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松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

GO TO 都城(Miyakonojo)

2009-03-30 09:54:25 | 和弓と櫨
行ってきました。都城へ。

まずはちょっと日付を巻き戻して昨日の朝から。
朝6時半に山口のホテルを出発し、高速道を南へ降りていきます。途中で壇ノ浦PAで軽い朝食をとることにしました。


なんて素晴らしい景色!もちろんこういうスポットは今までバス旅行とかで立ち寄ったことはあります。しかし、自分で運転して一人で見るってのは格別です。気分も高揚してきたので引き続きドライブドライブ。

途中で弓のT先生を拾って都城へ。

都城ではただいま全国弓道大会で弓まつりが行われていたのです。もちろん私がわざわざ慣れない高速で長時間ドライブを決行したのは、念願だった自分の弓を購入するため。

この大会は全国から参加者が集まっており、隣町の馴染みの先生達もいました。
「いい弓が出ちょるよ。そして安いっちゃん!」と感激している先生も。
私も期待に胸を膨らませて弓屋さんの展示場へ足を運びます。あるある。弓道具店でよく見かける弓が勢揃いです。
小倉紫峯、横山黎明、永野重次、楠見蔵吉、南崎寿宝…。



「ほぉ~。これはいいね!これいいよ!」とT先生が感激したニベ弓を見たら24万円。しかもそれ、売却済みでした。
最近は合成接着剤を使っている弓が多いらしいのですが、ニベ弓もそこそこ出ており、ほとんどは既に売却済み。やっぱり良い弓は高くても、希少価値のせいか、すぐに売れてるみたいです。

私は以前櫨の勉強会に参加してくれた南崎裕一さんのところに行きました。南崎寿宝四代目である裕一さんの作る弓は、若いながらも冴えた弓を作るとの評判です。

「今は13kgを使ってるけど、希望としては15kgを引きたい。」と伝えて
10kg、11kg、12、13、14と見ていくと…ない!15kgがない!
「あ~。あの、ちょうど今、15kgがなくて…。」と南崎さん。

14kgでもいいかな~?とも思いましたが、竹弓を買う場合は妥協しない方がいいとのT先生のアドバイスもあったので、作ってもらうことにしました。
「煤竹にしますか?」と聞かれるので、違いを聞くと、外観の違いと弓の頑丈さだそうです。自然な色味を持った煤竹は美しく輝いてます。いろいろ迷った挙げ句、煤竹にすることにしました。出来上がるのは半年後だそうです。

「弐段の弓引きがオーダーメイドの煤竹とは贅沢な。」とT先生。
確かに今の私にはまだまだ贅沢ですが、良い弓を使うことで弓から教えられることも多そうです。

小物関係の販売コーナーでは「櫨蝋のワックス」も売られていました。横山黎明さん取り扱いです。

残ったわずかな時間に、決勝戦が行われている試合会場にも行きました。

昨年出場した西日本弓道大会を思い出しました。体育館の中での大会です。この喧噪の中で中てていくのは至難のワザです。男子で優勝したのは大分の方でした。

山口から都城まで400km以上走って疲れた一日でした。でも初めてのmy弓ができると思うと、ついつい頬が緩んでしまう私。これを励みに肝心の稽古もがんばろうと思います。

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襷(たすき)がけ

2009-03-26 23:57:37 | 和弓と櫨
最近弓の話題が少なくなってましたが、実は先々週あたりから襷がけの練習をやってます。
もう襷がけって?そう。着物に襷がけで審査が行われるのは四段から。よって次の参段までは普通の道着・袴で十分なんですが、実はある事情によって、参段から襷がけの練習をする予定を前倒しして、今から少しずつやることにしたのです。

ある事情とは、西日本リビング新聞社主催の

和菓子作り・本櫨ろうそく作り…選んで体験!
「着物が似合う筑後吉井~和を堪能する小旅行」

ってなバスツアーです。都会から着物を着たご婦人方がやってきて、優雅に散策&昼食を済ませた後、いつものように櫨キャンドルを作ります。みんな着物なので、私も着物で…と思ったら、私は着物持ってない!そんなわけで、とりあえずリーズナブルな着物一式を購入して襷がけの練習です。

