遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

劇団925『福喜多さんちの三兄弟』(観フェス2017)

2017-03-07 12:23:30 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:劇団925『福喜多さんちの三兄弟』(有料)地域:関西

2017/3/7

福喜多三兄弟の家に、ほとんど帰ってこない父からの紹介で謎の女性がやってくる話。

男三人と女一人のタイトな人数で、きっちりワンシチュエーションコメディを作っている。

序盤は役者さんの人間力頼みのところもあるし、脚本の仕掛けはそれほど笑いに比率を置いているわけじゃないけど、愛らしい人間関係を丁寧に見せてくれる。

喜劇としての安心感がすごい。

謎の女役の中西邦子さんが三兄弟に翻弄されている感じ。特に泣き顔がかわいい。

ただ、あれだけ暑い暑い言っているのに常温保存のカレーって。

気を使って喜んでるのかと思ったら、自分へのお土産が少ないことに本気でがっかりしている長男が心配。

ガスとか水道とか食べ物とか、装置や小道具への偏愛ぶり。

手間との比較で言えば、絶対必要というわけではないけど、誰が見てもわかる細部へのこだわりも安心感を生む。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間:1:39:06

公演時期:2009/8/9

作者・演出:中西邦子

カオル:田渕法明
テン:関敬
ヒロ:福山しゅんろう
サトウヨウコ:中西邦子

※役名は動画の呼び方から拾った。

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お座敷コブラ『RUN』(観フェス2017)

2017-03-07 00:53:00 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:お座敷コブラ『RUN』(有料)地域:関東

2017/3/6

元刑事のHOPE(ニックネーム)がピアノの演奏会中に殺された男の犯人を突き止める話。

冷静に話の筋を思い出すとテレビの二時間推理ドラマみたい。シーンの切り替えもテレビドラマっぽい。

ただ、それをテレビっぽく見せないのは、登場人物の体がキレキレなところ。

オープニングのダンスはマスゲームっぽい振り付けで、全体で美しい。ワクワク感がすごい。

本編が始まっても、歩くだけ、転ぶだけ、ひとに軽い嫌がらせをするだけ、日常のちょっとした動作がいちいちキレている。

リアルかと言われると違うけど、一人ひとりのキレキレな動きで、作品世界全体の秩序を作っている。

「彼女の体調は彼女のパフォーマンスに影響はありません。」というせりふは、人物描写として好き。

目的のためには手段を選ばない人たちによる物語ということでいいんだと思う。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間:02:07:52

公演時期:2015/01/22

作者・演出:伊藤裕一

CAST
白抜楽太郎:古林一誠(お座敷コブラ)
江角蘭丸:伊藤裕一(お座敷コブラ)
塩図希:残間統
若葉亨:本田和大
梶本榎音:春宮茉由(株式会社ビットプロモーション)
一之瀬和奏:佐藤 彩奈
丸尾尚幸:鈴木淳
西幹■(■は読み取れず):四條友起子(宝映テレビプロダクション)
近藤譲:海野亮平
萩原亜沙美:山田せいら
SEMERU:おかもとひろき(ガソリーナ)
ネズミ:和世レオ(ヘルメス・エンターテイメント)
トカゲ:中田豪一
イモムシ:藤本貴行
岩淵みき:小宮凜子(株式会社4C)
服部さやか:庄子裕衣(amuleto)
石崎姉妹:関口空子(*ナノハナハナビ*)
鹿嶋志麻:村川加苗
小野田誘:橋本我矛威(ナンテコッタパンナコッタオーケストラ!)
二宮桃星:小川千尋
ガッキー:安見 謙一郎(パフォーマンスユニットUDATSU)



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X-QUEST『神芝居 ~アリス・イン・ギガニッポンノワンダーランド~』(観フェス2017)

2017-03-05 23:08:49 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:X-QUEST『神芝居 ~アリス・イン・ギガニッポンノワンダーランド~』(有料)地域:関東

2017/3/5

日本の神話や昔話の登場人物たちが、「ギガニッポン」の成り立ちの真相に迫る話。

それぞれの昔話のエピソードを巧くつなげて大きな話にしている。地口も多い。

そこに『不思議な国のアリス』の世界観をぶち込み、さらに殺陣とダンス、鮮やかな衣装を交えて豪華なショーとしてしっかりエンタメ作品にまとめている。

途中ちょっとギョッとするエピソードもねじ込まれているけど、政治色が出る手前で無難に仕上げている。 

交通整理能力が高い。

ウラシマ(塩崎こうせいさん)とオトヒメ(國立幸さん)の存在がなんか強い。役者力なのか。

ライトセーバーみたいな剣は、金属風の棒と比べて折れやすそうなのに、動きに遜色がなくてすごい。

材質なんなんだろう。効果音はガキンガキン鳴っていたけど。

後半は誰と誰が何で戦っているのか、よくわからなくなってしまったけど、勢いで最後まで楽しく見られた。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:45:28(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

