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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

VOGA『Social walk』(観フェス2017)

2017-02-24 08:29:02 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:VOGA『Social walk』(有料)地域:関西

2017/2/22

野外舞台で行われた群唱と踊り。物語らしい物語はない。

「本当に大切なものは目には見えない」という『星の王子様』のようなテーマで統一されている。と思う。

わずかに掛け合いがあるものの、基本的には詩と詩未満の単語、掛け声で構成されている。

どんな方針で書かれているんだろう。

演劇を見ることは作者の意図を当てるゲームではないんだけど、それでも考えざるを得ない仕組みになっている。わからなかったけど。

それでも、一目見れば、たくさんの関係者が膨大な時間を費やして作られた作品なのは明らか。

歌ではないけど、セリフと動きのリズムがよくて耳に残る。

野外舞台が祝祭感を後押しする。

あと、小道具の完成度が高い。鳥かご、お父さんグッズ、骨の質感。

お客さん、1回平均100人以上見ているそうだけど、どんなノリで見てたんだろうか。

================メモ================

「芸術賞」に投票

上演時間:01:34:29

公演時期:公演時期:2016/05/20

作者・演出:近藤和見

岩清水八幡宮

配役:
[少年] うめいまほ 野島健矢 西尾友希
[スペード] 渡辺綾子 岩本苑子 石川信子
[クラブ] 長谷川りか 小森ちひろ 香川由依
[ダイヤ] 日下七海 佐藤敦子 清水風花
[女] 西村麻生 今道鮎美 ままれ(チムチムサービス) 前田愛美
[男] 草壁カゲロヲ タナカ・G・ツヨシ 足立昌弥 荒木輝

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いしだくみ子一人芝居『女郎蜘蛛』(観フェス2017)

2017-02-24 00:26:04 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:いしだくみ子一人芝居『女郎蜘蛛』(有料)地域:関西

2017/2/22

遊郭の女郎が鏡の中の男に恋をする話。

装置というよりは大道具、ダンスというよりは舞踏という感じの風情。

一人芝居としては広い舞台。

垂らした布を上手く使って、見せ方にアクセントをつけている。

衣装もよく変わる。きらびやか。贅沢。

辛い境遇を、不思議な小道具を使って一時的にしのぐ話なので「マッチ売りの少女」と似た構造。

ただ、遊郭だからといって辛いかというと微妙なところで、もともと元気だった人が、不思議な小道具(鏡)を使ったせいで弱くなったようにも見える。

一人で女郎、鏡の男、遊郭の女将を演じる。

形式上、一人芝居の必然性はなさそうな感じだけど、悠々と各役を演じる。贅沢。

鏡の男がまたいい男で、確かに惚れてもおかしくなさそう。

長生きよりも恋を優先して身を滅ぼした大衆演劇らしいお話だった。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票

上演時間:01:31:56

公演時期:2013/12/06

作者・演出:いしだくみ子

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彗星マジック『ポストグラフ』(観フェス2017)

2017-02-23 23:43:15 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:彗星マジック『ポストグラフ』(有料)地域:関西

2017/2/22

絵を学びたいアルルという名前の女が、ゴッホをはじめとする画家たちのアトリエに住み込む話。

住んでいたのは、ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、ジュニアの四人。

アーティスト同士の共同生活といえば、この時代のフランスか、トキワ荘が思いつく。

才能があって売れている人、才能はあるのに売れない人、才能もなく売れない人、それぞれの葛藤。

型としてはほぼ同じだと思う。

かなり創作が入っているだろうけど、この分野はほとんど無知なので、モヤモヤする。

アルルもパリの近郊くらいに思ってググってみたら、全然違った。遠い。

こういう実在の伝説的な人物を据えて物語を作るのは憧れる。

どのくらいの量の資料を参照したらこのくらいの作品が作れるのか気になる。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:50:09

公演時期:2015/01/24

作者・演出:勝山修平

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時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』(観フェス2017)

2017-02-23 00:44:40 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』(有料)地域:関東

2017/2/21

1920年代のソ連。アパートの女主人ゾーヤが自らの建物内でこっそりナイトクラブを始める話。

戯曲に関する前知識は全くないけど「これは面白い作品だ」という先入観を持ちながら見る。

古典はそのほうが楽しめる。

ただ、楽しむための補助線を上手に引くのが難しい。

社会主義国家であるソ連の当時の状況、自由のない社会の雰囲気を想像するのが多分大事。

ある程度なら、どんだけ彼女が無茶なことをやってることはわかる。

物語とは別に表現方法が楽しい。

顔のペイント。見た目の面白さと統一感を出すとともに、日本人がロシア人を演じる違和感を弱める工夫なのかも。

つけ鼻つけるよりよっぽど効果的。

方針として完全オーダーメイドの表現を目指しているように見える。

音響は生音だし、ドアの開け方、ナイフの刺し方、連行のされ方、ありがちな動作にも一工夫入っている。高級感ある

物語、演出、色々追求したくなる作品だった。

================メモ================

「芸術賞」に投票

上演時間:02:34:05

公演時期:2016/07/29

作者:ミハイル・ブルガーコフ

演出:黒澤世莉

原案:秋月準也

シアタークエスト

配役:

