ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

預言者昇天祭

2008年07月31日 23時50分27秒 | 文化・宗教
今日7月31日(木)は、UAEでは預言者昇天祭で祝日だ。昨年は土曜日だったこともあって、知らない内に終わっていたが、今年は三連休を作ってくれてありがたい。

イスラム教国にある他の拠点からは休日の連絡がない。犠牲祭やラマダン明けのイードと違って、必ずしも全てのイスラム教国で祝日になっているわけではなさそうだ。

そもそもこの祝日は、どういったものなのだろう。ウェブを検索して理解したことを書き留めて置く。

預言者昇天祭が祝う出来事は、Isla (Night Journey) と Miraj(Ascent)の二つに分解される。

紀元620年頃、まだ預言者ムハンマドがメディナに向かう前、メッカに住んでいた時のこと。タイフで神からの預言を授かった預言者は、信者を集めつつあったが、メッカの有力者達から迫害に会い困難を極めていた。同じ年には妻ハディジャと庇護者であったおじアブ・タリブを相次いで亡くしている。

預言者はある夜、祈るためにカーバ神殿の近くまで行き、そこで眠ってしまった。すると、大天使ガブリエルが現れ預言者をつついて起こす。ガブリエルは預言者を翼を持った白い天馬のもとに連れて行き、預言者はこの天馬に乗ってメッカからエルサレムにあるエルサレル神殿まで光速で旅する。ここまでが、夜の旅(Night Journey)。

次が昇天(Ascent)だが、預言者ムハンマドはユダヤ人がよって預言者アブラハムがわが子をあやうく手にかけて殺しかけた場所と信じている聖なる岩まで連れて行かれ、そこから天国に昇る。天国で彼は、アダム、バプテスマのヨハネ、イエス・キリスト、ヨセフ、エノク、アーロン、モーゼ、アブラハムといった聖書中の預言者達に会った後、ついに神に出会う(enter the presence of God)。

神は預言者ムハンマドにムスリム1日に50回祈るように言うが、神のもとを去り天から降りる際、モーゼから回数を減らしてもらいように言われ、再度天に向かい神から祈りの回数を1日40回に減らしてもらう。同じことを数回繰り返した結果、祈りの回数が5回になった時、ようやく預言者は天国から降りて、メッカに戻ったという。今日、ムスリムが1日5回祈っているのは、預言者ムハンマドが神と預言者モーゼの間を何度も往復しながら回数を減らしてもらったものだというのがユーモラスだ。

大部分のムスリムは、これらの出来事を物理的に起こったものと信じているらしい。ただし、一部には預言者が見たのは幻だったという解釈もあるようだ。

ドバイ駐在員にとっては、単に休日が一日増えただけのことだ。UAE人達がこの日をどのように祝ったのか、今はまだよくわからない。

最新の画像もっと見る