『9番目のムサシ レッドスクランブル』の「Mission8：episode15」
→ 生死の境をさ迷う橘慎悟（♂）は、三途の川ならぬ深い霧が立ちこめる“三途の森”で篠塚高（No.9 / ♀）との運命の邂逅の契機である暗殺組織「タイガース・アイ」の竜童に殺された幼馴染の嶋田良一と幼い頃に事故死した両親に再会する。DIVとコテージにいたことは覚えているものの何が起きたのかを忘れており、いつの間にか真っ暗闇の空間に移動して懐かしい人々との再会の記憶を失い、誰かが一緒だったようなという漠然とした感覚しか残らなかった。それはまるで明け方の夢。眠りから醒めて、その間に確かに見ていた夢を覚えていないように。闇の中に置き去りにされ途方に暮れる慎悟を誰かが呼んでいる！ふと見れば光が灯り、その中から誰かが呼んでいるのだった。
一方、イック（No.19 / ♂）は応援要員のS大病院の外科医として慎悟が運び込まれた総合病院に潜入してDIVとすれ違い、自分達や彼のような人種は基本的に他者を信じず足取りを掴まれることを忌避して傷病を負っても医療機関に近寄ることは禁忌だと知っていたため、慎悟のために禁を破り救急外来に足を踏み入れたDIVの姿に内心驚きを隠せない。慎悟が彼の人間性を復元しようとしていることを知り、何があっても邪魔をするなという篠塚高（No.9 / ♀）の真意を悟った。手術中に幾度となく心臓が止まりかけ後遺症が懸念され、ICUで昏睡状態に陥ったままの慎悟に生きてくれと祈るイックは看護士として先行していた部下がコテージに向かうとは思いも寄らずDIVが逃げると焦るのを制し、慎悟がここにいる限り必ずDIVは戻って来ると諭す。既に病院は「UB」の監視下にあった。
嶋田の愛称が“島”とは何のこっちゃ！読者の知らない間に改名させたのか？おそらく物語開始直後の初期のキャラだったため、読みは覚えていても名前をマトモに記憶していなかったのだろう。カタカナ表記で“シマ”だったり下の名前の“良一”だったりと慎悟の彼を呼ぶ名もコロコロと変わり、後に“シマ”で落ち着いた。しかし、作者は忘れ果てていたらしい。情けない。
天堂の花園、海のように巨大な大河（三途の川）、暗いトンネル等々と生と死を分ける境界は色んな形であるが、三途の川ならぬ三途の森とはね。慎悟にお父さんのことも呼んであげて欲しかった。
慎悟を傷つけた元凶はDIV自身でも実行犯はDVIとDVIIであるため、彼らに報復すべくコテージに向かうDIVが水の引いてきた河を渡る姿はまるで海坊主のようだ。その頃、スペインの赤い馬本部では暫定的にとはいえ組織の実権を握ったNo.2のジェイデン・ウィリアムとNo.3のヤンがDナンバーの減少を回避しつつ邪魔者であるDIVの口封じと未だ正体が掴めない謎のアジア人の女性兵士（篠塚）を手駒にすべく慎悟の身柄確保に外部の戦闘集団を雇い動き出そうとしていた。
1．総合病院の救急外来に運び込まれる。
2．深刻なレベルの重傷により、緊急手術開始。途中で何度も心臓が止まりかける。
3．術後の経過観察のため、ICUに。
4．4日目、自発呼吸等は問題が無いので呼吸器を外し、予断は許さないながらも特別室に移る。
5．10日目、依然として覚醒せず後遺症が案じられていた。
6．詳しい時間経過は不明だが、覚醒した。
『9番目のムサシ レッドスクランブル』の「Mission8：episode12」から始まった“氷の兄弟”篇だったが、ミステリーボニータ8月号の「Mission8：episode16」で遂に幕が下りた。DナンバーのDVIとDVIIが封印を破ったことで解き放たれた疫病神DIVにより惨殺された。DIVの封印、それは橘慎悟である。
特別定価：本体 667円（税別） 720円（税込）
発売日：2014年7月5日
次号：2014年8月6日
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『9番目のムサシ レッドスクランブル』は16回目に、つまり1年と4ヶ月が経過した。遂に“氷の兄弟”DVIとDVIIが殺された。これまでの篠塚高（No.9 / ♀）の弱点として慎悟を狙った敵と同様、彼らとドン・ウィリアムらは思い違いをしていた。慎悟は弱点ではなく封印！戦闘職種としての、暗殺者としての篠塚や疫病神DIVを封印し人間たらしめる封印である。大地母神レアーの化身でありパンドーラーの壺の番人にして封印たるパンドーラー、冥府をさ迷う魂や魔物どもまでもが救われる日まで共に歩き続ける地蔵菩薩のように慎悟は寄り添う。
地蔵菩薩に縋る幼い子供
慎悟は地蔵菩薩にも見えて来る。
Wikipedia
地蔵菩薩
地蔵菩薩 （じぞうぼさつ）は、仏教の信仰対象である菩薩の一尊。
サンスクリット語ではクシティ・ガルバと言う。クシティは「大地」、ガルバは「胎内」「子宮」の意味で、意訳して「地蔵」としている。また持地、妙憧、無辺心とも訳される。三昧耶形は如意宝珠と幢幡（竿の先に吹き流しを付けた荘厳具）、錫杖。種子（種字）はカ（ha）。
大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々をその無限の大慈悲の心で包み込み、救う所から名付けられたとされる。日本における民間信仰では道祖神としての性格を持つと共に、「子供の守り神」として信じられており、よく子供が喜ぶお菓子が供えられている。
一般的に、親しみを込めて「お地蔵さん」、「お地蔵様」と呼ばれる。
地蔵菩薩に関する伝承
古代インド王の転生
過去久遠の昔、インドに大変慈悲深い2人の王がいた。一人は自らが仏となることで人を救おうと考え、一切智威（成就）如来という仏になった。だが、もう一人の王は仏になる力を持ちながら、あえて仏となることを拒否し、自らの意で人の身のまま地獄に落ち、すべての苦悩とさ迷い続ける魂を救おうとした。それが地蔵菩薩である。地蔵菩薩の霊験は膨大にあり、人々の罪業を滅し成仏させるとか、苦悩する人々の身代わりになって救済するという説話が多い。
子供の守護・救済
菩薩は如来に次ぐ高い見地であるが、地蔵菩薩は「一斉衆生済度の請願を果たさずば、我、菩薩界に戻らじ」との決意でその地位を退し、六道を自らの足で行脚して、救われない衆生、親より先に世を去った幼い子供の魂を救って旅を続ける。
幼い子供が親より先に世を去ると、親を悲しませ親孝行の功徳も積んでいないことから、三途の川を渡れず、賽の河原で鬼のいじめに遭いながら石の塔婆作りを永遠に続けなければならないとされ、賽の河原に率先して足を運んでは鬼から子供達を守ってやり、仏法や経文を聞かせて徳を与え、成仏への道を開いていく逸話は有名である。
このように、地蔵菩薩は最も弱い立場の人々を最優先で救済する菩薩であることから、古来より絶大な信仰の対象となった。