ゾーヤ:ヒザイミズキ※
オボリヤニーノフ:東谷英人(DULL-COLORED POP)
アメチストフ:菅野貴夫※
マリア:尾崎冴子※
ハレルヤ:堀田創(ECHOES)
ガソリン/婦人A:松井美宣※
エンジェル:木山廉彬
アーラ:五十嵐優
グース:得丸伸二(文学座)
リーザンカ・裁断師:中谷弥生
ミームラ・婦人C:海老原恒和
マダム・イヴァーノヴァ:白石花子(劇団民藝)
ロッベル/婦人A:佐藤幾優
イヴァン・ヴァシーリエヴィチ(死体男):綾田將一
アグネサ/詩人:大川翔子
麻薬吸引者:鈴木浩司※
ペストルーヒナ(捜査官):直江里美※
太った男(捜査官):國松卓※
ワーネチカ(捜査官):阿波屋鮎美※
※時間堂

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浮遊許可証『リーンカーネーション・ティーパーティー』(観フェス2017)

2017-02-22 12:00:03 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:浮遊許可証『リーンカーネーション・ティーパーティー』(有料)地域:関西

2017/2/20

戦時中、世の中の雰囲気に負けずに少女向けの小説を書く女性作家と、表向きは反対しながら陰で支える夫の話。

夫婦の関係をつなぐのは、人間のことが知りたくて人間に化けている狐。メルヘン。

メルヘンだけど、嫌いな人間に対抗するためには、嫌いな人間に化けででも人間に近づこうとする彼(彼女?)は、見上げた根性。

小さなスペースに凝った装置、かわいい衣装、第一に目で楽しめる。

そして、妻と夫、妻の編集者の三角関係がおいしいところ。

夫が身分と性別まで偽って彼女に応援はがきを書いているところが涙ぐましく、文学的な感じがして好き。

三角関係の残り一人、編集者は作中に出てこない。

キーになるもうひとりをあえて出さないのは、少人数で作品世界を広く見せる常套手段。

なのに、なかなか登場しない上原日呂さんが編集者役で出てくるもんだとばかり思っていた。ちょっと拍子抜け。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票

上演時間:01:37:19

公演時期:2014/02/21

作者・演出:坂本見花

公演時期:2014/02/21

オーバルシアター

配役※役名は動画内から勝手に引用
ニジコ先生:中村真利亜(TAKEITEASY!)
ソトムラ:山本禎顕(スクエア)※「やまもとよしあき」と読むそうです。
狐の弟子:丹下真寿美
配達員:上原日呂(月曜劇団)

※坂本さんは一人芝居『スクラップ・ベイビィ!』の作者でもある。

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劇団 壱劇屋『SQUARE AREA(2016年版)』(観フェス2017)

2017-02-22 11:58:27 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:劇団 壱劇屋『SQUARE AREA(2016年版)』有料 地域:関西

2017/2/20

立方体の部屋に閉じ込められた複数の男女が、それぞれの事情を解決して枠の外へ出ようとする話。

舞台は立方体の枠のみ。シンプル。おしゃれ。

9人+ゲスト1人が立方体の枠を出入りしながら、真相解明に挑む。

物語というより、パントマイムのパフォーマンスのよう。

大きな立方体の枠の中に、更に伸縮可能な紐で小さな立方体を作ってあやとりのようにダンスに組み込むところが白眉。

訓練の行き届いている感じがものすごい。

枠の表現自体は、去年の学生演劇祭でも見たけど、元ネタはどこにあるんだろう。

話全体の理屈はよくわからず。

録音なのか滑舌なのか、早口になると内容が聞き取れなくなるので、重要なキーワードを結構聞き漏らしたような気がする。

カーテンコールの役者紹介で、一人も名前が聞き取れなかったほうはご愛嬌でいいと思う。

================メモ================

「芸術賞」に投票

上演時間:01:30:33

公演時期:2016/02/13

作者・演出:大熊隆太郎

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うわの空・藤志郎一座『ただいま! 2016』(観フェス2017)

2017-02-22 00:24:31 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:うわの空・藤志郎一座『ただいま! 2016』(有料)地域:関東

2017/2/20

小さな島に住む家族が色んな客を迎える話。

噛み合わない会話とギャグが延々と続く。

共感できる理屈や笑えるギャグはあんまりないけど、笑いが起きても起きなくても全然ひるまない。

伝統的な見た目の舞台に、少年マンガのネタや唐突な肉体ギャグ、不謹慎なギャグなど、物量作戦でとにかく賑やか。

思いついたことは全部やる、という腹の据わり方。尺が伸びても気にしない。

「ユーアーマイサンシャイン」は笑った。

教師がみんなにバカにされててかわいそう。

「面白い話」のエピソードも集団の悪意を感じる。島怖い。

漁師と海女の仲が悪いのがおもしろい。

みんな勝手なので、勝手な人どうしのやりとりを感情移入しないように俯瞰して見るとちょうどいい距離感だった。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:02:20:03

