旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

英語の最初の一歩

2014年04月10日 | 旅のノウハウ
ここで何度も触れてきた旅と言葉の問題。私個人としてはあくまで旅を楽しむためにはある程度の英語力、それから現地の言葉を使ってみようという気持ちなどは必須だと考えています。それでは英語が苦手な人はどうすればよいかというと、まず、英語が苦手という事が多分”あり得ない”事に気がつく事から始めてみませんか。

たとえば、あなたの周りの人で、日本人の両親のもとで日本に生まれ育って、”日本語は苦手なので、英語で話してください”と言う人はいないと思います。生まれ育った環境によって話す言語は違ってくるだけなので、そもそも”得意、不得意”に至る物ではないわけです。もちろん、日本に生まれ育っても”国語”の成績が良い人、悪い人がいるのと同様、英語の成績の良し悪しは発生しますが、それは別の話です。言語をコミュニケーションの手段として使用するのは人類という動物の”習性”に発する事であって、英語でコミュニケーションをとる事は日本語でコミュニケーションをとるのと変わらず、得意不得意なくできるはずなのです。

私の周囲には海外を旅する人が多いので、それぞれにある程度の英語は話します。多くは特別な英語教育を受けたわけではなく、学校英語を使って現地で応用して話している人が殆どです。この人達と話していて、ある時気がついた英語が話せる人と話せない人の一つの分岐点があります。今日はその話です。

4月になって新しい年度が始まり、これから新たに英語を学び始める若者たちや、あるいは気持ちを新たに英会話学校へ通い始めようという方などにも参考になれば。

 結論から書くと、得意不得意の分期限は”並べ方の違い”に気がついたかどうかです。

 我々の世代の場合、英語は中学1年生から学習し始めるわけですが、最初は単語帳を使って単語を覚えたりしたものです。
 そして、その単語を展開してみます。たとえば、

 This=これ
 is=である
 pen=ペン

 で、並べてみます。"This pen is"。

 答え合わせをして正解が"This is a pen."である事を知って愕然とした時、多分、最初の”不得意”意識が生まれるのだと思います。英語をある程度身に着けた人の多くはここで”あっ!順番違うんだ”と気づいたと言います。不得意な人は”不正解”にパニックになったのではないでしょうか。
 
 日本語との並べ方の違いは多分、日本人の外国語に対する苦手意識の根底にあると思います。ヨーロッパの人は4ヵ国語、5ヵ国語を話すからとか、そういう理由で諸外国の英語教育を真似ようとしたりする意見もありますが、日本の場合、元の言語の”並べ方”が違うので、同じようにはいかないと思います。

 かなり乱暴な言い方になりますが、世界の多くの言葉において、単純に単語を入れ替えただけで"This is pen."位まではたどり着く事ができます。あとは"a"がつくのか"an"になるのか、つかないのか等でほぼ正解を導き出すことが出来るのです。実際の会話では"a"をつけ忘れてもたいていコミュニケーションはとれますから、コミュニケーションの成立は日本人に比べてかなり近道です。

 それでは不利な条件に居る我々はどうするべきかというと、まず、”並べ方が違う”事を知り、次に”英語流の並べ方に慣れる”事です。例題、例文すべてに対して、その不思議な並べ方にパニックになる事なく、知らない単語に気をとられるだけでなく、どういう並び方になっているかを意識しているうちに自然と英語流の並べ方には慣れてくるものです。そうすればしめたもの。あとは単語を覚えれば、何とか形は作れます。活用形などはその次の作業。実際のコミュニケーションでは"He have ..."と言ってしまってもたいてい気にも留められずに会話は進行していくものです。試験の点数は取れませんが...。

 先日書いた”片言”についてもの視点は効いてきます。たいていの言語は英語流の並べ方になるので、現地の言葉を片言覚えた場合、単語を並べてみるのであれば、英語流に並べてみるのが正解の可能性が高い使い方です。また、”片言”を覚える際も、単語を覚える事に終始するのではなく、言葉の並べ方ごと覚える意識を持てば、身に着くのが早い事は間違いありません。


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