スポーツの世界、若い人たちがどんどん出てきて、最年少記録を書き換えている。水泳、卓球、テニス、フィギィアスケート等々、新旧の入れ替わりの激しさには、目を見張るものがある。これは、教える技術が目覚しく進歩していることに由来するものだと思う。一昔前は、これは上級者の技術だといって教えられることがなかったものが、最近では、小学生でも、要領を教えればできるのだということが分かってきたことによるものだろう。
この新旧の入れ替わりは、決してスポーツに留まるものではないと思う。囲碁、将棋の世界では、昔から小学生が大人と対戦し、打ち負かすということが起こっていた。そのうち、科学などの分野でも、若い人が大人をおびやかすようなことが出てくることだろう。
幼稚園生はこれくらいまで、小学生はこれくらいまで、中学生は・・・、高校生は・・・などと最初から限界を設けて、年齢が来るまで教える対象と見ていなかったように思う。しかし、例えば、数学は高校生くらいが一番能力を発揮し、それを過ぎると、新しい発想が出にくくなることは昔から知られていたことだ。年齢や学年といって枠を取り払い、物事のエッセンスを効率よく教えていくことができたら、もっともっと若いころに才能を開花させることができるに違いない。
そのためには、何よりも、教える側がまず固定観念を捨て、柔軟な対応ができるようにならなくてはだめだと思う。知識を教えるのではなく、エッセンスを教え、それからさき、どう展開するかは教えられる側が考えることと割り切ることが大切なのだと思う。口で言うのは簡単だが、これを実際にやっていこうとすると、とても大変なことだいうことが分かるだろう。