしていない。

・今時、ああいう窓際の人っているんだろうか。金魚にエサやるだけでいいなら自分も雇われたい。

・いわゆる負け犬映画の系譜なんだけど、犯罪に絡むかどうかでもう一線あるような気がする。振り込め詐欺は被害者いるし。

・自分の場合、サイタマノラッパーの1と2は楽しんだけど、3では引いてしまったくらいの好み。

・同じ負け犬でも自分は前科がないので一緒にされたくないという同属嫌悪意識があったのかも。

・なかなか話の都合で動いてくれなさそうな性格、類型的ではない人物像を作って、かつ多くの人の共感を得られる範囲で話を展開しているのはうまい。

・終わってからのおまけコント。ラジオ体操、椅子取りゲーム、漫才コント、たけし。

・マスゲームみたいな大人数のお笑いコントは、こういう機会じゃないと作りにくそう。

・自分自身の「お笑い」に対する距離感が自覚できて、うんうんうなずきながら見た。

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RED KING CRAB 『ガラスの動物園 The Glass Menagerie』

2018-11-17 23:49:48 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/16

・ガラス細工の動物とレコード音楽を愛する引っ込み思案な女性が、過干渉な母親と、夢見がちな弟と、やたら踏み込んでくる愛想のいい男に煽られまくった挙句、窓際でたたずむ話。

・オープニングの長台詞がとても重要で、ここでこの作品の格付けが決まってしまう感じ。

・木山正大くんがその責任重大な役割をしっかりこなしている。二人芝居フェスも相当インパクトあったけど、ちゃんとその面影を消して淡々と聞かせる。頼もしい。

・自分が前にこの演目を見たのは20年くらい前。そのときの母親アマンダ役が緑魔子さん、娘のローラは南果歩さん。(ちょっと自慢)

・とにかく母親の圧が強いイメージで、もっと容赦のない話だと思ってたけど、今回は登場人物が四人とも愛される感じ。

・そして、終わり方はもっと閉塞感のあるイメージだったけど、本作では風通しのよさそうな感じ。地下のZOOなのに。

・映画と違って、風は起こさないと吹かない。

・Youtubeをちょこちょこ見た範囲だけど、そのあたりが今回独自の解釈なのかな。

・たぶん演出家の人は優しい。

・本来は、相性の悪い肉親同士が同じ家の中で顔を付き合わせ続けると、最終的には殺し合いになるぞというジェーン・スーさんのエッセイみたいな話なのかなと思う。

・一番の正解は、距離を置くことなんだけど、どう考えてもローラには無理っぽい。

・なので、その優しさが本戯曲の正解かどうかわからないけど、古典作品から作り手の人柄を感じるのは楽しい。

・大道具小道具のこだわりぶり。

・ソファの肘掛全面部分の装飾がかっこいい。ああいうソファあるのかな。つけたのかな。

・レコードプレーヤーは言うに及ばず、電気スタンドのもそっとつく感じも時代感があって好き。

・喉への斬撃も防げそうな張り切りすぎたネックレス。

・照明、フェードアウトのシーン全部きれい。

・長台詞の途中で色が変わるのもおもしろい。機会があったら真似したい。

・パンフを観ると、団体で既成の本は初めてとのこと。もっと色々な戯曲できそうだし見たい。

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劇団 風蝕異人街『身毒丸』

2018-11-16 23:50:27 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/14

・会場に入ると、舞台上に小さな箱。その中にお面の小人が入っていて、ずっと客席に向かって手を振ってる。

・男が、黒地の布にたくさんの白いお面のついたリアカーを引いている。

・大小さまざまな掛け軸が劇場の壁という壁を覆っている。どれも年季の入った紙質。どうやって集めたんだろう。

・赤い格子状の仕切り、その奥に卒塔婆が数本立っている。

・会場全体がアングラ一色。徹底している。

・開演すると顔白塗りの学ラン、セーラー服。踊り。

・日常から遠くはなれた見世物小屋感が楽しい。

・その見世物小屋で買われた母親と、実母を慕う息子の愛憎を描いた話。

・HP参照してあらすじ書いたけど、実際見てそういう話だったのかどうかは見終わってもよくわからず。

・「書を捨てよ~」のときに寺山修司は「言葉の錬金術師」と紹介されていたけど、個人的にはどちらの作品もビジュアルのほうが強く印象に残っている。

・言葉は「音+意味」の組み合わせだとして、「意味」の部分が全然拾えず、どうしても途中ウトウトする。

・舞台上、障子に台詞の一節書いて設置している。見た目もかっこいいけど、意味部分を補強する目的もあるのかな。

・ただ、作品において「意味」がそんなに大事なのかというとそうとも限らず、「音」と「見た目」でぐいぐい見せ場を作る。

・なので言葉がすごいというより声がすごいし音がすごい。リズムや声色。音楽ともちょっと違う。訓練の末の節回し。会話もあるけど、一種の語り芸なんだと思う。

・たぶん「意味」は根っこみたいなもので、自分は土の上に出ているそのほかの部分を楽しんでいる感じ。

・見世物小屋の女チームの着物が、時間が経つにつれてだんだんはだけていく様子が、時間経過の見せ方として生々しい。

・最後のシーンのビジュアルや、カーテンコールの見せ方も一捻り入っててかっこよかった。

・次はかでる27だそうだけど、会場設営どうするのか気になる。

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パインソー×SAN-DAI『即興演劇バトルTHE SAN-DAI札幌』