審査などで高段者のあまりに華麗な襷さばきを見せてもらうので簡単そうに見えますが、襷がけは結構難しいです。おまけにどうにか襷をかけ終えると、今度は体の自由がきかなくなるし。着物に襷で手軽に引けるようになるためには、一体何年かかることやら。

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違う練習のやりかた

2009-03-17 22:45:10 | 和弓と櫨
先週、隣町の道場を訪れて弓の練習をしました。

その道場ではホームと全く違うやり方なので戸惑うことといったら。例えば練習方法。いつもは座射が三分の一、立射三分の二の割合でゆっくり引くんですが、隣町では全く座射はせず立射のみの練習です。しかも引く順番とかはバラバラで自分のペースで引いていくやり方。どういうことかというと、とにかくガンガン引くって感じ。なんつーか体育会系っていうか、汗の臭いのする弓道って感じです。

そこの道場の方たちにとっては普通の練習だったんだと思いますが、私にとっては、まるで強化訓練でも受けた気分。1時間でヘトヘトになって疲れてしまいました。きっと、ここの道場に通うと筋肉がついてメキメキ上達しそうな気もしましたが、なんとなく心が物足りない感じ。

礼射をする時の、順番を待つ時間、弦音で立ち上がる間合い。静寂の中で、時々小鳥の鳴き声が聞こえたりする心地よさ。一つ一つの動作を確かめながら弓を引くこと。全ての事象が揃った時の充足感。そういったものも弓道の魅力です。

ただし、こういった弓道の魅力を改めて考えるのも、他の道場へ行ったからこそであって、いつもはリラックスといえば聞こえがいいけど、結局だらだらと引いてるだけだったりするから、案外いい刺激剤になったのかもしれません。

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気を引き締めて

2009-03-05 20:07:27 | 和弓と櫨
弓道場には道場に通っている人の木製の名札が掲げてあります。どの人が何段なのかは一目瞭然です。

いきなり初段で登場する人もいますが、私は地道に一級からスタートして、順に初段、弐段と名札の位置を変えてもらいました。そうですねぇ。ドラクエレベルで言えば、やっとホイミとギラを使える仲間が増えて3人ぐらいになったあたりかな?(なんや、それ…)とにかく下から上がっていくのを実感するのは、実生活ではないので嬉しいです。

一人で名札板を見上げてニヤニヤしていると、四段のHさんが見透かしたようにいいました。
「弐段に上がって嬉しいやろ?」
「はい。」と私。
「トントン拍子に上がっちゃったね。」
「はぁ。今のところは。」
「以前、トントン拍子に参段に上がった人がいてね。」
「……。」
「その人、鼻が高くなっちゃってさぁ。あれはいやだね。人の言う事、聞かなくなっちゃうんだよ。偉そうに人の射を後ろから見て、なんだかんだと言い始めてさ。すぐそばに六段の先生もいるってのに、遠慮がなくなっちゃって。やっぱ、苦労知らずに上がると天狗になるんだろうね。いやだねぇ…。」
「………。」

まさしくクギを刺された感じ。それまでのふんわかイイ気分が吹っ飛んでしまいました。

実をいうと、習い始めた最初の頃、先生が他の方に指導しているのを聞いても、さっぱりワケが分かりませんでした。ところが最近は先生の指摘部分が少しだけ見分けられるようになってきたんです。これは驚きです。今まで霞がかかって見えなかった部分が見えてきたような感覚です。

おかげで他の人への指導を聞きながら、心の中で『なるほど~』と頷くわけですが、もちろんそれについて口には出しません。しかし心の中では溜め込んでるんです。溜め込んでる以上、はき出したくなります。もしそれを素直に口に出してしまうと、上記の通り『たかだか弐段参段が生意気にも…』となるんだろーなー。

