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いいピアノを弾きたい

ラフマニノフかガーシュインか

2010年02月25日 | weblog
重厚な和音をゆったり変化させて物語性に乏しい、アップダウンのないピアノ曲ですが、ご存知浅田真央ちゃんのフリーの曲目はオーケストラに編曲されたもので、ピアノソロより、耳にやさしい。弦楽器が束になって押し寄せる波は血が騒ぐほどの興奮を呼び起こす。
このようなダンス、舞踏要素のない曲、民衆のパワー・・・のような曲で自分を表現しようというのは そこまでのたった19年!の密度の濃い人生の蓄積が体の隅々に行き渡っているからこそ できるのだと思います。フィギュアスケートはもうアスリートの域を越えていますね。

荒川静香さんが「誰も寝てはならぬ」の曲でどうしても滑りたいと感じたのも、浅田真央さんがこの難解「鐘」で(一部のファンの不安をよそに)勝負したいと選曲したことに 私は音楽ファンとしてますます彼女を高く評価してしまうのです。
技術より表現力・・・(打撃より、守備?)の安定が勝負の鍵を大きく左右する今やすっかり円熟したフィギュアスケートの世界、明日の「女王決戦」をどきどきしながら見守っています。
タチアナ・タラソワ女史のスケート王国ロシアが勝つか 若い感性のカナダのコーチが新しい時代を構築するのか。ショートの「007」はキム・ヨナのボンドガールにほとんどのおやじさまがノックアウトでしたが(笑)・・・。フリーはガーシュインのピアノ協奏曲。曲だけなら断然ガーシュインが好きだけど ここまで彼女の努力が込められているラフマニノフを聴くと私もロシア音楽の神さまが真央ちゃんに栄光の鐘を鳴らせるような予感もする・・・。