2018-11-12 23:29:00 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/11

・落語の三大噺の形式で即興一人芝居に挑み、優勝者を決める企画。1日2回公演のうちの夜の部を見る。

・札幌大会は2回目。今回はパインソーさんが全面バックアップしている。有言実行。

・今回の出場選手は12名。舞台役者、お笑い芸人の方々が中心。

・変わったジャンルだと、ラジオパーソナリティーの佐々木龍一さんも参戦。

・自分の書いたお題「五里霧中」であんなに苦労されると思わず、申し訳ない気持ちになる。

・四字熟語にしようとは思っていたので他の候補「朝三暮四」とか「五風十雨」とか書かなくてよかった。

・前回に比べて、まったくの表現未経験者(としか思えないような人)はほとんどいないので、明らかに困っていても、どうにかして場を持たせられる感じ。

・一方、みんな場慣れしているぶん、始まる前にお客さんの期待値を下げよう下げようとしている感じが不穏。

・どうしても自分だったら何をやるかを考えてしまうので、見ていてせわしない気持ちになる。

・即興のイベントで難しいのは、面白かったり、インパクトのある作品が後半にくるとは限らないこと。

・このあたりはスポーツ観戦感覚で楽しむのがコツ。

・印象に残ったのは、棒グラフを上手に使った熊谷嶺くんと、手がべたべたしてた亀井健さん、台湾に瞬間移動した幸田直機くん。ほとんど唯一といっていい、お題クリアのペースをきちんとコントロールしていた鶴くん。

・そして、昼夜総合でチャンピオンになったのは、氏次啓くん。ぜひともこの存在感のまま、道外に攻めていってほしい。

・オーギリングチームは活躍してたと思う。

・全体的に巧さより強引さがあったほうが盛り上がっていたけど、傾向がちょっと偏ってしまった感じ。事前準備をしない美学もあるのでバランスは難しいんだけど。

・司会は中内こもるさんと覚前遥さん。演者が多少停滞していても、うまく言葉を差し込んで大怪我しないように守ってくれる。伊達に場数を踏んでいない。

・そういう意味で、色んな即興イベントがある中でもかなり敷居が低く設定されているはずなので、次回はもっと色んなジャンルの人が参加したらいいのにと思う。

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妖怪大縁会『妖怪百歌物語〜ニライカナイ篇〜』

2018-11-11 10:15:07 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/10

・青年が沖縄でおばあちゃんに出会い、その生い立ちを聞くことで彼自身のルーツをさかのぼっていく話。

・舞台中央にガジュマルの樹を模した布のオブジェ。広げたりねじったり「絞め殺しの樹」とも言われているそうだけど、たしかに雰囲気がある出来。

・「妖怪音楽×妖怪演劇」とあるように、音楽パートと演劇パートが結構きっちり分かれている。

・モノノケユースケさんの歌声はどれも優しくて、生演奏で楽曲が始まると毎度毎度聞き入ってしまう。

・音楽と演劇の対バン形式と強引に言えなくもないけど、ミュージシャンがまともに機能したら、演劇はなかなかに分が悪い。特に会話劇はたいへん。

・楽器を演奏している人の仕草はいちいち錬度が高く、機能美として完成しているから、中途半端な役者の存在感では太刀打ちできなかったりする。

・音楽が専門の人が見ると、見方が変わるのかな。

・歌や演奏の最中、役者さんは変に言葉や動きを足すより、静かにたたずんでいるほうが、よっぽど物語が見えてくるという不思議。

・そこにさらに映像あわせると、ミュージックビデオ感が強くなってよりかっこいい。

・基本的には音楽と演劇パートが分かれているけど、うまく重なったところは引き込まれるし、ちょいちょい擦れ違ってたところもあったような。

・そういうシーンがあっても、歌でなんとなくまとまった印象になるのはずるい。

・本作に限らず、生演奏の楽曲に演劇を合わせる場合は、言葉の情報量少なくしたほうが見やすいのかも。

・なので、最後のダンスシーンは最初のほうで見たかった。クライマックスだけでは勿体ない。

・妖怪演劇なので沖縄の妖怪が色々出てくる。

・相撲っぽい動きをする妖怪の、後転から再突撃までの動きがスムーズすぎておもしろい。

・ガジュマルの樹に宿る妖怪キジムナーと、若い頃のおばあちゃんの交流が、実質的な話の軸になっている。

・超自然的な妖怪と戦争や基地問題といった超現実的な社会問題を重ねていく試みだった。

・舞台上でほんとにチェーンソー鳴らしている作品見たのは初めてかも。大日本プロレス以来(舞台じゃない)。

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座・れら「The 別役!special~別役実の女と男」

