松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

二葉完成です

2007-05-16 19:46:19 | 復活奮闘日記
カワイイですね。
とはいえ、全部で64個の芽が出てくるはずなのに、
今の時点でまだ15個しか芽が出ていません。
いくら生長に差があるってわかっていても、
なんか差がありすぎです。
おっかしいなぁと思って、
芽がでていないポットをほじくり返してみました。
すると、種から芽がでているはずのところが、
どういうわけか切られて枯れています。

他のも調べてみました。
全ての種から出てきてた小さな若芽が、
途中で切られてしなびているではありませんか。
これじゃあ出てこないのも当たり前です。
いったいなぜ?

二日後の朝、原因がわかりました。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

二葉登場

2007-05-15 18:54:09 | 復活奮闘日記
4月27日。二葉になりました。種のカラは完全に脱ぎ捨てました。毎日ちょっとずつ生長しているのがよくわかります。

画像では二葉が下を向いています。
ちょっとずつ二葉が開いて、
上に向かっている感じです。
二葉で樹木の品種を見分けることって、
できるのでしょうか?
これじゃ、朝顔と並べてもわかんないでしょうね。
もしこの状態で、この樹木が
「櫨」だってわかる人がいたら、
天才かも。


↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

芽が出始めた。

2007-05-14 20:32:16 | 復活奮闘日記
4月23日。最初の芽がいくつか出始めました。
種のカラをもうすぐ脱ぎ捨てそうです。

同じ条件なら同じように育つんじゃないかと、
私は漠然と思ってました。

でも同じ土で、同じように種をまいても、
すぐにこうして芽が出てくるのもあれば、
全然その気配もない種もあるし、
それぞれ千差万別です。
水につけている種も、割れてくる時期には
かなり差がありました。
もちろん、早く種が割れてきた方が芽の生長も早いようです。

どんな世界でも強く勢いのあるものが生き残るように、
こんな小さな種でも、
すでに力の差を見せつけ始めているって事ですね。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

グリーンフェスティバル

2007-05-13 15:38:28 | 美しい風景
今日は福岡県緑化センターの
年に一度のお祭り「グリーンフェスティバル」が開催されたので、
さっそく私もHimenoさんと待ち合わせて行ってきました。
天気も良かったので多くの人出で賑わっていました。

敷地内には「ハンギングバスケット」が飾られています。
こうやって見てみると、ほとんど生け花の世界と通じるものがありますね。
いろんな種類の花を集めて、色や形ごとにバランス良く配置してあります。


猿回しも人気でした。猿がうまくジャンプしたところです。

丸太切り競争。結構難しいもんです。


おまけ。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

松山櫨の接ぎ木 その3

2007-05-12 20:17:29 | 復活奮闘日記
松山櫨の接ぎ木作業はあっというまに終わりました。
素人がやると時間もかかる上に
きちんとした仕上がりにはなりませんが、
さすがに苗木のプロ。
口が悪くて、心が嫌がっても、
長い経験が素早い動作を
ためらわずに行ってくれます。
ホレボレする程、見事な接ぎ木の仕上がりです。

「あーあ、こんなんで接がるっちゃろかね。
櫨マケするもん、
いっちょん、す~かん。」
と毒づく大崎さん。

のど元まで褒め言葉が出てきた私ですが、
その言葉は胸にしまっておくことにしました。

接ぎ木された5本の松山櫨が、無事に活着して
生長できるかどうか、それは誰にもわかりません。
確率からいえば、かなり低いと思いますが
最初の一歩になったと思います。
ともかく、私は大満足していました。


福岡県緑化センターにある櫨の若葉です

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

松山櫨の接ぎ木 その2

2007-05-11 20:42:09 | 復活奮闘日記
私の険悪な雰囲気を察知したのか、
大崎さんはブツブツ言いながら、
冷蔵庫に入れてあった接ぎ穂をとってきました。

いよいよ接ぎ木です。
接ぎ木には田主丸型ナイフという、
緩やかにカーブした接ぎ木専用のナイフを使います。
常に切れ味を鋭くしておくために、
接ぎ木職人は、一日に何回も研いで手入れをするそうです。

まずは手早く接ぎ穂を選んで適当な長さに切った後、
シュッ、シュッ、シュッ!
穂木の先っぽを削って、先端を鋭くします。


スッと台木の端っこに切れ目を入れ、
間髪入れずにピッタリと合わせます。


合わせた後は「メデール」という、
接ぎ木専用のテープで固定します。


このテープは、しばらくすると自然に分解するので
取り除く必要がない超スグレモノです。
しかも新芽は、名前の通り、
このテープを突き破って伸びていくので
接ぎ木した後は世話いらず。
昔はビニールテープで巻いていたため、
ある時期になるとナイフでテープを切る作業を
しなくてはならなかったそうです。