公演時期:2016/05/05

作者・演出:村木藤志郎

紀伊国屋サザンシアター

出演者:
キヨ:南琴里
ミキジ:村木藤志郎
桃子:藤田翔子
桃子の父:濱川恭次
桃子の母:高橋奈緒美
桃子の姉・林檎:井上友里奈
桃子の兄・伸之:河合由士

桃子の同級生・志保:日下詩帆
桃子の同級生・めぐみ:池谷恵美
アタル(兄):みずしな孝之
スグル(弟):西田静市
アタルの娘・きょうこ:二宮響子

タマ:飯村幸子
漁師のゲン:小林三十朗
漁師:田邊浩仁 野田翔太 丸山哲弘 高田光洋 丸山陸歩 金沢大地
海女のリーダー・レイコ:福田美幸
海女:小島美恵子 松井冬望子 三原美雪 つちださゆり
村長:荒木太郎
駐在:林俊行
役場の新人職員:おくみき
女医・後藤:高村めぐみ
桃子の担任:島優子

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階「Recycle缶の階『話すのなら、今ここにないもののことを話したかった。 今ここにないものの話ばかりしようと思った。』」

2017-02-21 22:22:21 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:階「Recycle缶の階『話すのなら、今ここにないもののことを話したかった。 今ここにないものの話ばかりしようと思った。』」(有料)地域:関西

2017/2/20

「劇場」を舞台にした二人芝居×2。

削除された役とその役を演じるはずだった俳優、ある演目の再演を見に来た客とその演目の結論に納得していない登場人物。

存在しない存在を設定することで、演劇とは何か、役者が役を演じるということはどういうことかを対話形式で探っていく。

虚数という存在しない数を使って問題を解いていく感じに似ている。

登場しない登場人物が存在することで物語が成立するという話はゴドーっぽい。

二人芝居の大原則は対立。

本作ではそこに重きを置かず、作者の思考実験を対談形式で見せているような感じ。

見えているのは、仕込み前の劇場だったり椅子を並べただけの客席だったりするので殺風景だけど、会話の精度が高く聞き取りやすいのでとても上品な作品。

三脚に缶コーヒー載せて照明当てただけの景色が美しかった。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票

上演時間:01:36:50

公演時期:2016/01/10

作者・演出:久野那美

パシフィックシアター

出演:

ヒーローに見えない男:太田宏(青年団)
缶コーヒーを持つ男:諸江翔大朗

椅子を並べる男:七井悠
椅子に座る女:中村彩乃

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東京サムライガンズ『THE FAMILIAR』(観フェス2017)

2017-02-20 21:09:06 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:東京サムライガンズ『THE FAMILIAR』(有料)地域:関東

2017/2/15

両親の帰りを待つ青年のところに自称親友が五人も押しかけて共同生活する話。

いじめっ子グループに、いじめられっ子がひとり混じっている構成。

自分の学生時代にもそういう人たちはいたけど、あんまりお近づきになりたくなかったなあというくらいの距離感で共感する。

大人になってもいじめっ子といじめられっ子の距離はそのまんまなので、何か裏がありそうだなと思いつつも、なかなか飲み込めず。

全員、見た目が完全に大人なので、いじめを通り越して、犯罪臭がしている。

ほんとに500万もらっていたら、当たり前のように山分けしようとか言い出しそうで怖かった

あと、自分たちの生死も知らせず、3ヶ月も息子をほったらかしにした両親の無神経さがすごい。

いくらスペインでも、一度、帰って来るぐらいの時間もなかったのかな。

押しかけ組は、男子のイチャイチャ感があっていい掛け合いだった。

================メモ================

「笑える賞」に投票

上演時間 01:28:53

公演時期:2015/12/14

会場:明石スタジオ

作者・演出:加藤隼平

配役:

楓/舩原孝路
大和/榊原仁
光彦/志賀守
林太郎/星野ケンジ
友和/加藤隼平

政人/渡辺啓太
狭川/松田好太郎

声の出演/大久保藍子

(動画内テロップより)

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匿名劇壇『二時間に及ぶ交渉の末』(観フェス2017)

2017-02-20 01:31:38 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:匿名劇壇『二時間に及ぶ交渉の末』(観劇フェス2017)

2017/2/18

男女の別れ話から異星間交渉まで、複数の「交渉」の現場をつなぎ合わせて、大きな物語を完成させる話。

タイトルに反して80分弱しかないのが奥ゆかしい。

七人の役者さんが複数の役をこなしながら、各シーンの交渉を演じる。

対話を通して譲歩を勝ち取る。

言うは易く、書くのは大変。

どちらに感情移入させるか、ちゃんと計算して作られている。頭を使い切ってパズルを完成させている。

対話とメタ表現で構成されていて、これほど演劇的な話もないと思う。

言い間違いと聞き間違いのシーンが相当強引で作者の腕力を感じる。

緻密な作品の中に「えいや」っとねじ込まれる強引なやつは好み。

実際のところ、団体内で誰と誰が付き合っているのか、完全フィクションでも、それはそれで気まずくならないのかとか、下衆なことを考えてしまうのは仕方ないと思う。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票

上演時間:01:19:40

公演時期:2014/05/31

作者・演出:福谷圭祐

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