イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

少年陰陽師(4) 暦博士となよ竹のかぐや姫

2008年01月16日 08時01分05秒 | 小説

 10年の歳月が流れようとも、その衰えることを知らぬ輝ける美貌と求婚者たちの数が伝承や物語と同じ5人であったことから《なよ竹のかぐや姫》と謳われる美姫・篤子(すみこ)を妻(さい)としたのは『少年陰陽師』の主人公・安倍昌浩の14歳年長の長兄・成親(なりちか)でした。現在では数え年6歳(満5歳)の長男・国成(くにしげ)、数え年5歳(満4歳)の次男・忠基(ただもと)、生まれたばかりの長女<小姫>(これは呼称で、名前は不明)の二男一女を儲けて幸福な家庭を営んでいます。

 篤子がしつこい輩に言い寄られ困り果てていた時、二人は巡り逢いました。当時、男の身勝手さにすぎない“浮気は男の甲斐性”という言い訳を振りかざす不実な輩の中の一番のタワケに呪詛をかけられて篤子は苦しんでいて、他の女房(にょうぼう)や雑色(ぞうしき)どもは言い寄る輩に懐柔されて頼りにならず、味方は篤子の父・藤原為則(ふじわらのためのり)と篤子に絶対の忠節を尽くす女房の真砂(まさご)、そして、後に昌浩の加冠役を務め彼の後見人となる篤子の幼馴染の藤原行成(ふじわらのゆきなり)だけという、四面楚歌の苦境に陥っていたのです。


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