公演時期:2016/4/20

作者・演出:トクナガヒデカツ

出演
ウラシマ:塩崎こうせい(X-QUEST)
ツキカゲ:大野清志(X-QUEST)

カメット:清水宗史(X-QUEST)
ラビット:高田淳(X-QUEST)

オトヒメ:國立幸
カゴメ:片桐はづき

アリス:荻窪えき(X-QUEST)

ハート:佐藤仁美(X-QUEST)

ローズマリー:小玉久仁子(ホチキス)
スペード:竹内尚文(少年社中)
ダイヤ:土田卓(弾丸MAMAER)
クローバ:豊田茂(劇団青年座)

チェシャキャット:渡辺隼斗
マドハッタ:市川雅之(X-QUEST)
エルルカ:トクナガヒデカツ

「エクスクエスト」でいいらしいです。

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THE 黒帯『TRUCE』(観フェス2017)

2017-03-05 00:31:10 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:THE 黒帯『TRUCE』(有料) 地域:関東

2017/3/3

従軍している学者とカメラマンが、ゲリラに捕まって彼らと友情を育む話。

軍隊とゲリラの基地を交互に見せる進行。

二つの場所を交互に見せるやり方は、扱いやすいけど、うまくやらないとかえってテンポが悪くなりそう。

紛争地帯というとアラブのイメージがあるけど、本作では架空の国と地域が舞台。

ゲリラとか捕虜とか物騒な題材だけど、戦場の最前線のわりに結構ほのぼのとしている。

もうちょっと風刺的な話なのかと思ったら、実際の戦場の生々しい感じは排除されていて、敵同士だった男同士の友情を描くことに重きを置いている。

ギャグも上演時の日本人にかなり寄せている。

性格の違う双子を一人の役者が演じるのも、コメディでありがちな設定。

後半に入るまで誰も死なないし、死にそうな感じがしない。

舞台上ではケンカしたりもするけど、終始、男たちの仲がいい。

現場が楽しそう。

================メモ================

「エンタメ賞」(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間:01:45:04

公演時期:2007/12/9

作者・演出:榎原伊知良

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ポップンマッシュルームチキン野郎『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』(観フェス2017)

2017-03-04 22:51:10 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:ポップンマッシュルームチキン野郎『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』(有料)地域:関東

2017/3/3

戦時中の満州生まれで、人の言葉を喋ることができて、改造手術により未来予知能力を持ち、銃も扱える犬が活躍する話。

この主人公だけで、ずいぶん設定がこんがらがっている。過剰。

仲間には鉄の卵を産む喋る鶏、喋るトカゲ、手足の生えたマッサージチェア(当然喋る)がいる。

悪夢のようなシュールさを楽しむ。

オズの魔法使いみたいなものだと思えばアリなのか。

揉み球ぶるぶるがかわいい。ボーボボのところてんの助を思い出す。

曹長は江田島平八っぽい。

ジャンプ好きなのかな。

役者さんの動きと、SEのシンクロ率が高い。

意外とタイミングと音量があってないところも多いので、こういうのビシビシ決まると気持ちいい。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)

上演時間:01:54:31

公演時期:2016/07/27

作者・演出:吹原幸太


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yhs『四谷美談』(観フェス2017)

2017-03-01 01:23:41 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:yhs『四谷美談』(有料)地域:北海道

2017/2/28

本公演は劇場でも見ている。

『四谷怪談』をモチーフに、歌舞伎の跡取りと、顔に傷を持つ女をめぐる悲劇。

否応なく地位や異性に引き寄せられるのは「愛」というよりも「業」という感じ。

誰の願いも成就しないし、事件の関係者はみんなはっきり不幸になっている。

女の顔の傷が、絆にも呪いにもなっている。

その女と三角関係になる男二人が、自分の持っていないものを相手に見て迷走する。

二人とも、ちゃんと人を殺しててもおかしくないくらいの迫力がある。

話はドロドロしていても、構成はきれい。

長い髪の毛を垂らしたような壁や、誰も出ない電話の音と人を殴る音の組み合わせが怖い。

按摩の目線が定まっていないところ。実在感がある。

あと、カメラの編集が抜群に上手い。ここまで観劇三昧で観た作品の中で一番観やすいかも。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:40:48

公演時期:2013/11/12

作者・演出:南参

過去記事:yhs「四谷美談」

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intro『蒸発』(観フェス2017)

2017-02-28 21:16:05 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:intro『蒸発』(有料)地域:北海道

