え~はなし

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恩返し不要。

2009年11月22日 | アメフト
「合同チームを組んで秋季大会決勝前の対抗戦に出てほしい」

県内の公立高校で唯一合同チームを組んだことがないということで私たちのチームにオファーが来たことがあった。

県内のフットボールを盛り上げるには他チームとの交流は不可欠、との見地からこれを快諾した。
合同チームの構成は私たちのチーム16名、入部人数激減で苦しんでいた私学のA高2名、そしてその春創部したばかりのT高校3名の合わせて21名だった。
他校の生徒を教え、教えられるというのは非常に貴重な経験だった。

特にその年創部したばかりのT高校の生徒たち3名は高校に入学して間もなく赴任したばかりで個性が強い先生に誘われるがままに部を創り、4月から3人でグラウンドの隅で練習をしてきたという。まだ部に昇格してないので同好会なんです、なんて会話を思い出す。

そんな選手たちに「チーム」というものを初めて体験させることができた、ということで顧問のT先生は非常に喜んでくれた。私自身もT先生のフットボールに対する愛情やこだわりに触れることができ、フットボール観の広がりを感じたものだ。

そのわずか一年後、T高校は人数をそろえ単独チームでの秋季大会にエントリーする。

公式戦初戦の相手は皮肉にもうちのチームだった。

結果はうちのチームの圧勝。
チームにとっても公式戦最多得点というおまけつきだった。

しかし創部してわずか一年余りでの単独チームでのエントリー実績や何よりもT先生の情熱は必ずや数年後に私たちのチームにとっての脅威になるだろうと、監督と話をしていたのを思い出す。

一方でT先生とはあの合同チーム以来私たち試合会場で声を掛け合う程度ではあるが交流を続けていた。
「おたくよりも新入生の入部数が少なかったから二年シメちゃったよ」
なんて軽口をたたくこともあった。
「またまた~」とかわしつつもひょっとして目標にしてもらえてるのかと思うとちょっと嬉しくもあった。

そのT高校に今日負けてしまった。
個人的には負けてはいけない相手に負けてしまった。
あのときの監督との会話がこんなにも早く実現してしまうとは。

情けないし悔しい。

T先生は試合後
「やっと恩返しができました」
とおっしゃっていたがこれは有り難くない恩返し。

T先生流に言えば
「やっぱりあの時、ツブシとくんだった」

いやいや嘘。

むしろまた1チーム警戒しなければならない相手が増えてしまった・・・そんな風に思っています。

次は負けませんよ。T先生。