大崎さんは、次々に慣れた手つきで仕上げます。
一本につき、約20秒足らず。
5本全部を接ぐのに、2分もかかりませんでした。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

松山櫨の接ぎ木 その1

2007-05-10 20:59:37 | 復活奮闘日記
4月13日。もう大崎農園での接ぎ木は
済んだんだろうなぁと思いつつ、
立ち寄ってみると、なんとまだでした。

「大崎さん、もう櫨の接ぎ木、終わったんでしょ?」
「ううん。オレも忙しいっちゃん。
そろそろせんといかんなぁと思いよるっちゃけどね~。」

…。
ホントに思ってたんでしょうか。
もう4月の半ばです。
ふと大崎さんの向こうを見ると、
葉っぱの山と、2人の作業着姿が格闘していました。

「あれ、何ですか?」
「みかんの葉落とし。」
「みかんの接ぎ木ですね!」
みかんの接ぎ木は4月の後半です。
その下準備のために、接ぎ穂の葉っぱを
取っていく作業のようでした。

着々と進む、みかんの接ぎ木準備。
なのに、たったの5本しかない松山櫨の接ぎ木は
いまだほったらかしです。
私の額には青筋が立ちそうになってきました。

「今からすぐ接ぎ木してくださいよ。」
「あと二時間でお客さん来るけん時間ないもん。
それに、そんな気分になれんっちゃん。

私は心の中で、1,2,3,と数を数えて
心を落ち着かせることにしました。
なんとか大崎さんに、
今からすぐにでも接ぎ木をしてもらわなくては。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

種を播く その2

2007-05-09 20:29:54 | 復活奮闘日記
4月11日、いよいよ芽が出てき始めた種を
ポットに播きました。

ちょうど倉庫に土と肥料を混ぜたのがあったので、
それを少々失敬して、
手早くポットに次々と土をつめていきます。
とりあえず全部で22個のポットができました。

真ん中に種を入れる穴を作って、その中に種を入れていきます。
いったん土に埋めてしまったら、
根っこの伸び具合がわからなくなるのが残念です。



最後に水をかけて終了。
葉っぱが出てくるのはいつになるでしょう。
毎日にらめっこしそうです。

ポット苗がどれだけ成長するかわかりませんが、
身近なところで櫨苗が生長するのを観察するのは
楽しいことです。

この時、私は全部のポットから二葉が出てくると思っていました。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

種を播く その1

2007-05-08 20:13:31 | 復活奮闘日記
台木用に水に浸しておいた種が、割れ始めて芽がでてきました。
画像は4月9日の状態です。
一日経つごとに芽が伸びていくような感じです。
このまま水だけ与えて観察し続けていいものか。

林木育種センターのHさんに
問い合わせてみました。

すると、できるだけ早めに、また乾かさないように、
土に移した方がよいとのこと。
あまり大きくなるまでおいておくと
今度は根付きにくくなるそうです。

そこでさっそく鉢(ポット)を用意して
いっせいに播くことにしました。

ちょうど友達のHimenoさんも櫨の種から
育ててくれると協力を申し出てくれたので
種を5個、お裾分けです。
ブックマークでもご紹介していますが
Himenoさんも、櫨の観察日記をつけてくれていますので
ブログ上で情報交換できます。
Himenoさんのブログはこちらです。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

もう一つの松山櫨の接ぎ木 その2

2007-05-07 21:03:56 | 復活奮闘日記
4月5日、私も松山櫨の接ぎ木作業の
見学に行く予定でしたが、
残念ながら時間調整が合わなかったので、
当日、Hさんが撮影した接ぎ木した様子の
写真を送ってもらうことになりました。

画像は接ぎ木した後の櫨苗です。
温室に並んでいます。
幼稚園の中にいるようです。



松山櫨が、こんなに居心地の良さそうな場所に
落ち着いているなんて、
いったい何百年ぶりでしょう。

今まで崖やら、土手やら、川辺やらに
追いやられた挙げ句、
たったの一ヶ所だけで細々と生き延びてきた松山櫨。
それが温室ですよ、温室!
きちんと水もくれそうですし、
美味しい肥料ももらえそうです。
なんて贅沢な暮らしなんでしょう。

