新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

「植民地朝鮮と児童文化」大竹 聖美著 2009年1月刊

2009-04-10 21:15:17 | よみもの
若い研究者による植民地文化の研究書。善意の児童文学者の思いと政府の思惑が絡み合った時に生まれた植民地児童文学。
甘い砂糖衣の下に見える文化的侵略の意図は苦く、植民地朝鮮だけではなく日本の子供にも同じように植民地支配という思考の刷り込みがおこなわれていたという事実が丁寧に解きほぐされていました。 明治から大正昭和期にかけての朝鮮文化のとらえ方・教え方の変遷を時系列で解説してあるのもたいへんに興味深いものでした。今なお解決していない朝鮮人徴用兵の悲劇の始まりはこんなところにもあったのかもしれません。(2009年3月読了)

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