さあ、怪しいマーケットに突入だ!
怪しいマーケット入口
入口を入った最初の列には、カバンやアクセサリー、そして衣料品の非常に小さい個人店がギッチリと並んでいます。
他の列にも衣料品店や下着屋、おもちゃ屋、ネイルサロンなども入っていて、非常に賑やかです。
そして多くの店が扱っているブランド商品は、微妙にロゴやデザインが異なっています。
「なんかさ、このラ○ステのワニ、微妙に小さくない?」
という分かり易い違いから、
「確かにN○KEっぽいけど、こんな質感だっけ?」
という微妙な違いの物まで、様々です。もちろん怪しい高級ブランドも多数存在しますが、何せ立ち止まった瞬間から店主のセールス攻勢が始まるので、落ち着いて見ることなんてとても出来ません。
「キーちゃん、写真はダメだよ」
カメラをポケットから取り出した私を見て、佐野がすかさず釘を刺します。
佐野の話によると、このマーケットの中には制服を着用したガードマンが大勢ウロウロしていて、写真を撮っている奴やタバコを吸っている奴を見つけると、即座につまみ出すらしい。
「俺が先月、ライザープレート(機械の基礎レベルを出す為の部品)の設置に来た時も、外人が摘み出されてたからね」
「本当ですか?」
「本当だよ。ホラ、そこにもガードマンが居るべ」
確かに警官のような服装の男がウロウロと歩いている。
「ま、とにかく飯だ、飯!」
佐野を先頭にした我々は、両脇に個人店が並ぶ狭い通路を、早足で通り抜けます。通路を建物の真ん中まで通り抜けると、ガラスの仕切りの向こうにいきなり飲食店が現れます。
「うははは、イイじゃないですか!」
「だろ?ここで好きな店の飯を食べるんだよ」
そこはショッピングモールのフードコート形式になっていて、小さい店舗が十数店ほど並んでおり、中心部にはたくさんのテーブルと椅子がセットされています。
「まずはビールを飲みましょう!」
新垣が皆に提案をすると、唯一の飲料販売店に直行し、『燕京啤酒(Yanjing Beer)』という銘柄の瓶ビールを注文します。値段は10元(日本円で約150円)。
「あ、結構高いなぁ」
新垣が呟きます。
「でも日本円で150円ですよね」
「うん、まあそうなんだけどね」
新垣は苦笑いをする。
「俺の『カカカーラ』は4元(約60円)だ」
アルコールを一切飲まない佐野は、コーラを注文します。
「カカカーラって、コカコーラのことですか?」
「そう、こっちじゃ『可口可楽』だからな」
「へぇ」
清水が妙に納得した顔で頷く。
「とりあえず二人ずつで買いに行こうか?」
私は佐野と一緒に確保した席を立つと、未知なる飲食店に向かって歩き出した。
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もちろん嘘です(笑)