私は思っていることをついつい口に出しては失敗するパターンが多いので、これは気をつけろという警告かもしれません。

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福岡女子特別臨時審査

2009-03-02 21:21:59 | 和弓と櫨
今日は博多の森弓道場で審査がありました。年に一回、お雛様の頃に開催される女性だけの審査です。4月や9月に男性陣と一緒に受ける地方審査は四段までの審査ですが、今回は中央審査。初段から七段までの審査が一気に行われます。七段の方を審査するんですから、審査員はそれより上の範士八段という雲の上の先生ばかりです。

私は、実技はともかく全く学科を勉強していないのでどんな問題か気になり始めました。するとこの女子審査では、毎年同じ問題が出るらしいとウワサを聞きつけ、それじゃあ、その毎度お馴染みの問題が何かを聞けば楽勝じゃん!と思った私。さっそく同じ道場のM子さんに聞くと、女子審査で弐段は受審してないとの返事。そこでM子さんの知り合いに聞いて貰うことにして、私は数少ない知り合いであるHookTailのkanaさんの小郡組へ行って、最近弐段を受審した方から聞き出して貰うことにしました。すると…

「う~ん、昨年弐段を受けたけど、それは女子審査じゃなかったからわからないって。」とkanaさん。

ちっ、仕方がない。ここはあきらめて、次に親しい甘木組へ行ってみます。怖いI先生のいない隙を見計らって一緒に弐段を受けるTさんに聞き込み開始。すると…

「ええ!毎年同じ問題なの?!で、その問題って何?」
その問題こそ、こっちが聞きたいんだってば!

収穫なしなので、とりあえず自分の陣地に戻って参段のM子さんの聞き込みの結果を聞くと…

「お姉様方に聞いてみたけど、今はみんな五段クラスでしょ。弐段はあんまり前に受審したから覚えてないって」

くぅ~~。焦ってきた私。よっぽど参段っぽい人に話しかけようかと思いましたが、今度はM子さんが

「ねぇ、そんな事してるヒマあったら、教本読んだ方が早いよ?」

と諫めるハメに。確かにこれじゃ、アンチョコ作りに精を出して勉強しない受験生そのものです。私はしぶしぶ教本を開いて、ノートにポイントを書き込みながら覚えていくことにしました。

そのうちにいよいよ審査が始まりました。昨年の9月に初段を取得したばかりの私は一立目の四番目。しょっぱなから登場です。朝の9時40分から始まって休憩を挟みながら夜の8時20分まで女性ばっかり449名が受審するので、審査員としても見るのも大変な作業です。おかげで参段までは弦音打起しという、競技なみのスピードアップが求められる礼射でした。弦音打起しってことは、いつ立ち上がるんだっけ?と思いながら、私は第二射場へ。

さあ、さっさと早く引けよっていう進行からの無言の圧力を感じると、どうにも集中できないままに甲矢を手に取り、短い会で発射。上に外れました。あわてちゃいかんと自分をなだめながら乙矢は少し余裕を持って発射。やっぱり上に外れました。見事土足です。やれやれ。心は落胆しながら退場しました。

射場の控えの間は一日中女性達でごったがえしてました。


遠的場では、着物クラス(四段以上の受審者)が巻藁を引いていました。


学科の問題は「弓道を始めた動機」と「胴造り」。直前にノートにポイントを書いたばかりだったので「よっしゃ~!」とばかりに書き込んで終了。あわてふたいめいて聞き込みしてたのがウソみたいです。


実技も学科も終わると、後はただひたすら結果発表を待つだけ。四段五段の受審者の射も見学です。


今回は中央審査なので、遠く関西や関東からも受審者がいて、たまたま控えの間で隣りに一人で座っていた女性Sさんは東京からとのことでした。雑談しているうちに、ふとワックスのことを思い出したので

「東京の小山弓具で櫨蝋のワックスを売ってるんですよ。」とPRしてみると「知ってますよ!ブログ見たことあります。まさか本人としゃべってるなんて!」とSさん。

私もびっくりしました。東京の人が知ってるなんて。しかもSさんは若くて実力のあるホープです。こういう方に知ってもらっているなんて、嬉し恥ずかしって感じ。ブログの威力を改めて思い知りました。ありがたやありがたや。

4時前にようやく結果が発表になり、無事に弐段合格となりました。ふと参段の結果を見ると、48名の受審者のうち合格者はたったの6名。次の参段は今までより一層手強そうです。