2017/2/27

2011年の公演を劇場でも見ている。

雨漏りのひどい家で暮らす母と犬のところに、息子夫婦が帰省してくる話。

無気力な兄、一見まともな弟、潔癖な嫁、妙に馴れ馴れしいかつての同級生たち。

癖の強い人たちが癖の強い動きをする。

特に男連中がクネクネしている。

終盤お母さんもクネクネするので心象表現のひとつなんだろうけど、作者から観た「男」をデフォルメした姿だと思ったほうが納得できる。

急にそれらしいことを言って仕切りだす兄に笑ってしまう。確かにそういう人はいる。

終盤の渾身の一人語りに、周りのひとたちの「体を掻くだけ」というリアクションが斬新。

ざっくり解釈すると心の時間が止まった人たちの話ということでいいと思う。

止まったままだとボロボロになって腐るというところまで描かれている。

最後に登場する小道具が演劇そのもののメタファーだったりするのかな。「祭り」は大事。

================メモ================

「芸術」に投票

上演時間:1:27:20

公演時期:2015/8/6

作者・演出:イトウワカナ

過去記事:intro「蒸発」※同じようなこと書いている。

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ななめ45°『For スマイル(日本語音声字幕付)』(観フェス2017)

2017-02-27 21:32:04 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:ななめ45°『For スマイル(日本語音声字幕付)』(有料)地域:関西

2017/2/27

海のそばに住む男が、釣りをしたり泳いだり、過去を懐かしんだり寂しがったりする話。

ひとつの話で1時間というのは、パントマイムとしては長尺の部類。

普通お話を作るときは、動きや言葉、絵、音を使って表現するけど、パントマイムの場合、動きと音しかない。

なので説明的、記号的になるのは仕方ないんだけど、本作の場合は、表現の抽象度を高くしているので、そのへんのストレスが少ない。

ただ、わからない人は置いてく感じ。

何をしているのかよくわからない動作が結構多くて困った。集中力がいる。

当たり前といえば当たり前だけど、本来、PCの画面で見るような話ではないのかも。

映写機の子供が育っていくパートくらい単純化してもらえれば、素直に楽める感じになる。

観劇三昧のおすすめポイントなど読んで、これも311以降の話なのかなと思う。

あるのなら台本を読んで答えあわせしたい。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:02:16

公演時期:2015/05/08

作者・演出・キャスト:白木原 一仁

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激団しろっとそん『チョコレートタウンとトラブルカカオ』(観フェス2017)

2017-02-26 09:20:46 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:激団しろっとそん『チョコレートタウンとトラブルカカオ』(有料)地域:関西

2017/2/24

アイドルのアポロを助けるため、友人たちが特殊能力「カカオマジック」を使って、「トラブルカカオ」の謎を解こうとする話。

動画の尺は114分で、この本編は60分くらい。

20分を軽く超える二段階前説から本編、本編が終わってもオマケコーナーが30分ある。

公演は「文化祭」と称し、お客さんには「保護者」というロールプレイを求める。

心の距離を置いて観たら負けという感じ。

最初の前説師の安定感。

「しろっとそんは臆病な生き物ですね。みなさまの話し声や携帯電話の音に驚いて威嚇行動を取ります。」のようなことを言っていた。

アポロ、カプリコ、アルフォート、ホワイトロリータ、LOOKという絶妙にいい感じのお菓子を登場人物名にしている。

話はまどマギっぽい。

終始、女の子たちがキャッキャ言ってる。眩しい。

狭い舞台は大阪に多い気がするけど、お笑い用だったりもするんだろうか。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:54:33

公演時期:2016/02/13

作者・演出:大牧ぽるん

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オパンポン創造社『オパンポン☆ナイトvol.3〜曖昧模糊〜』

2017-02-25 00:31:52 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:オパンポン創造社『オパンポン☆ナイトvol.3〜曖昧模糊〜』(有料)地域:関西

2017/2/23

30分前後の長尺コント×4。

合計129分でたっぷり。

非関西人が関西人に求める面白さが詰まっていてケラケラ笑いながら見る。

笑いも感動も軽いけど、安っぽくはない。

4つのエピソードは一応独立しているけど、登場人物をスライドして登場させることで、大きな物語につなげていくやり方。

コントライブの定番っぽいけど、もしコントを書く機会があったらマネてみたい。

「掘る」というキーワードで繋いだのが巧み。

タイトルロールがばかばかしさを通り越して現代アートみたいになっててかっこよかった。

いくらPCの荒い画素だからって野村有志さんの肌がすべすべすぎる。

いろいろ対策をとってはいるんだろうけど、あの小さい面積でよくフォローできるなと感心。

自縛霊の場違い感がものすごいのに、時間がたつとちゃんと慣れたのにも驚いた。

================メモ================

「笑える賞」に投票

上演時間:02:09:24

公演時期:2014/05/16

作者・演出:野村有志

第一話「ヤーヤーヤー」 西川さやか×池下敦子×野村有志 他
第二話「オオカミ中年」浅雛拓×野村有志 他
第三話「ジョウキョウ日記」殿村ゆたか×池下敦子×野村有志 他
第四話「待アイ室」ジョニー大塚×野村有志 他

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