エミリの一筆啓上

#日記ブログ#猫ブログ
日々の思いを綴ります。

ふたりの娘と川越へ

2014-09-22 18:41:22 | 日々のできごと
秋の川越を長女と次女と三人で訪ねた。ここ数年、小奇麗で垢抜けたお店が増えた。

自宅のある駅から二つしか離れていない街なのに、ちょっとした旅気分さえ感じられる。

散策兼ねて、あちらこちらに点在する神社仏閣巡りは愉しい、キンモクセイ香るこの時期はとくに良い。

社会人の長女と、高校の部活動に日々精進の次女の休みが重なったこの日は秋晴れ、

浮き浮き嬉しくて、長女と約束した時間の30分も前に着いてしまい、次女にほんの少し呆れられた。

計画性に乏しく気分で行動する母を、大人になった娘達は責めたりはしない。

私のいい加減さの幾らかを受け継いだであろう娘達は、私の良き理解者でもある。

長女は程無く、待ち合わせをしたGUのお店にやって来た。安価で可愛い服がいっぱい、

私はここで歩きやすいバレエシューズを、次女は乙女なワンピースを買った。

絵地図を見ながら熊野神社、蓮馨寺、時の鐘、とメイン通りを歩きながら、前に友人と訪ねた美味しい

和食のお店を探した。『魚や』という暖簾を見た瞬間記憶が甦った。魚料理が美味しいこのお店は、

要予約、次の川越来訪の際は予約をして来よう、楽しみが出来た。

この日、私達は川越氷川神社を訪ねた。子供達の成長の節目に度々に訪れた思い入れのある場所。

長女の三歳の祝いでは、白い襟付きの紺色のワンピースを用意した。襟に施したカットワーク刺繍は

私が施した。老眼になり細かい事がすっかりと億劫になった今は、丁寧であった頃の暮らしが懐かしい。

七五三のお祝いの子供達は一同に集められ、椅子に座らされた。艶のある黒靴を履いた長女の両足は

祝詞が流れる間中ぶらぶらと幼く揺れていた。20年前の愛おしい光景である。

どこからともなく雅楽が聞こえていたが祝言であった。綿帽子の美しい花嫁を格子越しに三人で見詰めた。

娘達にも良き御縁がありますように、淡黄緑色の地に小花柄が素敵な御朱印帳を娘に買い求めた。





















満月の夜

2014-09-20 16:43:29 | 日々のできごと
今年、十五夜のお月さまは雲が晴れず残念、しかし翌日は美しい満月。少し大きめスーパムーンというおまけ月であった。

その日は、かつて数年間一緒にお仕事をさせて頂いた友人のご命日、三年が経つ。一度ご実家を訪ねた後は供花を送るのみであった。ふとお母様を訪ねてみたくなりお電話をしてみた。

お母様のゆったり温かく優しい話し振りにホッと懐かしい気持ちになる。そういえば友人もこんな話し振りだった事を思い出す。

約束の日時に、電車とタクシーを乗り継ぎ向かった。三年振りであったので少し迷ったが、お母様が出て下さっていたので助かった。

綺麗に掃除が行き届いた玄関、和風のお家はやっぱりいいなぁと思う。通された居間にはお父様もいらっしゃって笑顔で迎えて下さった

優しいご両親の愛をいっぱい浴びて育った彼女は、素晴らしい書を書く人であった。亡くなる半年前に書かれた書の掛軸が床の間に掛けてあった。生き生きと生命力が漲る書をしばし見詰めた。

私の様な凡人ならば80年経てもここまでの境地には辿り着けないだろう。彼女の自在に筆を操る息遣いと駆け抜けた生涯が重なる。

先ほどから、微かに金木犀の香りがしてきた。









大きくなった子供達とレオと

2014-09-14 20:28:58 | 日々のできごと
先月、休暇の長女と、帰省中の息子を誘って数年ぶりに高麗川を訪ねた。

一家での外出は本当に久しい、老犬レオも嬉しくて水に入っては元気に歩いた。

お昼前に到着、当日は猛暑日であったが、河原はいつもながら涼やかであった。

大人になった子供達と高校生連れの私達一家は、他の可愛い水着姿の子供を連れた

家族が集う中にいて少し浮いていたかもしれない。

私などは、何もしなくていいし、川風に吹かれているだけでも十分楽しめる。

バーベキューをする予定はない。パパは釣り竿を三本持って来たていた。

粉の餌を練り仕掛けのカゴに詰め、糸を投げる。釣り針が5本くらいついている。

手先にクイクイっとした感覚が伝わる、竿を上げるウグイがぴちぴちと跳ねる。

結構面白い。長女と次女は根気よく魚と向き合っていた。

しかしどうした事か、長男は釣竿に付けた釣り糸を外してしまった、そしてその釣り糸

のみを投げた????