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もうすぐ女子審査

2009-02-27 23:33:58 | 和弓と櫨
3月2日はいよいよ女子特別臨時審査があります。

今日は審査前ということもあって、ちょっと緊張感を伴いながら練習をしました。…が、最初の一本だけ中って、あとは全然。引けば引くほど外しまくりで、かえって不安が募ってきました。どうせ審査では二本しか引かないんだから、甲矢だけ中ればいいんじゃないかというと、そうでもなくて、そういう時に限って、結局中らなかったりするわけで…。

弓道連盟のHPを見ると、審査の進行表やら人数が発表になっています。普通の地方審査では初段・弐段が大勢を占めるのに対し、今回の女子審査では五段や錬士を受審する方が多いのが特徴です。特に錬士なんて94名もいました。

四段以上は女性の場合、着物と襷さばきの審査になるので華やかな着物競演になるところですが、成人式などと違い、弓道では比較的地味な着物が良いとされています。錬士クラスになると黒い紋付き。私みたいなペーペーは白い道着ですから、こういう時はひと目で段位がわかりやすくなってます。

先日、博多の森弓道場へ練習に行った時、他の道場の方から、
「あなたはすごい大離れをするわね。びっくりしたわ。」と言われて戸惑ってしまいました。

その方によると、昔は小離れが主流だったのに、今は大離れの流れになっているのだとか。
離れの形を意識することはあまりありませんし(なんせその時の意識は的に向いてるし)、別に私は流行を追っかけてるわけじゃないんですがね、ともかく弓道にも流行り廃りがあるんだなと、ちょっと意外に思いました。

上の画像はお雛飾りの従者・左大臣です。左大臣は通常は白髪のおじいさん。そして右大臣は若者です。


どちらも弓を持っています。見ているうちにふと、女性版の左大臣・右大臣があると面白いのにとか思ってしまいました。

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あったかくなったり寒くなったり

2009-02-16 22:24:32 | 和弓と櫨
ただいま山苞の道では梅が見頃です。思わず車を停めてシャッターを切ってしまいました。

それにしても日曜はすごく暖かい一日だったのに、今日は寒かった!弓を引きながらくしゃみも出てきたし。

3月2日の審査に向けて、今日はやる気十分で引いてみました。10日近く休んでいたブランクからも少しずつ調子を戻しているし、このまま時間を作ってこまめに練習していこうと思います。

今朝、紅の豚さんから電話があって、柴田勘十郎氏の弓の画像を送っていただき、柴勘の弓の素晴らしさをとうとうと語っていただいているうちに、自分も欲しくなってしまいました。そこでT先生に言うと…。

「先生、私そろそろ弓を買う頃ですかね。」
「まあ、そうかな。」
「紅の豚さんは、柴勘の弓が軽くてしなってて最高だって言ってました。」
「柴勘?そうかな。」
「それで○○の弓は絶対買わない方がいいって。カーボン入りなんて最低なんだって…あっ!」

しまった。T先生はその○○の弓の愛好者なんだった。しかもカーボン入り。すっかり忘れてました。みるみる顔が引きつってきたT先生を前に、なすすべもなく目をぐるりと回してしまう私。

