エミリの一筆啓上

#日記ブログ#猫ブログ
日々の思いを綴ります。

The Pacific ①

2016-03-30 06:02:56 | 日々のできごと
羽田空港にて『日本のひなた宮崎県』という看板を目にした、描かれた円形は太陽だろうか、陽だまりであろうか、そのマンゴーの果肉のような色をひなた色とでも呼んだら素敵よねって次女に言おうとして止めたのは飛行機の出発時間が迫っていたからだ。宮崎県には日向市という地名があるが、ひゅうが、ひなた、ひむか、何れも日向と書くが、どの読みも暖かい。

息子の住む宮崎県を次女と訪ねた。

前日は東シナ海に沈む夕陽を見に天草西海岸の夕陽スポットに立ったが雲が立ち込め見たかった夕陽はおあずけであった。翌日、宮崎へ行くため天草空港から熊本空港へ、次女がまるでアトラクションだと評したフライト、島々の景色、温かな接客、とりわけCAさんの笑顔に心がほっこりとなる、天草エアラインという地方の小さな航空会社の情熱を感じた。

益城インター口から高速バス『なんぷう号』に乗車、3時間程で宮交シティに到着、その日の宮崎は冷たい風が吹き荒れとても寒かった。兄の部屋を初めて訪れた次女は「キタナっ」と呟くもその無頓着さを面白がるようにっこり笑った。


その夜は三人で『ぐんけい』という居酒屋にてこれからのことなんかを勝手気ままにおしゃべりした。『木挽』という焼酎を呑み地鶏を食べた。冷たい風吹く宮崎の夜、空を見上げれば満天の星が煌めいていた。













東風

2016-03-20 02:07:44 | 日々のできごと
『東風吹かばにほひおこせよ梅の花主なしとて春を忘るな』菅原道真の和歌、東風(こち)とは春を告げる風のこと、美しい言葉である。



今の季節はよくよく風が吹く、麗らかな午前であっても急に風が吹き荒れる午後が少なくない、深夜1時を過ぎた今も雨戸をガタつかせるぴゅうとした風が吹いた。


街は梅の花が散りモクレンの花が咲いている。ほっこりと掌を合わせたような花弁、白過ぎないアイボリーがこの季節によく似合う。


先々週はミモザの花が盛りであった。目に鮮やかな黄色の花の愛らしさ、イタリアでは3月8日はミモザの日、男性が女性にミモザの花束を贈るそうだ。ミモザの花束を抱えた男女で街がイエローになる素敵な日、確かにミモザの黄色は温かな“ありがとう”の色である。












卒業の日に思う

2016-03-15 10:21:18 | 日々のできごと
前日までの雨は朝には上がっていた。

平成28年3月15日の本日は次女の高校の卒業式であった。

三学期は登校日以外はお休みなので昨日の三送会、今日の卒業式で次女の制服姿は見納めなのだ。

忙しい朝であったが、スマホ片手に写真を撮らせてと追いかけ回したら案の定「止めて」と拒否された。

制服姿は今日限りなのにってお名残り惜しくはあったが、私の心に焼き付けておけば十分だと諦めた。

そもそも今の姿を留めておきたいなどと願うのは親心である。


次女が通った高校は1900年に創立、県下では古参の女子校である。

彼女の志望動機は音楽部に入りたいであった。全国大会の常連校であった音楽部での三年間の凄まじさ、

次女曰く「私は音楽部のことは知っているけれど学校のことはよく知らないの」という迷言を残した。

野球部でもサッカ部ーでも柔道部でも弓道部でも庭球部でもボート部でもとにかく何部でもよいけれど、全国大会に出場してくるような学校はそれなり以上の練習を積み、はたまた伝統の重さをひしと背負っているものである。

次女は人知れず悩み苦しみ泣いた、いつもあたふた忙しくて授業中はただただ眠いと言った。憧れの先輩の話になるとお喋りが止まらなかった、伝統なのか大会の前後には後輩や先輩へしっかりとしたお手紙を書いた。

人生の縮図のような縦社会であったかも知れない。

卒業式はといえば、ずっとその形を継承してきたかのよう簡素にして美しい式典であった。

メンデルスゾーン曲、分袖から始まり、仰げば尊し、蛍の光、最後はドイツ語にて歓喜の歌が高らかに響き渡った。

グランドの夏ミカンの木、黄色い実にはお顔が描かれていた、並んで隣にはカリンの木があった。

新設高校や私立高校の最新設備の揃った校舎やグランドに比べたらなんと質素で何にもない学校だろう、

乾いたグランドを見つめ暫しタイムスリップ、何処からともなく耳に馴染んだソプラノが聴こえてくる。

貴女は小さな体で真直ぐに前を向き友を信じて歌っていました、私はあの時の貴女と皆の歌声を一生忘れないと思います。

素敵なハーモニーをありがとう、そして


卒業おめでとう














ウラシマタロウ

2016-03-09 11:35:22 | 日々のできごと
三週間ほど前に運転免許更新の葉書が届いた。そうかそうか前回更新から三年経ったのねって思っていたのだ、いやはやそんな事はない、しっかり五年の歳月であった。


うっかりを通り超して馬鹿みたいだと我ながら呆れた、鯖読みの二年間を何処で帳尻合わせしちゃったのか自分でも良く分からない。五年前と言えば次女は中学生、長男は予備校生、長女は大学生ではないか。。


私はといえば40代後半、長男から譲り受けたパソコンを使いブログというものをスタートさせた頃だ。抱いた心の有り様をあちらこちらの紙切れやノートに殴り書きしていたものを、私の頭がしっかりと覚えてる内にきちんと吐き出しておきたいと思ったからではなかったか。。


平成23年からの五年間は私を取り巻く環境も私の心情も揺れに揺れた。平成23年と言えば東日本大震災が起きた年である。今月の15日が誕生日であるがその年は誕生日どころではなく放射能に怯えた。息子と灯油を求めあちらこちらのGSを回った、三月とはいえまだまだ暖房無しでは耐え難い寒さであった。


子の巣立ちや私自身の年齢的な心身の変化は自覚が無くても体に障るのか夜中に覚醒する事が度々あった。

そんなこんなで目まぐるしい五年間だったから感覚的に三年くらいに濃縮されちゃったのかも知れないな、ってことで帳尻合わせをしておきましょうかね。。浦島太郎じゃありませんけどね、、




春雨

2016-03-07 21:35:05 | 日々のできごと
春雨の温かく淑やかな雨音は物語の序章のよう淡々と時を刻む。躍動を待ち焦がれる生き物たちの命の鼓動のようでもある。

弥生三月の花、沈丁花の香りは優雅でロマンチック、庭先にあれば心ゆくまで深呼吸したくなる、何故か美男美女の恋愛映画が観たくなる香りである。