長男が住む宮崎を訪ねた。息子が入学した年の秋に訪ねて以来であった。
待ち合わせ場所に車で現れた息子の見覚えのある風貌、一目で分かった。
初めて乗せて貰った息子の車は生活感満載、日常に小銭や野球道具や文具をお供にしているらしい、、
お腹が空いた私に、カレーとラーメンどちらが良いかと聞くのでラーメンと応えた、
おすすめのトマトラーメンは香辛料を効かせた赤いスープにストレート麺、息子はトッピングに粉チーズを掛けた。南国な美味しさであった。
息子の部屋は三年前と比べモノが増え、家具の位置が変わり、新品だったカーテンやベッドカバーが少し褪せていた。
数時間を掃除に費やせばきれいになるくらいのワンルームであるが止めておいた。
勉強を始めたので私は傍に並ぶ教科書を見せて貰った。小難しいのかと思っていたら、今風なイラストがふんだんに使われており面白く読めた。
カリカリとペンの走る音を聞きながら、私の知らない学生生活を思う、どんな人の中で過ごしてきたのだろう、風邪も引けば怪我もしただろう、お金に困った日もあればお腹の空いた日もあっただろう、疲れて泥のように眠った日もあるだろう、ドキドキしたりワクワクしたりヒヤヒヤした日もあっただろう、だけど私は知らないのだ。
宮崎は良いところだと言う、温かな人に恵まれたのだと嬉しく思う、座学が終わり来春から臨床実習、長いと感じた六年間の向こう側にある光が見えてきたような気がする。
霜が下りた寒い朝早くに、バス停まで送って貰って別れた、息子が放った幾つかの言葉が頭の中をぐるぐる回っている、じっくりと時間を掛けて答えを探してみよう、
自宅を一週間以上も留守にしてしまった、パパも次女もレオや猫のお世話でクタクタかも知れないな。。