T先生「まだ、弓は急いで買わない方がいいよ。」
私「そうですね。もうちょっと今の道場弓を引きこなさないと。」

そんなわけで、これからもしばらくはプチ重たいペルシャ弓とおつきあいすることになりそうです。

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邪念は蜜の味

2009-02-13 21:21:32 | 和弓と櫨
他人の不幸はやっぱり蜜の味だそうです。

引用------------------------------------------
他人の不幸 科学的にも蜜の味だった

 他人の成功や長所を妬(ねた)んだり、他人の不幸を喜んだりする感情にかかわる脳内のメカニズムが、放射線医学総合研究所や東京医科歯科大、日本医科大、慶応大の共同研究でわかった。妬ましい人物に不幸が訪れると、報酬を受けたときの心地よさにかかわる脳の部位が働くという。13日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。
 研究チームは、健康な大学生の男女19人にシナリオを渡して平凡な主人公になりきってもらい、ほかの登場人物に対する脳の反応を磁気共鳴画像装置(fMRI)で調べた。主人公は志望企業に就職できず、賃貸アパートに住みながら中古の自動車を所有するという設定。大企業に就職し、高級外車を乗り回す「妬ましい」人物が登場すると、身体の痛みにかかわるの「前部帯状回」という脳の部位が活発化した。自分と同じく平凡な人生を歩んでいる登場人物には、この活発化が見られなかった。
 次に「妬ましい」人物を襲った「会社の経営危機」や「自動車のトラブル」などの不幸を示したところ、報酬を受け取ったときの心地よさにかかわる「線条体」が強く反応。この反応は、平凡な友人の不幸では見られなかった。また、妬みの感情が強いほど、不幸が訪れたときの反応が活発だった。
 放医研の高橋英彦主任研究員は「線条体はおいしいものを食べたときにも働くことが知られる。他人の不幸は文字通り“みつの味”のようだ」と話している。
産経ニュース 2009.2.13 07:38

--------------------------------引用おわり

妬んだり、羨んだりする感情ってのは、非常に人間的な感情だと思うし、私も常々体験しています。

例えば…
昨年のまほろば弓道大会で幸運にも近寄せに出た時のこと。二人で三位決定戦を争いましたが、前の人が的を外した瞬間、まさしく「他人の不幸は蜜の味」がしたんですよ!この時の快感ときたら、あんまり嬉しくなっちゃって高笑いが出そうになりました。「やった!外した!」って。

で、その後、私はどうなったかというと、この快感にシビレたまま力んで引いたため、前の人よりさらに大きく外しちゃって、惨めに三位を譲るハメになったわけです。せっかく初の賞状を貰うチャンスだったのに。半年経った今でも悔やまれます。

まあ、そんなわけで他人の不幸って本当に快感ですし、妬んだり羨んだりするのは恥ずかしい事じゃないってのが科学的に証明されて本当に安心しました。

それに弓を引くってのは、自分のそういった感情を認めた上で、なおかつそれを乗り越えて自分を制御するべし、ということを無言で教えてくれるわけですね。

自分がそういう感情の制御ができるのは、一体いつになることやら?

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灯りはほのかで

2009-01-19 23:03:29 | 和弓と櫨
初射会の後、弓引きの先輩Wさん宅にお邪魔した時の画像です。後ろの灯りは竹に丸い穴をあけて作った手製ランプ。手前は自作燻製のスモークベビーチーズと、スモーク魚肉ソーセージ。市販のベビーチーズや魚肉ソーセージがすごく美味しくなってました。

風流人なWさんはヤマメ釣りが大好き。「今はもうヤマメを釣りに行くんじゃなくて、ヤマメに会いに行くんだ。」とまで言う方。そのWさんの家は普通の日本家屋ですが、その居間に囲炉裏を作って部屋の壁は全てすだれをかけて、日常を忘れるような素敵な空間になってました。

面白いことに灯りはすべてサイドランプ。もちろん上からつり下げる蛍光灯なんてありません。いや、蛍光灯が悪いわけじゃないんですけどね、もし蛍光灯が吊り下げられていたら、おそらく興ざめしていたことでしょう。ともかくインテリアの中で、照明は重要な要素なんだなぁと実感したわけです。

弓を引く方は他の趣味も持っている方も多いし、手作り大好きな人も多いようです。弓の周辺の小道具なんかも素敵な自作のものを見せて頂いたりしますが、そういう事も含めて弓の楽しさがあるんだなと思いました。

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追悼射礼と初射会

2009-01-19 11:18:20 | 和弓と櫨
昨日は追悼射礼と初射会がありました。

追悼射礼とは、長年弓を引いてこられた故人を偲び、一手礼射をする儀式です。昨年末に筑前町弓道部に所属していたF先生が亡くなられました。Fさんは長年弓道部に在籍し、中学生や一般の方に弓の指導をされていた方です。脇正面にはF先生の遺影と花。そしてご招待したご遺族の方々に座って頂きました。


