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自立支援法・後期高齢者医療制度の「廃止」に伴う混乱を防ぐために

医療保険制度を地域で再編すると、審査支払機関は

2009年10月06日 10時57分33秒 | 情報化・IT化
昨日、レセプトオンライン化に絡めて審査支払機関(支払基金と国保連合会)に触れたが、地域の単位で医療保険制度を再編していくなら審査支払機関は2つも要らなくなると考えられる。

審査支払機関の詳細を知る人は少ないので、簡単に解説しておく。審査支払機関の主な役割は、医療保険者から被保険者のデータを集め、医療機関などからのレセプト=請求データを審査すること、医療保険者に代わって医療機関などに診療報酬を支払うこと(医療保険者に請求する)である。
この審査支払機関は2つあり、国民健康保険のための審査支払機関は国保連合会(国民健康保険団体連合会)で、都道府県別に47団体ある。被用者保険のための審査支払機関は支払基金(社会保険診療報酬支払基金)で、1つ。都道府県別に47の支部がある。

地域の単位で医療保険制度を再編していくとどうなるか。市町村国保を都道府県の単位で再編すると、医療保険者と審査支払機関が1対1になる。国保連合会は「県下の市町村がばらばらに保険事務を行っていては非効率だから委託先をつくりましょう」という組織なので、保険者の機能として取り込んでしまえばよい。別の案として、国保連合会の全国組織の国保中央会が全国47の医療保険者のための審査支払機関になる、という考え方もある。
被用者保険も中小の健保組合を都道府県の単位で束ねて再編すると、医療保険者と支払基金の支部が1対1になる。ここまで来ると、もはや国保連合会=国保中央会と支払基金を1つの組織にしてしまってもよいのではないか、と思えてくる。

審査支払機関に2つの組織があるのは、医療保険制度にパッチワークのように手を入れてきた結果として、複雑化しているからである。医療保険者も審査支払機関も再編する前に、思い切って制度を綺麗にしたほうがよい。

社会保険診療報酬支払基金法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO129.html

国民健康保険法
第七章 国民健康保険団体連合会(第八十三条~)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33HO192.html