ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

ドバイの運転免許証発行 2007年は43%減

2008年04月21日 00時06分47秒 | 車/交通事情
2007年にドバイで発行された運転免許証は、2006年に比べて43%も減ったという

ウェブ版ガルフ・ニュースのこの記事に多くの書き込みがされているのを教えてくれたのは、総務の女性社員だった。彼女が自宅と事務所の往復に利用しているバスの中では、書き込みにあるような、運転免許をとれないインド人やパキスタン人達の不平不満の声をよく聞くという。それだけこの問題がドバイでは深刻だということだろう。

最近我が事務所では、運転免許の試験の話題はタブーになっている。というのも、インド人の社員が2回目の試験に不合格で、その落胆ぶりたるや傍目にもわかるほどだったからだ。彼は、昨年7月に我が社に入社するやすぐに教習所に通い始めた。自動車の運転は好きらしく、一度目も二度目も自信満々で臨んだ結果の不合格。ほぼ同じ時期にドバイで働き始めた彼の友人達が、一人の例外の他、まだ合格していないのがせめてもの救いだ。

何を根拠に線引きがされているのかは不明だが、欧米人や日本人は自国の運転免許証を持っていれば、簡単にUAEの運転免許証を手に入れることができる。これに対して、インド、パキスタン、フィリピン人は一定時間の教習を受けた後、試験をパスして初めて運転免許証を手に入れることができる。その教習や試験を受けるのに、それぞれ数ケ月も待たなければならず、試験も一度で合格することがきわめてまれというのが現状だ。

ただでさえ交通渋滞が激しく、また交通事故死者も増加中のドバイで、政府が自動車を運転する人口を抑制したいのは理解できる。それがドバイ人口の大半を占めるインド亜大陸の人たちに向けられるのも合理的だと思うのは、私が特権に浴する日本人だからだろう。

もっとも、特権が認められるのはあくまで国籍を持つ国の免許証に限る。例えば、日本人が米国や英国の免許証を持っていても、UAEの免許証に書き換えができるのは日本のものだけ。実際、日本の免許証を持っていないばかりに、教習を受けるところから始め、何度も試験に失敗した挙句、断念した日本人を知っている。合宿でほぼ確実にとれる日本の運転免許を書き換える方が、UAEで試験を受けるよりずっと早い。

インド人社員によれば、UAE人はコネを使って試験を一発でパスするというし、アラビア語を話す他国のアラブ人も有利な取り扱いを受けているという。真偽のほどは不明だが、多分あたっているだろうと思う。

外歩きするのがまだ苦にならなかったこれまでは良かった。だが、これからは気温の上昇とともにタクシーをつかまえるまでの時間がだんだん苦痛になるのは、私自身昨年経験済みだ。インド人社員の不満をどうやってマネッジするか、悩ましい問題だ。

最新の画像もっと見る