部員全員は上画像の通り、弓に黒いリボン記章をつけました。


ずらりと並んだ黒いリボン付きの弓。私の使っている弓も並んでます。

追悼射礼の場合、的に向かって礼をする前に、遺影に向かって正座になり、矢を一手持っている馬手をそのまま床につけて滑らせながら礼をし、それから基本の礼射を行います。つまり普段の礼射バージョンではあるのですが、少し違うだけでなかなか緊張するものです。

私はいつも一緒に練習している他の方となんとか礼を終えて的に向かい、座射を行いました。甲矢がすっと入ったので自分でもびっくりしました。乙矢はやや前に外しましたが後でT先生から、「あの甲矢は非常によかった。」とお褒めの言葉をいただきました。

追悼礼射はF先生と長いつきあいのあった他の弓道部員や、ご遺族の方達に強い印象と感動を残しながら無事に終わりました。私も、直接F先生にご指導を受けたことはありませんが、亡くなられた方に礼を尽くしながら一手を引くという儀式に参加できて本当によかったと思います。

その後は初射会。昨年は一本しか中らず今年こそ!とリベンジに燃えていましたが、終わってみたら四ッ矢二立でやっぱり1本しか中りませんでした。一手礼射でも1本。四ッ矢二立でも1本。しかも花的すら中らなかったのでボーゼン。礼射はうまく引けたのに、競射になった途端に入らなくなるのはなぜ?T先生からは「つまりそれが経験不足ってことなんよ。今年もたくさん射会に出て経験をつみなさい。」と言われました。

一方で今回は、なんと昨年1本も入らなかった算段のM子さんが3中ずつ計6中で優勝を獲得しました。今まで地道に稽古して蓄積されていた実力が、ついに表れてきたのかもしれません。努力した成果が出るって非常に喜ばしい事です。私も見習って練習がんばんなくちゃ。

今年もいろんな射会にでて弓の世界を満喫しようっと。

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弓引くの寒かった

2009-01-10 20:48:40 | 和弓と櫨
今日は朝から雪が降って非常に寒かったですね。土曜なので午前中は中学生の練習が入ってましたが、大阪からhideoitaitaさんが来られたので、中学生の練習後に弓を引きました。

とにかく寒かったんですが、久しぶりにT先生に一手礼射を見てもらいました。たまに見て貰うといろんなトコロが目に付くみたいでたくさん注意されました。そのうちの一つが体配。慣れてきたせいか動作にヘンなクセがついてるのでした。こういったクセは要注意で、体配は、あくまで一つ一つの動作を的確にしながら流れを殺さないように、つまるところクラッシックバレエとか日舞の振り付けと同じです。正確な振り付けをこなせっていうことです。体配は無意識のうちにクセとして出てくるから、稽古で正確にこなさなくちゃいけません。改めて身の引き締まる思いがしました。

その後、参段のM子さんとhideoitaitaさんと一緒に近くのうどん屋さんに行ったんですが、行く前は「あそこのうどんは何年も前に食べた時、麺が固くて美味しくなかった。」というM子さん。「ええ~?そうだったっけ?こないだ行った時は美味しかったけど…。」と私は首をひねりつつ、疑念を持ったままお店に行って食べてみました。すると…

麺は柔らかかった!

M子さんを唸らせる程、すごく美味しくなってたのです。後で聞いたウワサによると、店主が別の旨いうどん店で修行したとかなんとか…。M子さんが食べた後に修行したのか、その前に修行したのかは定かではありませんが、よく考えたら、一度食べた時に麺が固かっただけで数年間「あそこのうどんはおいしくない。」と言われ続けてきたわけですから、店の立場に立ってみたらお客さんってのは厄介なもんです。今回たまたまもう一度食べたから、M子さんの「脳内美味しい店リスト」に加わって良かったものの、もしそのまま食べなかったら、いまだに美味しくない店というレッテルが貼られていたことでしょう。

たった一つの出会いがその後の数年間、あるいは一生に影響していくことを考えると、弓の体配と同じく、一つ一つの振り付けや動作をこなすのと同様、人やモノとのつきあいも丁寧にやっていかなきゃと、改めて今日の寒さに身の引き締まる思いがしたのでした。