2018-11-10 23:59:29 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/9

・別役実の二人芝居を2作品。それぞれ大体50分くらい。結構なボリューム。

・演目は『招待されなかった客』と『トイレはこちら』。どちらも観客へのアナウンスみたいなタイトルで、掲示物を見ると一瞬身構えてしまう。

・『招待されなかった客』は、魔女の家に、破門された聖職者が尋ねてくる話。

・なぜか、そこにソートンワイルダーの『わが町』の設定が乗っかっている。

・たしかにあそこ魔女の箱庭感あるけども。

・不条理は元々苦手なジャンルで、特に一作目の序盤は、どこをどう面白がっていいのか距離感がつかめず。

・なんとなく、自分自身が不条理的な笑いを求めてしまっていて、作品の魅力を掴み損なった感じ。

・よりロジカルな話だったと思うので、不条理というイメージ自体も余計な先入観だったような気がする。

・せっかく役者さんは二人とも丁寧な演技で、堅実にシーンを作り上げていたのに。反省。

・『トイレはこちら』は、人気のないところで女性が首をくくろうとするところに、トイレ案内を仕事にしようとする男が通りがかる話。

・このあらすじで間違いないはずなんだけど、自分で書いててもなんだかよくわからない。

・一作目より不条理感が強くて、ちょいちょい笑えるところもある。

・「あんた何を言っているんだ?」と双方に問いただしたくなるような、雑で飛躍した論理で口論する二人。

・毒を持って毒を制すというか、めんどくさいクレーマー同士をぶつけた感じ。

・共倒れ必至の会話で、聞いていてクラクラする。

・首つりの輪っかに包帯をあわせる、感心していいんだかよくわからない工夫。

・総じて別役作品は、決して正解のない世界に、実力も経験もある演劇人がどう挑むのか、どこまで遠くにいけるのか、その振る舞い方が見どころになるんだと思う。

・先に脚本読んでおいたほうが楽しいのかも。

・面白いか面白くないかジャッジして終わるような見方をしてしまうとつまらないので、もうちょっと前のめりの姿勢で見るべきだった。

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わんわんズ『わんわんズのどん底』

2018-11-10 23:25:26 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/8

・木賃宿とその周辺で暮らす貧乏人たちが、お互いに足を引っ張り合っているうちにわずかな希望すら掴み損ねる話。

・舞台は薄汚れたベッドにテーブル、散乱する布切れ。

・コンカリのスペースを広く使って、ゴミゴミした、原作イメージどおりの「どん底」。

・そんな舞台が見た目以上に真価を発揮するのは、乱闘シーン。

・わんわんズと言えば殺陣のイメージ。ことあるごとにロシア民謡が流れて大乱闘が始まる。

・それこそ殺陣の合間に「どん底」が入るような序盤。

・殺陣のシーン自体は他団体でもそこそこ見かけるようになってきたけど、迫力で頭ひとつ抜けている。

・人数が多い。広い場所のあちこちで沢山の人々が乱闘する。それも時代劇のように、絶対的な中心人物が一人いて、モブが順番に切られていくような秩序のあるものではない、乱闘としかいいようのない乱闘。

・それをこのスケールで作れるのはほんとにすごい。

・そんな大人数が一気に暴れるので、瓶や缶、布っ切れが散乱するし、落ちるし跳ねるしで大変。

・結構リスキーなことをしていると思うけど、反面効果は絶大で、演劇であんなにモノが乱雑に飛び交うのは初めて見たかも。

・どうやって安全確保しながら作っているんだろう。

・テーブルを使った立体的な動きもおもしろい。テーブルから跳び蹴りを放つ、蹴られた勢いでテーブル上にぶっ飛ばされる。迫力。

・長流3平さんがわんわんズの面々と同じノリで動いているのもすごい。

・四幕芝居の幕間にショートコントみたいな寸劇が入る。もじゃキングはあんなに僅かな尺のためにあんなにめんどくさそうな着替えをしたのか。

・お話部分に関しては、序盤で流れに乗り損ねてしまって集中し切れなかった。

・見せ方の問題と言うより、自分のコンディションの問題だったので、申し訳ない気持ちになる。

・どん底だからこそ見える本当の幸福とは…という話。たぶん。

・もう一度見たいけど時間なく、とても残念。

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