新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

「四畳半神話大系」

2005-12-29 19:25:08 | Weblog
森見登美彦;著,2005年太田出版

2段組290ページ、1ページ目の下段あたりで「やられた」感を持ち、
あとは一気に読むしかありませんでした。
身は本州最北にありながら、鴨川の岸を彷徨するわたくし。
きっと生き霊の2,3体は飛ばしていたと思います。
そうですよ、多少の選択の誤差があったとしても大勢に影響はないのですよ。
私が持って歩いた想いも・それを仮に伝えていたら、あの人の運命は??
~変わってないんですよ!!そういう事にしときましょうよ!!
ああ久しぶりのフラッシュバックを味わいました。

イジューイン好きは読んで吉:

「天使」~Der Engel

2005-12-29 19:04:47 | Weblog
佐藤亜紀;著,2005年文春文庫

なんとも豪勢なお話でした。
読後には白ワインとアスパラをたんと食べたくなること請け合いで。
寒さと泥と雪と、透き通る夏の日射しと。
そういえば、小説の時間は真夏で半袖の筈なのに冬だと思いこんで
読んでいた部分がありました。一冊通して寒い季節を身悶えする、
そんな小説でした。・・・やっぱすげえわ、佐藤亜紀。

「聖者の異端書」

2005-12-29 18:46:30 | よみもの
内田響子;著,2005年中央公論新社
物理的にずいぶん遠くまで連れて行かれてしまうお話でした。
しかし、理不尽なまでに遠くに連れて行かれてしまう「恋」の本質を
見事に表現されておられるあたり、作者さまの力量を感じました。
ファンタジーという切り口を選択された経緯は存知ませぬが、次作も期待
させていただきたいと思います。