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弓のこと徒然なるままに

2008-12-09 21:41:22 | 和弓と櫨
昨日も今日も幸せな弓三昧の日でした。日曜の納会から数えると三連続弓三昧。

今まで使っていた12kの黒弓と、今日から使い始めた13kの弓を記念撮影です。ふむ。どちらも握りの下に「12」とか「13」とか「L」とか書いたラベルが貼ってあり、射会に行って弓置きに並べると一発で「ははん、初心者の道場弓だな。」というのがアリアリの弓なんですが、ラベルをはがすと他の人が判別に困ってしまいます。おとなしく13kのLサイズ(伸び寸)のラベルを受け入れて使うことにします。



今まで使っていた12kの黒弓は実は私のお気に入りでした。弦音がヘンとかちょっと変わった弓だとか言われた異端の弓(?)で、いわば「白い羊の群れの黒い羊」だったわけですがね。ともかく握りに弾力性があって柔らかくて非常に使いやすかったんです。この弓で弓返り覚えたし、正直言って手放したくない気持ちですが、もともと自分のじゃないし、新人の方がいずれ使うことになるので、名残惜しいけど13kの弓に弦を張り替えて練習しました。

13kの弓は、弓の強さばかりでなく、弓自体の重さがちょっと重くなっていました。どピンクの握り皮に替えたおかげで、握りは弾力性があり柔らかいビロードみたいな鹿皮の肌触りが心地よく感じます。今日はこのピンク弓で引きましたが、弓に引っ張られてる感じで、矢所は前ばっかり。慣れるのにもうちょっとかかりそうです。

ところで、なんでそんな派手なピンク色の握り皮にしたかって?いや、私は本来はワビ・サビが大好きな渋めの人間なんですがね、弓引きはそんな人が多すぎる!射会で似たような弓が並んでいると間違えるんじゃないかと不安になるんですよ。いや、ラベル付きの弓なんて滅多に見かけないので、そんな心配はホントは無用なんですが。ともかくちょっとした風でピューンと吹き飛ばされそうな自分のアイデンティティを確立するためには、他の人との違いが必要です。

本来派手さを嫌う弓道の世界でも、今では矢もピンク色の羽とか登場してるし、握り皮も様々なバリエーションが増えているのは、やっぱり私と同じように人はどこかに自分のアイデンティティを求めようとする本能があるのでしょうかね。

しかしこうやって弓を並べると、ファンタジックな妄想がつい浮かんでくるんです。もし弓に精霊みたいなのがついているとしたら?

そうですねぇ。黒い12k弓は、ちょっとひねくれたカラスの精霊だし、ピンクの握り皮の13k弓は、首にピンクのリボンをつけた太ったペルシャ猫っぽい精霊なんですよ。弦音は抜群だけどちょっと重くて気むずかしいんだよ、みたいな。

え?そんなのどーでもいいって?ま、そうなんですがね。

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たまには中ってるとこを

2008-12-08 21:00:53 | 和弓と櫨
今日の練習のヒトコマ。

最近、射会ではせいぜい1本しか中ってないので、たまには中ってるとこを写真に撮っておいて自分を励まそうかなと…。なんか前方向に外れた二本が余計ですが。

さて納会も無事に終わったので、いよいよ12kの弓を卒業することにしました。道場のロッカーを漁って隅の方に転がっている13kのカーボン弓を引っ張り出してきました。ちょっと埃かぶってるけど堅牢なカーボン弓だから十分使える上、現在使っている12kよりも弦音が良いので気分良く引けそうです。先生に握り皮を新しいのに替えてもらって心機一転。前よりちょこっとだけ強くなった弓をパートナーに、これからもガンガン引くぞ~。

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さ、寒かった納射会

2008-12-07 21:39:55 | 和弓と櫨
今日は博多の森弓道場で納会がありました。

もう、寒いのなんのって。なんせ射場ってのは片方が全て開け放してあるわけです。外と同じ。一歩射場に入ったら上着を着ることができないので、開会式の間も道着袴のまま。挨拶が早く終わらないかな~と皆さんも思ってたことでしょう。