とはいえ、いくら生活ぶりが良くても
うまく活着するかどうかは別の話。
もうちょっと見守ってみないと
なんともいえないようです。

いずれ私も林木育種センターの九州育種場に行って
このニュー松山櫨にご対面しようと思っています。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

もう一つの松山櫨の接ぎ木 その1

2007-05-06 20:44:29 | 復活奮闘日記
今年一月の末から開始した当ブログのおかげで、
櫨の関係者の方々と少しずつ
お知り合いになることができました。
その中で林木育種センターのHさんが、
松山櫨に興味を持ってくれました。

林木育種センターといえば、
花粉の少ないヒノキの品種を作ったとかで
以前TVのニュースで取り上げられたのが印象的です。

数ある植物の中で、
しかも絶滅危惧種が他にもいっぱいある中で
松山櫨に目を留めていただいたというのは
本当にありがたいことです。

櫨の木全般を研究した方はいますが、
松山櫨に注目して研究をした方はいません。
Hさんが研究の一環として、
松山櫨を育ててくれれば、
もっと詳しい事がわかるかもしれません。

3月の末、Hさんから連絡が入りました。

4月5日に、熊本県にある林木育種センターの九州育種場で
朝倉市の松山櫨の接ぎ穂を使って
なんと松山櫨の接ぎ木を行うそうです。

なんだかワクワクしてきました。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

台木用の種 その5

2007-05-05 19:47:54 | 復活奮闘日記
櫨の種を洗剤水につけてから、約1ヶ月。
ようやく種に割れ目が見えてきました。

…割れてきたのかな?

なんせ初めて見るので確信はありません。
「農人錦の袋」では、割れ目が見え始めたら
水から上げて播くと書いてありました。

そこで、水からは上げましたが、
そのまま土に播くのではなくて、
キッチンペーパーを水に浸した容器に入れて、
しばらく観察を続けることにしました。

そうこうしているうちに、
日が経つにつれ、
少しずつ、割れてくる種が増えてきます。
私は毎日種が割れていないかどうかを
チェックするのが日課になってきました。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

台木用の種 その4

2007-05-04 22:28:17 | 復活奮闘日記
種を洗剤水に入れて一週間。
種がきれいなオレンジ色になったので
今度はきれいな水の中につけておくことにしました。

もうちょっと洗剤水につけておいてもよかったのですが
もし種が割れてしまったら、
洗剤水が種の中に入ってしまうかもしれません。
そう思うと、なんだか気になってきたのです。

水の中に入れて、一週間、二週間が経過。
全然変化はありません。
しかし蝋分は水の中に入れても溶けてきますから
だんだん種が透明になってくるのがわかります。
時々きれいな水に入れ替えて、ひたすら変化を待ちます。

三月末。一つの種が、割れてきました。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

台木用の種 その3

2007-05-03 22:01:43 | 復活奮闘日記
水で薄めた中性洗剤の中に種を入れると、
入れた途端に水に浮いてくるものがあります。
それは中身が入ってないのでアウト。取り出します。

沈んだものだけを、そのまま放置しておきました。
毎日、種をかきまわしたりして様子を観察です。

こうして一週間ほどが経ちました。
かきまわす度に、表面の蝋分が溶けて
洗剤水が茶色に変色し、
種はきれいなオレンジ色になりました。
前々日の画像と比べてみてください。
なんだかキレイになった感じでしょう?

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ

台木用の種 その2

2007-05-02 19:07:16 | 復活奮闘日記
私は正直言って、ガーデニングってのは
ちょっと苦手です。
今までサボテンしかうまく育っていません。
しかし今回は松山櫨のために
櫨の台木用の苗をうまく育てたいと願っています。

そこで、よく考えたら
せっかくいい教科書を持っていますから
それを参考に育てていこうかと思いました。

そう!
もちろん、江戸時代の大庄屋、武下武兵衛の
櫨栽培の技術書「農人錦の嚢」です。

前振りは以前お伝えしたことがありますね。
そこで今回は種の部分を引用しましょう。

-------------------------------
櫨種子の播き方は次の通りである。
早播きする場合は、春の彼岸の少し前から
種子を水に浸けておき、二十日ばかりたって
だいたいどの種子にも割れ目が
見えはじめたころ、水から揚げて播く。
---------------------引用おわり

江戸時代は硫酸なんてありませんでした。
単に20日ばかし水の中に入れていたようです。
全く同じようにしてもよかったのですが、
武兵衛は本の中で、よい方法はどんどん取り入れろと
書いてあります。

私は考えた挙げ句、プラスチックの容器に
水に薄めた食器洗い用の中性洗剤を入れ、
その中に種をつけておくことにしました。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