旅のウンチク

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ガイド紹介②~ビンス

2003年06月17日 | 海外ツーリング
ちょっと悪ガキがかっている人物が多いガイドたちのなかでおそらく一番紳士なのかもしれません。オーストラリアのビンス・ストラングはオーストラリアンサファリの日本人向けサポートプログラムなどでも実績のある人物。
 他のガイドとは違って、普段はインバレルの町でVince Strang Motorcycles and Power Equipmentを経営しているバイク屋のオヤジである。1992年のニューサウスウエールズ州エンデューロ・チャンピオン。オーストラリアンサファリには90年、91年、92年、97年の4度出場。1992年はISDEにも出場。さらに1992年の日高にも出場したことがあるので日本人ライダーには一番知られているガイドかも。
 ビンスの走り方は非常に安定していて、無用なリスクは絶対におかさない。ときどきふざけてみせるデイブの派手なライディングとは対照的なんですね。あるツアーで、川を越える際にお客さんと二人でふざけて派手に水しぶきを上げて走ったらビンスに真顔で注意されたことがある。”そういうトラブルを誘発するような走りは避けるべきだ”と。実は私はビンスと走っていて、カナダのデイブの方が上手いんじゃないかとずっと思っていました。ところが1999年に来日した際、今は閉鎖されているHARPで行われていたウイークエンドレーサーズにビンスが出場したのを見て認識を改めました。前日までの雨でマディになったHARPのコースで他のライダーより静かな排気音を残してブッチギリで走りぬけたビンスの走りは見事だった。
 ビンス。私はあなたの事を誤解していたよ。
 ビンスは早寝早起き。朝6時には起きだして、夜は8時には寝ちゃいます。泊まる所はビンスの友人の牧場の廃屋であったり、ブッシュキャンプであったり、ファームステイであったりで、このあたりもビンスの運営するツアーの魅力の部分でもあります。ツアーに参加する方にはこの生活感そのものも楽しんでもらえたら最高です。オーストラリアの内陸部、人里はなれた広大な牧場でのファームステイはそう簡単には体験できない貴重な体験となると思います。
****************************************************************************************** ある年のツアーでの事。
 バックアップライダーを務めていた私は濛々たる砂埃の向こうからヘッドライトが向かってくるのを発見して急制動。めったに対向車など現れないので油断していた私は本当に驚いた。
 止まってみると対抗してきたのはリーダーガイドのビンスその人。何事かとビンスにバイクを寄せると、スタンドを立ててバイクを降りたビンスが手にしたものは・・・不思議な姿をした”トカゲ”でした。
 「ほら。珍しいトカゲだろう?」
 あの砂埃の中で、しかも100km/hオーバーで走りながら道端にいるトカゲを見つけたビンスの動体視力には脱帽です。それからトカゲをわざわざ見せてくれようとUターンしたサービス精神にも。でも、砂埃の中でUターンはやめましょう。けっこう危なかったよ。

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