その後も引き続き矢渡しと演武の間、正座してじっと見ていたら、じんじんと冷えてきて、終わった後、すぐに立ち上がることができませんでした。ただでさえ正座が苦手だっつーのに。もうヨロヨロと目立たないように控えに這っていって退場。ブルブル震えてしまいました。



さすがに射場での見学は少なくて、控えから見る人が多かったです。(ホントはちゃんと射場で正座して見るのが礼儀なんだって。)矢渡しは久恒先生、演武は90代の井上先生と80代の朝隈先生が弓を引きましたが、やはりあまりの寒さに襷をかける手がかじかんだり、途中で足が攣ったりして最悪のコンディション。正直この寒さじゃ弓を引くのも命がけかもしれないと思わせるものがありました。


それにしても、ご覧の通り女性は襷がけですが、男性は片肌脱いで弓を引くわけです。もう、チョー寒いって。私はまだ今のところ初段ペーペーなので道着袴なんですが。いずれにしても、暑いのも大変だけど、寒い中で礼式作法をこなすのも至難の業というのはわかりました。



今日は一手礼射でしたが、私の成績は土足(ゼロ中)。
「引き分けの位置が低すぎる。それに全然引きこんでいない。途中で終わってる。まだまだ課題多しやね。」と指摘されました。寒い上に、自分自身の下手っぴ射にウンザリしていた私ですが、少しは心慰められた事もありました。

実は博多の森弓道場の敷地内には野生の櫨が育ってます。ひときわ赤い葉っぱはまさしく櫨。

こっちにもありました。寒さでめげそうな私を励ましてくれるような赤さです。

「やっぱり、まだまだ修行が足り~~ん!」と言われてるみたい?

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西日本弓道大会

2008-11-30 21:23:44 | 和弓と櫨
今日は西日本弓道大会に参加してきました。

駐車場が恐ろしく混むという情報から、朝の4時半には起床。6時に家を出て7時50分頃には会場に到着。冷え込んだ朝の空気を吸いながら、大きな大会特有のワクワク感に気持ちも弾んできました。


順番表です。出場者1000人近くの全ての名前が載っています。
一緒に参加したHookTail+kanaさんと両端から探していくと、kanaさんが
「あっ、ありました。ありましたよ!名前が!」
よかった。自分たちの名前も載ってました。これで安心して参加できるってもんです。

矢渡しは、珍しく女性のみという華やかなものでしたが、実を言うと女性の朝隈範士が男性介添え二人を付き従える図の方がかっこよかっただろうな~なんて思ったりもしました。ほら、お姫様を守る騎士二人みたいな図になるんじゃありませんか?目の前で正座してかぶりつきで拝見したので写真はありませんが想像だけしてくださいな。


自分の立ちは210番。随分時間があるので巻藁を数本しにいきました。空港の横なので飛行機の離陸や到着をバックに気持ちの良いひとときでした。


まだ時間があったので、出張開店しているしらみず弓道具屋さんにお邪魔していろいろ見て回りました。カワイイ小物もあったりして楽しいひとときです。


おや?!こんなところに当委員会販売の「櫨蝋のワックス」が!…な~んて。実はあらかじめ私が持ってきて置いていただいたのでした。ありがたやありがたや。

競射の様子です。

三人一組で、4組が二射場に分かれて同時に打起しです。つまり24人が同時に引くわけ。


中っても中らなくても同じような音がして区別がつきません。しかも黒い幕が矢を分かりづらくしていますが、真横から見たらかなり迫力があります。

さて、こんな風に西日本大会を満喫したかのような私めですが、今日の結果は四射1中。予想された通りの予選落ちでした。距離も的も高さも全て同じ条件なのに、場所が違っているだけでどうにも落ち着かないもんです。満足に引けたのは中った1本だけ。他は弓手が力んだ射をしてしまいました。

筑前町からは誰も決勝に残らなかったので、お弁当を食べてさっさと帰途についたものの、
ふと晴れ渡った空を見上げると、


「まだまだ、お前は修行が足り~ん!」
そう言われてるような…。

明日からまた弓もがんばろうっと。

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