イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

触らぬ疫病神に祟りなし

2014年07月09日 13時44分06秒 | 高橋美由紀

パンドーラーの壺の中には怪物が眠っている! パンドーラーは「一切福」を産み出す大地母神レアーの化身であり壺の番人にして封印。その封印は絶対に破ってはならない! 触れてはならない! その結果、篠塚よりは格段に劣るものの『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズ(Jason Voorhees)のようにDIVは破壊と殺戮の嵐と化すのだから。海辺の別荘で爆殺された「毒針のBEE」BEVII(♀)に次いでDIVの地雷を踏んでしまった自分達の過ちが何だったのかを気づくも時既に遅く「氷の兄弟」DVI(♂)とDVII(♂)は惨殺されたが、DIVの後ろ姿を見送ったイック(No.19 / ♂)は慎悟を傷つけた者に怒りを抱くと同時に彼らに同情した。

助っ人の外科医として潜入したイックの指揮により慎悟が収容された総合病院は「UB」の監視下に置かれるが、密かに慎悟とDIVに便宜を図って特別室をあてがう彼らの目的は何か? イックの偽名と慎悟の刑事事件としか思えない打撲と槍に貫かれての重傷のことは病院側にどう言い繕って納得させたのかも気になる。

DIVは殺して遺体を河に投げ捨てたDVIIのスマホ越しに死刑宣告をドン・ウィリアムにヤンの分も含めて叩きつけた。これが生前のバハモンテが見た夢が現実になるのか?慎悟の母性愛が出来の悪い子供(DIV)を制止するのかは定かではない。


 版権がパラマウント映画からニュー・ライン・シネマに移った第9作以降からジェイソンは「ボーヒーズ」に変わったとされるが、ただ単にメディアによって違っていただけでありパラマウント時代だった8作目以前から「ボーヒーズ」表記のメディアも存在した。配給会社との取り決めとか翻訳家とかは関係ないらしい。そもそもジェイソンの場合は『ハロウィン』シリーズの「マイケル・マイヤース」とは異なり、フルネームで認識されること自体が少ないという声もある。確かにその通りだが、フルネームが設定されているのであれば、知りたいと思うものだ。

日本のみワーナーブラザース配給だった第1作の犯人であるジェイソンの母パメラを「ボリーズ夫人」という配役名で日本劇場公開時のチラシやパンフに載せたため、その息子であるジェイソン本人も当然同姓である筈だと暫くは「ボリーズ」がそのまま使われていた。しかし、英語のネイティブ発音から考えると「ボリーズ」というのは明らかに不適切であり、段々と原発音に近い「ボーヒーズ」に変換されていったのだろう。もっと正確には「ヴォールヒーズ」という発音になる。因みに、一時期「ブーヒー」と表記していたメディアもあった。

シングルマザーで母子家庭に見えるほど父親の影が無かったが、ジェイソンの父エリアスは殺人鬼親子と化した妻と息子を捨てて離籍し、別の女性と再婚して娘ダイアナを設けた。普通に両親が揃っていた場合、この母にしてこの子ありと母子揃っての殺人鬼なんぞ縁切りしたくなるのは仕方の無いことだ。


『13日の金曜日』
ジェイソン・ボーヒーズ

生年月日:1946年(昭和21年)6月13日(木曜日)
出生地:ニュージャージー州ブレアーズタウン付近
身長:192cm
体重:114kg
※ 大柄で筋肉質な体格だが、子供時代は背が低く痩せ型だった。常人の2倍はある心臓と異常に小さな脳を持っている。

家族構成
 父:エリアス
 母:パメラ
 異母妹:ダイアナ・キンブル(旧姓:ボーヒーズ)
 ※パメラの狂気を嫌って離婚し、別の女性と再婚したエリアスの娘。
 姪:ジェシカ・キンブル(元夫スティーブンと復縁した後は:フリーマン)
 ※ダイアナの娘。まだ赤ちゃんだが、復縁したスティーブンとの間に娘ステファニーがいる。


 題名の『13日の金曜日』とは母パメラの発狂の原因となったイジメられ湖に突き落とされて行方不明になった日と、その凶行の果てに第1作の主人公であるアリスに鉈で返り討ちに遭い絶命したパメラの命日のことである。誕生日もお揃いの13日の金曜日かと思いきや、意外にもジェイソンが生まれた日「1946年(昭和21年)6月13日」は“13日の木曜日”だった。