え~はなし

いらっしゃい!コメントしてね!

神奈川・準決勝観戦記

2006年10月08日 | アメフト
神奈川の準決勝を観に行った。

選手たちにはこの試合の解説&解析を来週までの宿題にしている。ここに観戦記を載せてしまうとそれをそのまま、あるいは少しだけアレンジして書いてくる輩が出てくるので、先に「独自の観点で解説できなければ・・・うふっ」とだけ書いておこう。これを読んでいる選手諸氏。「・・・うふっ」の内容を知りたければ敢えてこれから先の解説をパックってちょ。自分が可愛ければちゃんと自分の観点で書いてくること。

さて、おふざけはともかく、備忘録的に書いておこう。

<第一試合 ○横浜20-0港南台●>
春に法政、慶応を敗り神奈川を制した横浜。その後の関東大会でも話題になっただけにその仕上がり具合に注目していた。夏も結構強豪と試合してきたみたいだし。20-0と完封で春に続き神奈川決勝へと駒を進めたが、この試合の出来そのものは試合後のスタッフ・選手の表情から察するに決して納得いくものではなかったようだ。
オフェンスは春の進撃の原動力となったショットガンではなくIを中心にボールを進めていくが、港南台の積極的な守備の前になかなか効果的のボールを進められない。「ショットガンを極力使わずに試合をものにしたい」との考えが見て取れた。結果的にショットガンを出して得点をするが、港南台のディフェンスのアジャストから考えてもショットガンで放ればいつでも得点できる余裕を含みながら後半も敢えてそれをしていなかった。後半になってからは見ているこちらが心配になるくらいQBに走らせていたが、あと一枚が取りきれなかった。本来の力を出し切れたとは言い難く、もちろん来週の決勝にむけ伏線もあるだろうが消化不良なのでは?
一方でディフェンスは巣晴らしい仕上がりだった。幾度かあった自陣内でのピンチ(といっても横浜自身が招いた自滅的ピンチ)でも全く慌てない安定ぶり。また、一本目が怪我したあとに出てきた二本目のクオリティーの高さといい、強豪というに相応しいチームになってきたと思った。
港南台は3年生が多く出場していて個人的には驚いた。近年、県立では安定した力を発揮してきたので横浜にどこまで食い下がるか、あるいはどういった戦略で臨むのか注目していたが、完封負けという残念な内容だった。途中、幾度かパスを通しサイドラインを沸かせたが結局は完封負けとなった。
とはいえ後半は横浜相手にがっぷり四つ。ライン戦でも決して負けてはいなかったあたりはさすが。今後も公立校の中心的な存在であることを確認させられた。

<第二試合 ○法政21-0慶応●>
さて、注目の大一番である。昨年のクリスマスボウルの覇者慶応。一方、春の関東大会出場を逃した神奈川の雄、法政。この二校が準決勝で当たるとは。あるいはいずれか一方が関東まで駒を進めることなく敗退してしまうとは。
試合前から互いにライバル意識むき出しでもの凄い緊張感。観ているこちらも震えた。
試合は21-0と完封で法政がものにしたが、実はこの試合、ゲーム全体を支配し、その鍵を握っていたのはなんと慶応ディフェンスであった。
慶応ディフェンスは前半から再三のピンチを自陣深くでしのぎ、ドライブはされても得点は許さない鬼気迫る集中力を発揮していた。前半一本差でしのぎきり、後半どこまで慶応ディフェンスが我慢できるかに注目していた。が、キッキングのミスからの自陣を背負ってのピンチはさすがに踏ん張りきれず2本目のTD。ここで集中力が切れて3本目のTDを許した感じであった。
慶応にとってはオフェンスの不振が痛かったのではないだろうか。結局この秋は3年生のQBは出場できずに終わってしまった。ライン間隔を広くしてその間にRBを配置するなど工夫はたくさん見られたし、代わりに出場した2年生QBの能力も高く(実際ウチは負けているのだが)今日の結果を受けては不完全燃焼という感覚だろう。
一方、法政の集中と運動能力の高さには本当に驚かされた。
慶応相手だからということもあると思うが本当にさまざまなオフェンスを効果的に使いこなしていた。こちらも「春のリベンジ」というのが実によく伝わってきた。
タックルも的確で早かった。ピンチらしいピンチは立ち上がりのシリーズのみというディフェンスの安定感もさすが。



・・・というわけで、来週の決勝「横浜vs法政」もいい試合になりそう。
そして慶応はもうシーズンが終わってしまった。
つーことは・・・
慶応はもう来年に向けてチームが始まったことを意味している。
もう来年への戦いは始まっているのだ。

最後に。東京では都立西が準決勝で春の関東王者・早大学院を敗り実に1989年以来実に17年ぶりに東京大会の決勝へと駒を進めた。快挙である。それも相手が早大学院だったというのがいい。

古豪復活。公立復活。

われわれも見習いたい。凄く勇気をもらった結果であった。