そのうち、これは性に合わないとでも思ったのか止めてしまった。

この日の彼の行動は、これも含めとても独創的で愉快だった。

釣り竿と釣り糸を手放した彼、次なる挑戦は石積みだった。両手で抱えられる石を持って来ては

丁寧に慎重に重ねた。周りで遊んでいる子供達が動きを止め彼をじっと凝視しているのに

彼は気が付いていただろうか?とにかく高く高くと、、彼の背丈を超えたころは誰もが息を吞んで

見詰めた。ぐらっと来た手前で手を止め完成となった。ちょっとびっくりするくらい高く積み上げられた

石の塔は光を浴び神々しささえ醸しだしている。すごいわねと言ってみんなで写真を撮った。

本当にブラボ~って感じだった。

そういえば、彼が小さい時、玄関から台所、居間とアリの行列の如く幾つも積み木を並べて

面白がっていたっけ、人の習性って変わらないもののだなぁと妙に感心してしまった。

そのうち石の塔は崩れ釣った魚をしばし留めておくいけすに変化していた。

細長いウグイは少しの穴からスルリと逃げてしまうので川砂を隙間に詰めたりしていた。

私と長女と次女とパパが釣った魚は結構な数であったが、帰るまでそこで泳いでいた。

次に彼が取った愉快な行動は、魚を取る仕掛けを作るって事だった。

流れに逆らうように石を横に並べ魚籠を固定し魚が入るのを待つというもの。

悪くはなかったが成果はゼロ、もうひとひねりが足りなかった。

何だかんだ、自然ってその気になれば結構遊べるものだなと思った。

私は小さな頃、河原の大きな石をオルガンに見立て弾く真似をするのが好きだったな。

すっかりと大きくなった子供達と少しおじいちゃんになったレオとの束の間の休日。

























若葉マークの彼

2014-09-13 15:25:04 | 日々のできごと
一昨日のことである。

二階の出窓にいた猫達が、網戸に鼻をつけたまま下を窺がっている。

よく見る光景なので暫く気が付かなかったが、先程から車のエンジン音がしている。

怪訝に思い下を見下ろせば、庭先に停めてある私の車に別の車が接触しているのだ。

息子くらいの若い男性が所在なさそうに、腰をかがめたり頭をかいたりしていた。

外に出て話を聞けば、駅に行くつもりで曲がったら行き止まり、バックで戻ろうとしたらぶつけて

しまったと仰る。一ヶ月前に免許を取ったばかり、乗ってきた車はお父さんの車だとも。

とりあえず、警察を呼び事情を話した。若い彼は平身低頭というよりも、動転しており

どうしていいか分からないという感じであった。彼の車の助手席には若い女性もいた。

お互いの連絡先を交換しサヨナラと云う時に、彼はお巡りさんに小さな声で言ったのだ。

「すみませんが、バックしてもらえませんか・・・」

人の好さそうなお巡りさんは、一瞬困った顔をされたが「取りあえず車に戻って」と仰った。

「エンジンかけてみて」「ちがうちがう、ドライブドライブ!!」「はい切って切って」

窓から手を入れハンドル操作を指示、助手席の窓からも声を掛けていらっしゃった。

数分間を要し無事に方向転換をし終わった彼の運転は怖かった。

私が助手席の彼女ならば降りているかも。

私の車のキズは許容範囲であった。もともと私がつけたキズもたくさんある。

息子と同い年というその彼に対して、親心が顔を出した。

「〇○さん、これで終わりにしましょう。無事にお家にお帰り下さい、気を付けて。」と告げた。

彼はすみませんと言い、車は蛇行しながら目の前から消えた。

それきりである。電話の一本でもあるかと思ったが、期待はしない。

若い時の失敗は付き物であるが、大切な彼女を乗せるには早すぎた。

それにしてもだ、彼に対して労わりの言葉ひとつも掛けない助手席の彼女は

冷た過ぎない?

運転も恋も若葉マークであることは間違いなさそうだ。





















雑感

2014-09-10 22:47:32 | 日々のできごと
大雨の被害が日本中のあちらこちらであり、記録的短期集中大雨という言葉を覚えた。

蚊によるデング熱に罹る人が百人を超えた。病名は知ってはいたが詳細を知ることはなかった。

かなり深刻なエボラ出血熱といい、地球上には人の手が及ばないことが沢山ある。

世界に前例のない速さで、日本は高齢化社会に向かう。団塊の世代は65歳に既に突入、

平均寿命を全うすると考えたならば、今後20年間は高齢化社会である。

介護だ年金だと、直接に我が身に降りかかる案件であることは確かだ。

私にとっての20年は大きいが、地球の歴史から見たら幻の如き一瞬か。

お向いのハナミズキに小さな赤い実が成った。

高くなった秋空、ヘリコプターの音が聞こえる。

災害や流行り病の報せを聞きつつ、私は秋を迎えた。